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試算表の見方|月次でお金の流れをチェック...

2026/8/11

試算表の見方|月次でお金の流れをチェックする方法を解説

  • 税務

試算表は、左右の合計・収益と費用のバランス・気になる科目の動きという3つの視点で見れば、簿記の知識がなくても自分のお金の流れを読み解けます。月次でチェックする意味と具体的な見方を、はじめての方向けに整理します。

帳簿はつけているのに、今いくら儲かっているのか分からない。数字がびっしり並んだ試算表を前に、どこから読めばいいのか戸惑う方は少なくありません。せっかく帳簿をつけていても、その結果を活かせていないとしたら、もったいない話です。ポイントを絞れば、試算表は経営の現在地を教えてくれる頼もしい味方になります。

☑ 試算表という言葉は知っているが、どこを見ればいいのか分からない

☑ 帳簿はつけているのに、今いくら儲かっているのか把握できていない

試算表とはどんな表なのか

試算表は、帳簿に記録したすべての取引を勘定科目ごとに集計し、一覧にまとめた表です。日々の仕訳が正しく積み上がっているかを確かめると同時に、事業の財産状態ともうけの状況を一目で確認できます。

試算表が果たす役割

試算表には大きく二つの役割があります。一つは、記帳した数字に計算間違いがないかを検算するチェック機能。もう一つは、資産や負債、収益や費用の現状を把握する報告機能です。日々の仕訳を集めた中間地点に位置し、ここを通すことで帳簿全体の健康診断ができると考えると分かりやすいでしょう。

試算表に並ぶ主な区分

  • 資産:現金、預金、売掛金など事業が持っているもの

  • 負債:買掛金や借入金など、これから支払うもの

  • 収益:売上など、事業に入ってくる収入

  • 費用:仕入れや経費など、事業のために出ていくお金

これら四つの区分が、試算表の中で勘定科目ごとに整理されて並んでいます。たとえば「現金」「普通預金」は資産、「売上高」は収益、「消耗品費」「旅費交通費」は費用、といった具合です。どの科目がどの区分に属するのかをざっくり押さえておくだけでも、表全体の構造が見えやすくなります。最初はすべての科目を覚える必要はなく、よく出てくるものから少しずつなじんでいけば十分です。勘定科目の割り振りに迷う方は、個人事業主の帳簿の付け方入門(単式簿記と複式簿記の違い)から押さえておくと、試算表の土台が理解しやすくなります。

試算表のどこを見ればいいのか

試算表は数字が多く見えますが、見るべきポイントを絞れば一気に読みやすくなります。すべてを完璧に理解しようとせず、まずは大きな流れをつかむことから始めましょう。

左右の合計が一致しているか

試算表は、複式簿記の仕組み上、左側(借方)と右側(貸方)の合計が必ず一致します。もし合計がそろっていなければ、どこかで記帳ミスが起きているサインです。まずはこの一致を確認することが、数字を信頼する第一歩になります。左右が合わないときは、帳簿の付け方を間違えたときの直し方を参考に、入力漏れや二重計上をさかのぼって確認しましょう。

収益と費用のバランス

収益の合計から費用の合計を引くと、その時点でのおおよそのもうけが見えてきます。売上が伸びていても費用がそれ以上に増えていれば、手元に残る利益は思ったほどではないかもしれません。両者のバランスを見る習慣をつけると、経営の実感がつかめます。

気になる科目の動き

毎月見比べていると、特定の科目が急に増えたり減ったりしていることに気づきます。たとえば交際費が先月の倍になっていれば、その理由を振り返るきっかけになります。異常な動きを早めに察知できるのも、試算表ならではの利点です。よくあるつまずきを先に知っておきたい方は、個人事業主の帳簿づけでよくある間違い10選も参考になります。

貸借対照表と損益計算書とのつながり

試算表は単独で完結するものではなく、最終的に作成する二つの大切な書類につながっています。その関係を知っておくと、試算表を見る意味がより深く理解できます。

財産の状態を表す部分

試算表のうち、資産と負債の区分は、事業がどれだけの財産を持ち、どれだけの支払い義務を抱えているかを示します。この部分は、年度末にまとめる「貸借対照表」へとつながっていきます。手元にある預金や売掛金、これから払う借入金などのバランスを見ることで、事業の足元の安定度がうかがえます。

もうけの状態を表す部分

一方、収益と費用の区分は、その期間にどれだけ稼ぎ、どれだけ使ったかを示し、「損益計算書」へとつながります。確定申告で提出する決算書も、もとをたどればこうした集計の積み重ねです。試算表を毎月見ておくことは、申告書のもとになる数字を一年を通して見守ることにほかなりません。

月次でチェックすることのメリット

試算表は年に一度だけでなく、毎月作って見比べることで真価を発揮します。月ごとの定点観測が、経営のかじ取りを助けてくれます。

お金の流れを早めにつかめる

毎月の試算表を見ていれば、売上が落ちている月や経費がかさんでいる月にすぐ気づけます。年に一度の確定申告のときに初めて状況を知るのと比べ、対策を打てる時間が圧倒的に増えます。

確定申告がぐっと楽になる

月々の数字を整えておけば、申告の時期にまとめて一年分を処理する負担がなくなります。一年分の領収書を前に途方に暮れる、という事態を避けられるのは大きな安心です。毎月の試算表で数字を確認できていれば、申告期にはその積み重ねを集計するだけで済み、内容に対する納得感も自然と高まります。

  • 記帳の遅れに早く気づける

  • 納税額のおおよその見通しが立つ

  • 資金繰りの計画が立てやすくなる

とはいえ、毎月の記帳を欠かさず続けたうえで確定申告まで自分でこなすのは、本業を持つ方には大きな負担です。申告まで見据えて任せたい方は、確定申告まで見据えた記帳の代行という選択もあります。記帳代行の現場でも、月次の数字を見たいのに記帳が追いつかない、というご相談は多くいただきます。

試算表を読み解くときの注意点

便利な試算表ですが、読み方を誤ると判断を間違えることもあります。いくつかの前提を押さえておきましょう。

その時点の途中経過である

月次の試算表は、あくまでその月までの途中経過を示すものです。年度末の決算整理を経て初めて正式な利益が確定するため、月次の数字はおおよその目安として捉えるのが適切です。

数字の正確さが前提になる

試算表の価値は、もとになる記帳が正確であってこそです。入力漏れや二重計上があれば、見た目の数字が正しくても実態とずれてしまいます。まずは日々の記帳をていねいに行うことが、信頼できる試算表づくりの土台です。記帳・帳簿保存の基本的なルールは、国税庁タックスアンサーNo.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」や、国税庁の「帳簿の記帳のしかた」で確認できます。

よくある質問

Q. 試算表は自分で作らないといけませんか?

会計ソフトを使っていれば、入力した仕訳から自動的に試算表が出力されることがほとんどです。手作業で一から作る必要はなく、できあがった表をどう読むかが大切になります。表示の仕方はソフトによって異なるため、まずは自分の使う画面に慣れていきましょう。

Q. 簿記の知識がなくても試算表は読めますか?

基本的なポイントだけなら、専門知識がなくても十分読み取れます。左右の合計が合っているか、収益と費用のバランスはどうか、気になる科目に大きな動きはないか。この三つを見るだけでも、経営の状態をかなり把握できます。

Q. 毎月作るのが大変です。どうすればいいですか?

無理に毎月完璧を目指す必要はありませんが、最低でも数か月に一度は確認できると安心です。記帳そのものが負担になっている場合は、入力作業を仕組み化したり外部に任せたりすることで、無理なく続けやすくなります。

結論:試算表は3つの視点で読める

試算表は、難しそうに見えて、実はお金の流れを教えてくれる頼もしい味方です。左右の合計の一致、収益と費用のバランス、科目ごとの動き。この三つの視点を持つだけで、自分の事業が今どんな状態にあるのかが見えてきます。

そして、その効果は毎月見比べることで何倍にもなります。早めに状況をつかめれば、打てる手も増え、確定申告の時期にも慌てずに済みます。試算表を「読む習慣」を身につけることが、安定した事業運営への近道です。

試算表を見たいのに、そもそも毎月の記帳が追いつかない——そんな状態を続けているなら、記帳そのものを手放すのも一つの方法です。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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