整体師・セラピストの確定申告|自宅サロンの経費と按分を解説
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確定申告

整体師・セラピストの確定申告は、自宅サロンの家賃や光熱費を家事按分で計上し、オイルやタオルなど業種特有の経費を漏れなく拾うのがポイントです。確定申告の基本から按分の考え方、青色申告のメリットまで整理しました。
施術の技術は磨いてきたものの、お金の計算や帳簿づけは苦手で後回しにしてしまう、という声を本当によく耳にします。特に自宅でサロンを開いている場合、生活費と事業の経費が混ざりやすく、どこまでを経費にしてよいのか迷ってしまうのは当然のことです。自宅サロンや業務委託で施術を行う方に向けて、迷いやすい点を順に解きほぐしていきます。整体・リラクゼーションの日々の帳簿づけそのものは、整体・リラクゼーションサロンの記帳のポイントにもまとめています。
☑ 自宅の一室を施術スペースにしているけれど、家賃や光熱費をどこまで経費にできるのか分からない
☑ オイルやタオル、ベッドなどの購入費を経費にしていいのか、勘定科目もよく分からない
☑ 整体院やリラクゼーション店に業務委託で入っていて、確定申告が必要なのか不安
整体師・セラピストに確定申告が必要なケース
個人事業主として施術している場合
自宅サロンを開いていたり、店舗を借りて整体院・リラクゼーションサロンを営んでいたりする方は、原則として個人事業主にあたります。事業で得た収入から必要経費を差し引いた「事業所得」が一定額を超えると、確定申告が必要になります。一般に、所得が基礎控除などの範囲を超える場合は申告が必要と考えておくとよいでしょう。開業したら、税務署へ開業届を出しておくのが基本です。
業務委託やフリーランスで働いている場合
整体院やリラクゼーション店、ホテルのスパなどに「業務委託」という形で入って施術している場合も、雇用された従業員ではなく個人事業主としての収入になります。お店から支払われる報酬は給与ではなく事業収入(または雑所得)として扱われ、自分で確定申告をする必要があります。源泉徴収されているケースもありますが、その場合でも申告によって払いすぎた税金が戻ってくることがあります。柔道整復を扱う接骨院・整骨院に近い施術を行う方は、接骨院・整骨院の記帳の考え方もあわせて見ておくと、収入や経費の整理の参考になります。
副業として施術をしている場合
平日は会社員として働きながら、休日だけ出張整体やもみほぐしをしている、という方も増えています。会社の給与とは別に副業の所得が一定額(目安として年間20万円)を超える場合、確定申告が必要になります。少額でも住民税の申告が必要なことがあるため、「副業だから関係ない」と思い込まず、収入と経費はきちんと記録しておきましょう。
自宅サロンの経費はどこまで?家事按分の考え方
家事按分とは
自宅の一部を施術スペースとして使っている場合、家賃・電気代・水道代などは「生活のための支出」と「事業のための支出」が混ざっています。このうち事業で使った割合だけを経費として計上する考え方を家事按分といいます。すべてを経費にすることはできませんが、合理的な基準で分ければ、その分はきちんと経費にできます。大切なのは「なぜその割合にしたのか」を説明できるようにしておくことです。割合の決め方に迷ったら、家事按分の割合の決め方が具体的な考え方の助けになります。
家賃・地代の按分
賃貸の自宅でサロンを開いている場合、施術に使っている部屋の面積が家全体に占める割合で家賃を按分するのが一般的です。たとえば全体が50平方メートルで、施術ルームと待合スペースに15平方メートルを使っているなら、おおむね3割を事業用として計上する、といった具合です。持ち家の場合は家賃そのものはありませんが、固定資産税や住宅ローンの利息部分などを面積按分できることがあります。
水道光熱費・通信費の按分
電気代やガス代、水道代も事業使用分を按分します。整体やエステではホットタオルの加温、暖房、加湿、シャワーの利用などで水道光熱費がかさみやすいため、面積比だけでなく実際の使用状況を踏まえて割合を決めると実態に合います。スマホ代やインターネット料金も、予約対応やSNS発信に使う分を按分して通信費に計上できます。按分の根拠となるメモや写真を残しておくと安心です。按分や科目の判断に自信が持てないときは、按分や科目の判断を任せられる記帳代行という選択もあります。
整体師・セラピストならではの経費の具体例
施術に直接かかる消耗品・材料費
この業種で経費にしやすいのが、施術に直接使う消耗品です。たとえば次のようなものが挙げられます。
マッサージオイル、アロマオイル、クリーム、ジェルなどの施術用材料
フェイスペーパー、使い捨てシーツ、タオル、紙ショーツなどの衛生用品
消毒用アルコール、マスク、手指消毒剤などの衛生・感染対策用品
お客様にお出しするお茶やハーブティーなどの備品
これらは消耗品費や材料費として計上します。日々こまめにレシートを保管しておくことが、漏れなく経費にするコツです。エステ寄りのメニューで回数券や前払いを扱う場合の売上の立て方は、エステサロンの記帳と前受金の扱いが参考になります。
施術ベッド・機材などの備品
施術ベッド(マッサージベッド)、フェイシャルスチーマー、EMSやキャビテーションなどの美容機器、整体用のローラーやストレッチ器具なども事業に必要な備品です。1つあたりの金額が少額のものはその年の経費にできますが、高額な機材は「減価償却」といって、数年に分けて少しずつ経費にするのが原則です。減価償却の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」で確認できます。何を、いつ、いくらで買ったかが分かるようにしておきましょう。
技術向上・集客にかかる費用
整体やセラピーの技術は学び続けることが大切です。技術を高めるためのセミナー受講料、資格取得や更新の費用、参考書籍代などは研修費・新聞図書費として経費になり得ます。また、ホームページの制作・維持費、チラシや名刺の印刷代、予約サイトへの掲載料、SNS広告費なども集客のための広告宣伝費です。施術着(ユニフォーム)も、事業専用と説明できるものであれば経費にできます。
青色申告で受けられるメリット
青色申告特別控除
事前に申請して青色申告を選ぶと、複式簿記で帳簿をつけ、必要書類を期限内に提出することで、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます(電子申告などの要件を満たす場合)。簡易な記帳の場合は10万円の控除となります。控除が大きいほど課税対象となる所得が減り、結果として税負担を抑えられます。自宅サロンで利益が出てきた整体師・セラピストの方ほど、青色申告の恩恵は大きくなります。
赤字の繰越と家族への給与
青色申告では、開業初年度などで赤字になった場合、その損失を翌年以降の所得から差し引ける「純損失の繰越し」が使えます。また、生計を共にする家族にサロンの受付や経理を手伝ってもらっている場合、青色事業専従者給与として支払った分を経費にできる制度もあります。その要件は、国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」で確認できます。家族で運営している自宅サロンでは特に検討の価値があります。
青色申告を始めるための手続き
青色申告をするには、原則として申告したい年の3月15日まで(新規開業の場合は開業日から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。申請を忘れると、その年は白色申告になってしまいます。これから独立する方は、開業届とあわせて早めに提出しておくと安心です。
確定申告に向けた日々の準備
領収書・レシートの保管
確定申告で経費を正しく計上するには、その裏づけとなる領収書やレシートの保管が欠かせません。オイルやタオルを買ったレシート、機材の購入明細、家賃や光熱費の支払い記録などは、月ごとに封筒や袋に分けておくだけでも後の作業がぐっと楽になります。一定期間の保存義務があるため、申告が終わっても捨てずに保管しておきましょう。
売上と現金の管理
自宅サロンでは現金でのお支払いも多く、売上の記録が曖昧になりがちです。予約管理アプリや手書きの予約表、施術メニューと料金の記録などをもとに、いつ・誰に・いくらの施術をしたかを残しておきましょう。キャッシュレス決済を導入している場合は、その入金記録も売上として漏らさず計上します。プライベートの口座と事業用の口座を分けておくと、お金の流れが見えやすくなります。記帳代行の現場でも、現金売上のメモが後から追えないケースが自宅サロンでは特に多く見られます。
確定申告の時期
確定申告は原則として、毎年2月16日から3月15日までの期間に、前年1月から12月までの所得について行います。期限ぎりぎりになって慌てないよう、年明けには前年分の領収書や売上を集計し始めるのがおすすめです。e-Tax(電子申告)を使えば自宅から申告でき、青色申告特別控除の要件を満たしやすいというメリットもあります。
よくある質問
Q. 自宅サロンの家賃は何割くらいを経費にできますか?
決まった「正解の割合」があるわけではなく、実際に事業で使っている面積や時間の割合をもとに、合理的に説明できる範囲で按分します。施術ルームと待合スペースの面積が家全体の3割なら3割、というように根拠を持って決めることが大切です。生活スペースとの兼用部分は、使用状況を踏まえて慎重に判断しましょう。
Q. 開業前に買った施術ベッドやオイルも経費にできますか?
開業のために事前に購入したものは「開業費」として計上できる場合があります。開業前のセミナー代や備品の購入費なども対象になり得ますので、開業前のレシートも捨てずに保管しておきましょう。高額な機材は減価償却の対象になることがあるため、扱いに迷う場合は専門家に相談すると安心です。
Q. 売上が少ない年でも申告したほうがよいですか?
所得が少なく納税が発生しない場合でも、申告することで国民健康保険料の算定や各種証明に役立つことがあります。また、業務委託で源泉徴収されている場合は、申告によって払いすぎた税金が還付されることもあります。赤字でも青色申告なら損失を繰り越せるため、申告しておくメリットは小さくありません。
まとめ|施術に集中するために記帳・申告の負担を手放す
整体師・セラピストの確定申告では、自宅サロンの家賃や光熱費を家事按分で計上すること、オイルやタオル、施術ベッドといった業種ならではの経費を漏れなく拾うこと、そして青色申告のメリットを活かすことが大きなポイントになります。日々の領収書の保管と売上の記録を習慣にしておけば、申告期の負担はぐっと軽くなります。
毎日の施術でお客様と向き合い、技術を磨きながら、家事按分の計算や複式簿記の帳簿づけまで一人でこなすのは簡単なことではありません。「帳簿をつける時間があるなら、もう一人でも多く施術したい」という施術者の方にこそ、外注は有効な選択です。領収書丸投げドットコムは、たまった領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修でサポートします。施術に集中できる毎日を無料相談で手に入れることから始めてみませんか。相談は無料です。丸投げでの確定申告そのものの流れは、確定申告代行のページで確認いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








