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個人事業主の減価償却ガイド|耐用年数・計...

2026/7/18

個人事業主の減価償却ガイド|耐用年数・計算方法・一括償却との違いをわかりやすく解説

  • 確定申告

減価償却とは、高額の設備やパソコン・車両の取得価額を、耐用年数にわたって分割して経費にしていく処理です。金額によって10万円・20万円・30万円で扱いが変わります。耐用年数と計算方法、特例の使い分けを整理します。

一度に全額を経費にできると思って購入すると、想定より経費計上が進まず資金計画が狂うことがあります。逆に、少額資産の特例をうまく使えば、その年の節税につながる場面もあります。まずは基本の考え方と、対象になる資産から見ていきましょう。

☑ 事業で高額の設備やPC・車両を購入した

☑ 減価償却の仕組みや耐用年数がよくわからない

☑ 10万円・20万円・30万円の「境目」と対応した処理を知りたい

個人事業主やフリーランスが高額の設備やパソコン・車両を購入したときに登場するのが「減価償却」です。一度に全額を経費にできるわけではなく、資産の種類や金額によって「何年にわたって」「どのように」経費計上するかが決まります。

減価償却とは?基本の考え方

減価償却とは、長期間使用する資産を購入した際に、その取得価額を一度に経費として計上せず、使用可能期間(耐用年数)にわたって分割して経費化していく会計処理のことです。資産は使ううちに価値が減っていくという考え方がベースにあります。減価償却の全体像は、国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」で確認できます。

たとえば、100万円の車を購入したとしても、その年に100万円を一括で経費にできるわけではありません。車両の耐用年数にあわせて、毎年の減価償却費を計算し、その金額を経費として計上していきます。

減価償却の対象となる資産

有形固定資産と無形固定資産

減価償却の対象になるのは、建物・機械装置・車両・器具備品などの「有形固定資産」と、ソフトウェアや特許権などの「無形固定資産」です。以下のように、「事業で使う」「使用期間が1年以上」「一定金額以上」のすべてに当てはまるものが原則として対象になります。ソフトウェアや繰延資産など、資産の種類ごとの償却の考え方は繰延資産の償却の実務も参考になります。

減価償却の対象外となるもの

土地や骨董品など、時間の経過や使用によって価値が下がらないと考えられる資産は減価償却の対象外です。また、仕入れ商品や原材料、消耗品などは、それぞれ仕掛・仕入・消耗品費として別途処理されます。

耐用年数とは

耐用年数とは、その資産を使用できると見込まれる期間のことで、国が「法定耐用年数」として資産の種類ごとに定めています。たとえば、事務所用のパソコンは4年、車両(普通の乗用車)は6年、エアコン・冷蔵庫などの家電製品は6年が目安となります。

耐用年数は「実際に何年使うか」とは関係なく、法定された年数に従って処理します。「主な減価償却資産の耐用年数表」は国税庁のウェブサイトで公開されているため、関係する資産の年数を事前に確認しておくと安心です。

減価償却の計算方法

定額法

定額法は、毎年同じ金額を減価償却費として計上する方法で、「取得価額×定額法の償却率」で計算します。個人事業主の場合は、原則としてこの定額法が適用されます。計算がシンプルで見通しが立てやすい点がメリットです。

定率法

定率法は、毎年の未償却残高に定率をかけて償却費を計算する方法で、初期に多くの金額を経費計上できるのが特徴です。法人や、個人でも事前に「法定耐用年数によらずに使用する償却方法の届出書」を提出している場合に選択できます。車両や高額な機械などで選択されることがあります。

計算例:30万円のパソコンを購入した場合

事務所用のパソコン(30万円、耐用年数4年、定額法の償却率0.250)を期首に購入した場合、毎年の減価償却費は「30万円×0.250=7.5万円」となります。4年間にわたって毎年7.5万円ずつを経費計上していくイメージです(月割計算や残存価額の考え方によって多少差異が生じます)。

10万円・20万円・30万円の「境目」と処理の選び方

10万円未満:全額をその年の経費に

取得価額が10万円未満のものは、原則としてその年の消耗品費や雑費などとして全額経費にできます。小さな事務所用品やケーブル類、一般的な応接グッズなどは、この区分で処理されることが多いです。何が必要経費として認められるかの考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます。

10万円以上20万円未満:一括償却資産

10万円以上20万円未満の資産は、「一括償却資産」として3年間にわたって均等に償却することができます。1年あたりの償却費は「取得価額÷3」で、耐用年数に関係なくシンプルに処理できるのがメリットです。より長い耐用年数の資産でも、こちらの処理を選べる点がポイントです。

30万円未満:少額減価償却資産の特例

青色申告をしている個人事業主や中小企業なら、1個30万円未満の資産を購入した際に、その年に全額を経費として計上できる「少額減価償却資産の特例」が利用できます。年間合計300万円までという上限はありますが、起業・拡大期の設備投資と相性がよい制度です。上限300万円の管理方法は少額減価償却資産300万円の管理に、設備投資の税制優遇と補助金の併用は設備投資の税制優遇と補助金の併用にまとめています。

減価償却の仕訳・確定申告での扱い

仕訳のやり方(個人事業主の場合)

資産を購入したときは「工具器具備品」「車両運搬具」などの資産勘定で計上し、決算時に「減価償却費」を借方に、同額を資産勘定の貸方に記録して価額を減らしていきます。クラウド会計ソフトを使えば、取得価額と耐用年数を登録するだけで自動計算してくれるため、仕訳の負担が大幅に軽減されます。資産の登録や毎期の減価償却の仕訳まで手が回らない方は、領収書を送るだけで対応できる固定資産の登録や仕訳を任せる記帳代行という方法もあります。

確定申告での記載

確定申告では、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に、資産ごとに取得年月・取得価額・耐用年数・本年分の償却費などを記載します。進めるうちに計算ミスがあると、翌年以降の償却費にも影響してしまうため、初期の設定は丁寧に行いましょう。

減価償却のよくある質問

Q1. 中古で購入した資産の耐用年数は?

中古資産については、「法定耐用年数 − 経過年数 + 経過年数×0.2」などの計算式で見積もりをし、短めの年数を適用できるケースがあります。とくに中古車や中古の機械を購入した際は、この「中古資産の見積り耐用年数」を使うと節税効果が高まります。中古車を含む車の費用の勘定科目は車の維持費の勘定科目で整理しています。

Q2. プライベートと共用している資産は?

車やパソコンをプライベートと共用している場合は、事業で使っている割合(事業供用割合)を見積もって、その割合分だけを経費に計上します。事業供用割合は、あとから検証できるよう、「走行記録」や「使用時間メモ」など、合理的な根拠を残しておくことが重要です。

Q3. 途中で資産を売却・廃棄したときは?

資産を売却した場合は、その時点の帳簿価額と売却価額の差額が「譲渡所得」として課税対象になります。廃棄した場合は、帳簿価額を「固定資産除却損」などとして経費計上します。高額な資産を手放すときは、事前に会計や税務への影響を確認しておくと安心です。

Q4. 領収書や請求書はどのくらい保管する必要がありますか?

固定資産の購入に関わる領収書や契約書などは、資産を保有している間だけでなく、除却・売却後も一定期間は保管しておく必要があります。青色申告の場合は7年間の保存が原則で、電子取引で受け取ったものは電子保存の要件を満たす必要があります。

減価償却で迷ったときの結論

減価償却は、高額の設備や車両、PCを購入したときに必ずセットで考えるべき重要なテーマです。「一度に経費化できない」という点だけを見ると損に思えますが、長期的に見れば経費として反映されるため、正しい処理を理解しておくことが重要です。

「10万円・20万円・30万円の境目」「耐用年数と計算方法」「一括償却・少額減価償却資産の特例の使い分け」の三つを押さえておくだけで、どのような設備投資をする場合でも適切に処理できるようになります。過剰な償却をしないためにも、選択肢を事前に比較しておくとよいでしょう。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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