仕訳がわからないときの調べ方と勘定科目の探し方を解説
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税務

仕訳がわからないときは、取引を日本語に言い換え、目的と立場を足したキーワードで調べ、複数の情報源を見比べるのが近道です。勘定科目は「何のための支出か」で大分類から絞れば、初めての方でも自分で答えにたどり着けるようになります。
経費を払うたびに勘定科目で手が止まり、借方と貸方のどちらに書くかで考え込んでしまう。気づけば一件の処理に何十分もかかっていた、という個人事業主の方は少なくありません。つまずく原因の多くは、調べる手順を知らないことにあります。決まった順番でたどっていけば、たいていの取引は自分で判断できるようになります。この記事では、調べる順番と勘定科目の絞り方、判断がつかないときの対処法までを整理します。
☑ この支払いはどの勘定科目に入れればいいのか毎回手が止まる
☑ 借方・貸方のどちらに何を書けばいいのか自信が持てない
☑ ネットで調べても答えがバラバラで結局どれが正しいのかわからない
そもそも仕訳とは何かをおさえる
仕訳は「取引を2つの面から記録すること」
仕訳とは、一つの取引を「お金やモノがどう動いたか」という2つの面から記録する作業です。たとえば現金で文房具を買ったとき、「経費が増えた」面と「現金が減った」面の2つがあります。これを左側(借方)と右側(貸方)に分けて書くのが仕訳です。複式簿記では、すべての取引にこの2つの面があると考えます。
この「1つの取引に必ず2つの面がある」という前提を理解しておくと、検索結果を見たときに納得しやすくなります。単式簿記と複式簿記の違いから土台を固めたい方は、個人事業主の帳簿の付け方入門を先に読んでおくと、この後の説明がすっと入ってきます。
借方・貸方は意味で覚えず「型」で覚える
多くの方が混乱するのが借方(左)と貸方(右)です。漢字に意味を求めると余計わからなくなるので、ここは割り切って型で覚えるのがおすすめです。ざっくり言うと、次のように整理できます。
資産(現金・預金・備品など)が増えたら左、減ったら右
費用(経費)が発生したら左
収益(売上)が発生したら右
負債(借入金など)が増えたら右、減ったら左
仕訳を調べるときは、まず「何が増えて何が減ったか」を言葉にしてから型に当てはめると、左右の振り分けで迷いにくくなります。
仕訳がわからないときの調べる順番
ステップ1 取引を日本語で言い換える
いきなり勘定科目を探すのではなく、まず取引を「何のために」「何を」「どう支払ったか」という日常の言葉に言い換えます。たとえば「取引先との打ち合わせでカフェ代を現金で払った」というように、自分にわかる文章にするのです。この一手間で、後の検索キーワードが具体的になり、答えにたどり着く速度が変わります。仕訳は「何のための支出か」で科目が変わることが多いため、目的を言葉にしておくことが重要です。
ステップ2 自分の業種・目的に合うキーワードで検索する
言い換えた文章をもとに検索します。このとき「カフェ代 仕訳」だけでなく、「打ち合わせ カフェ代 勘定科目 個人事業主」のように状況と立場を足すのがコツです。キーワードに入れると役立つ要素は次のとおりです。
支出の目的(打ち合わせ・接待・自分の昼食など)
立場(個人事業主・フリーランス・自営業)
知りたいこと(勘定科目・仕訳・経費になるか)
同じ「カフェ代」でも、打ち合わせなら会議費、得意先の接待なら接待交際費、自分一人の食事なら経費にしにくい、というように目的で結論が変わります。目的を入れるほど、自分のケースに近い答えが見つかります。クレジットカードで払った経費をどう扱うか迷ったら、クレジットカード明細と領収書の関係もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
ステップ3 複数の情報源を見比べて共通点を探す
検索結果は1つだけ鵜呑みにせず、最低でも2〜3件を見比べてください。複数のサイトで同じ勘定科目が挙がっていれば、一般的な扱いと考えてよいでしょう。反対に結論が割れている場合は、「目的や金額で扱いが変わるグレーな取引」である可能性が高く、慎重に判断すべきサインです。
信頼できる情報源の見分け方
一次情報にあたれるものを優先する
仕訳や経費の扱いは、最終的には法令や税務上のルールに基づきます。そのため、できるだけ公的機関が出している情報や、税理士など専門家が監修している記事を優先しましょう。経費になるかどうかの基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます。判断の根拠が示されているか、いつ書かれた情報かが明記されているかも、信頼度を測る目安になります。
個人のブログや掲示板の書き込みは参考にはなりますが、根拠が示されていないことも多く、そのまま正解とするのは危険です。あくまで「考え方のヒント」として扱い、結論は信頼できる情報源で裏取りしましょう。記帳や帳簿の保存のルールそのものは、国税庁No.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」が一次情報として参考になります。
会計ソフトのヘルプ・科目一覧を活用する
意外と見落とされがちなのが、お使いの会計ソフトに用意されている勘定科目の一覧や入力例、ヘルプ記事です。会計ソフトはそのソフトの標準的な科目体系に沿って案内してくれるため、「自分の帳簿でどの科目を使えばいいか」という実務的な疑問に直接答えてくれます。一般論を検索する前に、まずソフト内のヘルプを見ると早く解決することも多いです。
古い情報に注意する
税務のルールは改正されることがあります。検索で上位に出てきても、数年前の記事だと現在の扱いと違う場合があります。記事の更新日を確認し、できるだけ新しい情報を参照しましょう。日本の個人事業主向けの情報かどうかも確認すると安心です。
勘定科目の探し方のコツ
「何のための支出か」で大分類から絞る
勘定科目は数が多く、一覧から探そうとすると途方に暮れます。そこで、まずは大きなグループから絞り込むのが効率的です。経費であれば、次のように当たりをつけます。
モノを買った → 消耗品費・事務用品費など
人と会う・もてなす → 会議費・接待交際費
移動した → 旅費交通費
知らせる・宣伝する → 広告宣伝費・通信費
場所や設備を借りた → 地代家賃・賃借料
大分類で当たりをつけてから最も近い科目を選べば、ゼロから探すより速くなります。なかでも紛らわしいのが「借りる」系の科目で、地代家賃・賃借料・支払手数料の線引きはレンタルやリースの科目の使い分けで具体的に確認できます。
迷ったら金額の大きさと使う頻度で決める
最後まで迷ったときは、「金額がそれほど大きくなく、たまにしか出ない支出」なら、無理に細かい科目を作らず雑費にまとめるのも一つの方法です。ただし雑費が膨らみすぎると中身がわからなくなります。同じ支出が何度も出るなら、専用の科目を立てたほうが管理しやすくなります。
一度決めた科目は同じ取引でずっと使い続ける
勘定科目選びで最も大切なのは「継続性」です。同じ内容の支出は、毎回同じ科目で処理しましょう。打ち合わせのカフェ代を、あるときは会議費、あるときは雑費と入れてしまうと、後から集計したときに正しい金額がつかめません。一度「この支出はこの科目」と決めたら、その判断をメモしておくと次から迷いません。
調べても判断がつかないときの対処法
ここまでの手順を踏んでも、どうしても科目や仕訳が決まらない取引は出てきます。そんなときの現実的な進め方を紹介します。記帳代行の現場でも、判断に迷う取引をためこんで手が止まってしまうご相談は多く、止めない工夫が何より効きます。毎回の科目判断そのものを手放したい方には、勘定科目の判断ごと任せる記帳代行という選択肢もあります。
暫定で処理して付箋やメモを残す
判断がつかない取引で帳簿づけが止まるのは非効率です。そんなときは、いったん最も近いと思う科目で暫定処理をし、「この取引は要確認」とメモを残しておきましょう。後でまとめて見直したり専門家に質問したりするときに、対象がすぐ見つかります。完璧を求めて手が止まるより、流れを止めない工夫が大切です。暫定処理した科目を後から直す手順は、帳簿の修正と訂正の基本にまとめています。
判断に迷う取引はまとめて専門家に聞く
仕訳のグレーな部分は、独学で確証を得るのが難しい領域です。プライベートと事業の両方にかかわる支出(自宅兼事務所の家賃や仕事にも使う車など)や、高額な買い物、扱いが分かれそうな取引は、無理に自己判断せず専門家に確認するのが安全です。迷った取引をメモにためておき、まとめて相談すると効率的です。
「正解探し」より「説明できる状態」を目指す
仕訳には、一つだけが正解とは言い切れないグレーな取引も存在します。大切なのは、「なぜこの科目にしたのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくことです。根拠を持って継続的に処理していれば、後から見直すときも対応しやすくなります。神経質になりすぎず、説明できる仕訳を積み重ねていきましょう。
よくある質問
Q. 勘定科目を間違えて入力してしまったら大変なことになりますか?
消耗品費にすべきものを事務用品費にしたといった、同じ経費グループ内での違いであれば、利益額そのものは変わらないため、過度に心配する必要はありません。気づいた時点で修正すれば大丈夫です。ただし、本来は経費にできないものを経費に入れていた、といった性質の違う間違いは影響が大きいので、迷う取引は早めに確認しましょう。
Q. 自分で考えた科目名を勝手に作ってもいいですか?
事業の実態に合っていて内容がわかる名前であれば、独自の科目を設けること自体は可能です。ただし、一般的な科目で表せるものは標準的な科目を使ったほうが、後で集計しやすく第三者にも伝わりやすくなります。独自科目も、一度決めたら継続して同じ基準で使うことが大切です。
Q. 仕訳をまとめて月末や年末にやってもいいですか?
まとめて処理することもできますが、時間が経つとレシートの内容や支出の目的を思い出せなくなり、かえって仕訳に迷う原因になります。できれば取引のたびに、難しければ週に一度など短い間隔で処理するほうが、記憶が新しいうちに正確な仕訳ができます。
結論:仕訳は手順で調べれば自分で答えにたどり着ける
仕訳がわからなくなる原因の多くは、調べる手順を知らないことにあります。まず取引を日本語で言い換え、目的と立場を足したキーワードで検索し、複数の情報源を見比べる。勘定科目は「何のための支出か」で大分類から絞り、一度決めたら継続して同じ科目を使う。判断がつかない取引は暫定処理してメモを残し、まとめて専門家に確認する。この流れを身につければ、仕訳の前で固まる時間は確実に減っていきます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








