副業の確定申告ガイド|会社員が知っておくべき20万円ルール・必要書類・やり方を解説
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確定申告
会社員の副業は、所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。ただし住民税は1円でも申告が必要で、雑所得か事業所得かでも扱いが変わります。20万円ルールの正しい理解から、必要書類・具体的な手順までを整理します。
クラウドソーシングやハンドメイド販売、配達、動画配信など副業の形はさまざまです。一定額以上の収入には確定申告が必要ですが、「いくらから」「会社に知られない方法は」「経費はどこまで」と迷う方も多いはずです。順に確認していきましょう。
☑ 副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要(給与所得者の場合)
☑ 「20万円ルール」は所得税のみに適用、住民税は1円でも申告が必要
☑ 副業の種類(雑所得・事業所得)によって控除や経費の扱いが大きく変わる
会社員として働きながら副業で収入を得る方が増えています。クラウドソーシングでの執筆、ハンドメイド販売、配達員、動画配信、株式投資など、副業の形は多種多様です。
副業で一定額以上の収入を得た場合、確定申告が必要になります。しかし「いくらから申告が必要?」「会社にバレない方法はある?」「経費はどこまで認められる?」など、疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
20万円ルールの正しい理解から必要書類・具体的な手順まで、会社員が副業を始めたときに知っておきたい確定申告のポイントを順に見ていきます。
副業とは?会社員に認められる代表的な種類
副業として認められる収入には、大きく分けて以下のような種類があります。
・クラウドソーシング(ライティング、デザイン、プログラミングなど)
・ハンドメイド作品の販売(minne、Creemaなど)
・ネットオークション・フリマアプリでの販売
・配達員(Uber Eats、出前館など)
・YouTube・ブログ・SNSでの広告収入
・株式・FX・暗号資産などの投資
・不動産投資、貸付による収入
・講師業、コンサルティング
副業の種類によって所得区分が異なり、確定申告での取り扱いも変わります。一般的には「雑所得」または「事業所得」として申告しますが、株式投資の利益は「譲渡所得」、不動産投資は「不動産所得」となります。クラウドソーシングなど業務委託で報酬を受け取る働き方の申告は、業務委託報酬と経費の確定申告の事例も参考になります。
20万円ルールの正しい理解
「副業の所得が20万円以下なら確定申告不要」という話を耳にしたことがある方も多いでしょう。これがいわゆる「20万円ルール」ですが、正確に理解している人は意外と少ないのが現状です。
20万円ルールの正しい内容は以下の通りです。
・適用対象は給与所得者(会社員・パート勤務の方)
・「所得」が20万円以下であること(「収入」ではない)
・所得税の確定申告のみ免除される(住民税は対象外)
・医療費控除などで確定申告をする場合は、必ず副業所得も含めて申告が必要
つまり、住民税に関しては1円でも副業収入があれば申告が必要です。住んでいる市区町村へ「住民税申告」を行う必要があります。給与所得者で確定申告が必要になる人の範囲は、国税庁タックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(国税庁 No.1900)で確認できます。
収入と所得の違いに注意
20万円ルールで誤解されやすいのが「収入」と「所得」の違いです。
《収入》とは、副業で得た売上の総額。
《所得》とは、収入から必要経費を差し引いた金額。
例えば、クラウドソーシングで年間に30万円を稼いだ場合、そのために購入したパソコン・ソフトウェア・インターネット代などの経費が12万円かかったなら、「所得」は18万円となり、20万円以下なので所得税の確定申告は不要です。
ただし、その場合も住民税の申告は必要です。また、所得がマイナス(赤字)の場合、事業所得として申告すれば給与所得との「損益通算」が可能となり、結果的に所得税の還付を受けられるケースもあります。
雑所得と事業所得の違いと選び方
副業の所得は、主に「雑所得」または「事業所得」として申告します。どちらを選ぶかは、節税効果や実務負担に大きな差を生みます。給与所得と事業所得の関係を整理したい場合は、事業所得と給与所得の切り替えもあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
雑所得として申告する場合
雑所得は、他の9つの所得区分(給与、事業、不動産など)に当てはまらない所得を指します。一時的・小規模な副業は一般に雑所得に分類されます。
雑所得の特徴は以下の通りです。
・記帳は簡易なものでよい(簡易帳簿)
・赤字が出ても他の所得との損益通算はできない
・青色申告特別控除は適用されない
・前年3年間の赤字繰越しもできない
・原稿料や講演料など、他の9つの所得と一緒に記載
手間は少ないものの、節税の選択肢は限られます。
事業所得として申告する場合
副業を事業所得として申告するには、「独立した事業として継続的、反復的に行われていること」が検討されます。国税庁は事業性の判断基準として「収入300万円超」「帳簿保存」などを示しています。
事業所得として申告するメリットは以下の通りです。
・青色申告を選択すれば、最大10万円(電子申告では65万円、改正後は75万円)の特別控除が受けられる
・赤字が出たら給与所得と損益通算して所得税の還付を受けられる
・赤字は最長3年間繰り越せる
・家族従業員に給与を支払う場合の「青色事業専従者給与」として全額経費計上可能
・30万円未満の資産を一括経費できる「少額減価償却資産の特例」を使える
ただし、複式簿記による記帳や青色申告承認申請書の提出が必要となり、事務負担は雑所得より重くなります。
副業の確定申告に必要な書類
副業の確定申告には、以下の書類を事前に準備しておきましょう。
・確定申告書(第一表・第二表)
・勤務先の源泉徴収票
・副業の収入がわかる資料(納品書・送金明細書・販売記録など)
・経費の領収書・レシート類
・マイナンバーカードまたは通知カード
・本人確認書類(運転免許証など)
・銀行口座の情報(還付時)
・各種控除の証明書(生命保険料控除、医療費控除などを適用する場合)
さらに、青色申告を選択している場合は「青色申告決算書」、白色申告の場合は「収支内訳書」も必要です。初めての確定申告で不安な場合は、確定申告の代行にまとめて任せる方法もあります。
副業の確定申告の具体的なやり方
副業の確定申告は、以下の手順で進めます。確定申告の全体像は国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」(国税庁 No.2020 確定申告)でも確認できます。
ステップ1:収入と経費を集計する
まず、副業で1年間(1月1日~12月31日)に得た収入と、そのためにかかった経費を集計します。クラウドソーシングサイトや販売プラットフォームの入金履歴、送金明細を保存しておくとスムーズです。
経費にしてよい主な項目は、以下のようなものです。
・仕入れ・購入代金
・パソコン、ソフトウェア、事務用品代
・インターネットや携帯電話代(事業使用分)
・送料・梱包費
・交通費・出張費
・取材・資料代
・その他のセミナー受講料
配達員など車を使う副業では、車の維持費の勘定科目を押さえておくと、ガソリン代や駐車場代の経費計上がスムーズになります。
ステップ2:確定申告書を作成する
確定申告書の作成には、以下の3つの方法があります。
【国税庁の「確定申告書等作成コーナー」】
ブラウザ上で無料で申告書を作成できます。画面の指示に従って入力すれば、自動で税額が計算されるため、初心者におすすめです。
【会計ソフト】
やよいの青色、freee、マネーフォワードクラウド確定申告など。日々の取引を記録しておけば、確定申告書を自動で作成できます。
【税務署で手書き】
税務署の窓口や郵送で取寄せた申告書に手書きして提出する方法もあります。社会保険料控除や医療費控除などの「控除の適用」も忘れずに記載しましょう。
ステップ3:申告書を提出する
作成した確定申告書は、3つの方法で提出できます。
・e-Tax(電子申告):スマホやパソコンからオンラインで提出。青色申告特別控除の最大額を受けるために必須。
・郵送:管轄の税務署宛てに「信書」で送付。提出日は消印の日付。
・窓口提出:税務署の窓口や設置された提出ボックスに提出。
提出期限は、原則として翌年3月15日まで。期限を過ぎると「無申告加算税」や「延滞税」のペナルティが課されるため、早めの準備を心がけましょう。
Q&A:副業の確定申告に関するよくある質問
Q1. 会社に副業がバレない方法はありますか?
A. 完全にバレない保証はありませんが、住民税の受取り方法を「自分で納付(普通徴収)」に変更することで、会社に住民税額から副業を推測されるリスクを減らせます。確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄で「自分で納付」にチェックを入れましょう。ただし、勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合は、規則違反となる可能性があるため事前に確認が必要です。
Q2. 年途中で副業を辞めた場合も申告が必要ですか?
A. はい、その年に一部でも副業収入があり、所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。副業を年の途中で辞めた、クライアントから未入金があったなどの事情があっても、期間中に受け取った収入は全て申告対象となります。
Q3. 仮想通貨(暗号資産)の利益はどうなりますか?
A. 暗号資産の売買差益は「雑所得」として申告します。ビットコインを他の仮想通貨に交換した、仮想通貨で買い物をした、などの場合も課税の対象となります。多数のトランザクションがある場合は、交換所の取引履歴をダウンロードして集計しましょう。
Q4. フリマアプリで不要品を売った収入も申告が必要?
A. 生活用動産(不要になった衣類、本、家電など)の販売による収入は、原則として課税対象外となり、確定申告も不要です。しかし、転売目的で仕入れて販売したり、ハンドメイド作品を販売したり、貴金属・ブランド品で一個30万円を超えるものを売ったりした場合は課税対象となります。
副業の確定申告で迷ったときの結論
会社員の副業に伴う確定申告について、重要なポイントを整理します。
・副業の所得が年間20万円を超えたら、確定申告が必要
・20万円ルールは所得税のみ適用、住民税は1円でも申告が必要
・「収入」と「所得」の違いに注意(所得=収入-経費)
・雑所得と事業所得では節税効果や実務負担が大きく異なる
・副業の規模が拡大したら青色申告(事業所得)への切り替えを検討
・住民税の「普通徴収」選択で会社にバレるリスクを低減できる
・期限内の申告をしないとペナルティが課される
副業で収入を得る以上、確定申告は避けて通れない義務です。正しい知識を身につけ、きちんと備えることが大切です。
本業と副業を両立しながら、日々の記帳と年に一度の確定申告まで自分でこなすのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








