うっかり二重計上・経費漏れに気づいたときの確定申告のやり直しを解説
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確定申告

確定申告のあとで二重計上や経費漏れに気づいても、期限内なら訂正申告、期限後に税金を払いすぎていたなら更正の請求、少なく申告していたなら修正申告という3つの手続きで直せます。自分のケースがどれに当たるかと、具体的な進め方を整理します。
一度提出した申告書を直すというのは、なんとなくハードルが高く感じられて、つい先延ばしにしてしまいがちです。けれど正しい手続きで直せば、必要以上に恐れるものではありません。いつまでに何をすればよいのかを、順にはっきりさせていきましょう。
☑ 申告したあとで、同じ経費を二重に計上していたことに気づいてしまった
☑ 入れ忘れていた経費が出てきたけれど、いまさら直せるのか不安だ
☑ やり直すと税務署に目をつけられそうで、そのままにしてよいか迷っている
自分のケースがどの手続きに当たるのか、手続きの種類と具体的な進め方に分けて見ていきます。
そもそも申告のやり直しには3つのパターンがある
期限内なら「訂正申告」でやり直せる
申告内容の誤りに気づいたタイミングが、確定申告の期限内(原則として翌年の3月15日まで)であれば、正しい内容の申告書をもう一度出し直すだけで済みます。これを訂正申告といいます。新しく作り直した申告書が「正」として扱われ、先に出した申告書は無効になります。確定申告そのものの基本は、国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」で確認できます。
訂正申告には特別な様式はなく、通常の確定申告書を作り直して、期限内にもう一度提出するだけです。余白に「訂正申告」と書き添えておくと、税務署が処理しやすくなります。期限内に気づけたなら、二重計上も経費漏れも、慌てずに作り直せばよいということです。
期限後に「払いすぎ」を直すなら更正の請求
期限を過ぎてから誤りに気づいた場合は、その誤りが税金を「多く払いすぎる方向」だったのか「少なく申告していた方向」だったのかで手続きが変わります。経費を計上し忘れていた、つまり本来より所得を多く申告して税金を払いすぎていたケースでは、更正の請求という手続きで払いすぎた分の還付を求めます。
更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。気づいた経費漏れが過去の年分であっても、5年以内であればさかのぼって取り戻せる可能性があります。
期限後に「払い足りない」を直すなら修正申告
反対に、経費を二重に計上していた、収入を少なく書いていたなど、本来より税金を少なく申告していたケースでは、修正申告を行って不足分を納め直します。修正申告は気づいた時点でできるだけ早く行うのが鉄則です。税務署からの指摘を受ける前に自分から修正すれば、ペナルティが軽くなる仕組みがあるためです。
つまり、「いつ気づいたか」と「税金が多すぎたか少なすぎたか」の2軸で、訂正申告・更正の請求・修正申告のどれに当たるかが決まる、と整理しておくと迷いません。仕訳そのものの直し方に迷ったら、帳簿の間違いの直し方もあわせて確認しておくとよいでしょう。
二重計上に気づいたとき(税金が少なすぎた側)の進め方
まずは「どこが」「いくら」重複したかを特定する
二重計上は、経費を多く計上した結果として所得が小さくなり、税金を少なく申告している状態です。直すにはまず、どの取引が重複していたのかを正確につかむ必要があります。よくあるのは次のようなパターンです。
クレジットカードの利用明細と、店舗で受け取った領収書を、両方とも経費に入れてしまった
銀行口座の自動取り込みと手入力が重なり、同じ支払いが二重に登録された
同じ請求書を、月をまたいで2回計上してしまった
該当する取引を洗い出し、正しい金額がいくらだったのかをメモしておきましょう。カード払いの重複は起こりやすいので、クレジットカード明細で経費を計上する方法を押さえておくと、そもそもの重複を防ぎやすくなります。ここを曖昧にしたまま修正すると、別の誤りを生む原因になります。
修正申告書を作成して提出する
重複分を取り除いた正しい所得と税額を計算し直し、修正申告書を作成します。クラウド会計ソフトを使っている場合は、該当する重複仕訳を削除・修正したうえで、改めて決算書と申告書を出し直すイメージです。提出すると、当初の申告との差額の税金を追加で納めることになります。
追加で納める税金とペナルティを理解しておく
修正申告で不足していた税金(本税)を納めるほか、納付が遅れた期間に応じた延滞税がかかります。また、自主的に修正した場合でも過少申告加算税が課されることがありますが、税務署の調査による指摘を受ける前に自分から修正すれば、加算税が軽減される、あるいは課されない取り扱いがあります。「気づいたら早く出す」ことが、結果的に負担を小さくする一番の方法です。具体的な税率や計算は年や状況によって異なるため、金額が大きい場合は税務署や専門家に確認すると安心です。
経費漏れに気づいたとき(税金が多すぎた側)の進め方
その経費が本当に申告漏れだったかを確認する
「経費に入れ忘れていた」と思っても、すべてが取り戻せるわけではありません。まずは、その支出が事業に関係する必要経費であること、そして当初の申告に含まれていなかったことを確認します。必要経費として認められる範囲は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます。プライベートと兼用しているものは、事業で使った割合(家事按分)の分だけが対象になります。
更正の請求書を作成して提出する
申告漏れの経費を加えて所得と税額を計算し直し、「更正の請求書」を提出します。請求書には、当初の申告額と訂正後の額、その差額、そして請求の理由を記載します。なぜその経費が漏れていたのか、どの取引なのかを具体的に書くことがポイントです。根拠となる領収書や請求書も手元にそろえておきましょう。
還付までの流れと注意点
更正の請求を出すと、税務署が内容を確認したうえで、認められれば払いすぎた税金が指定口座に還付されます。修正申告のように自分の判断だけで完結するのではなく、税務署の審査を経る点が特徴です。請求理由や添付資料が不十分だと認められないこともあるため、なぜ還付されるべきなのかを資料で示せるよう準備しておくことが大切です。申告書の作成まで任せたい場合は、確定申告の代行を利用するやり方もあります。
やり直しを防ぐためのふだんの工夫
二重計上は「入口の一本化」で防ぐ
二重計上の多くは、同じ取引を別々の経路から記帳してしまうことが原因です。次のような工夫で、入口を一本にそろえておくと防ぎやすくなります。
カード払いは「カードの明細」を基準にし、店頭の領収書は二重登録しないと決めておく
銀行・カードの自動連携を使うなら、手入力との重複が出ないよう取り込みルールを統一する
月末に、件数と金額の合計をざっとチェックして不自然な重複がないか見る
銀行データの自動連携を上手に使えば、入力そのものを減らして重複を防げます。導入のコツは銀行連携で記帳を自動化する方法にまとめています。
経費漏れは「集める仕組み」で防ぐ
経費漏れは、領収書をなくしたり、後回しにして忘れたりすることで起きます。受け取ったその場でまとめる場所を決めておく、こまめに撮影してデータで残しておくなど、集める仕組みを先に用意しておくと漏れが激減します。現金払いや個人のカードで立て替えた事業の支出は、特に漏れやすいので意識しておきましょう。
記帳をためずに「こまめに」を習慣にする
申告直前にまとめて記帳すると、記憶が薄れている分だけ重複や漏れが起きやすくなります。毎月、あるいは少なくとも数か月に一度は帳簿を整える習慣にしておくと、誤りに早く気づけて、やり直しそのものが減っていきます。なお、税務署から「お尋ね」の文書が届いた場合の対応は、お尋ね文書への対応の仕方を確認しておくと落ち着いて対処できます。
よくある質問
Q. 経費漏れに気づいたのが申告から2年後でも、まだ間に合いますか?
払いすぎた税金を取り戻す更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内であれば手続きできます。そのため、2年前の年分であってもまだ間に合う可能性が高いです。ただし対象年分ごとに期限を数えるため、古い年分のものから順に期限が近づいていきます。気づいた時点で、対象となる年分と残りの期間を確認しておきましょう。
Q. 自分から修正申告すれば、ペナルティは一切かからないのですか?
不足していた本来の税金(本税)と、納付が遅れた期間に応じた延滞税は、自主的な修正でも納める必要があります。一方で、税務署の調査による指摘を受ける前に自分から修正した場合は、過少申告加算税が軽減される、あるいは課されない取り扱いがあります。「指摘される前に、自分から早めに」が負担を抑えるポイントです。
Q. 二重計上と経費漏れの両方が見つかった場合はどうすればよいですか?
その年分について、両方を反映させたうえで正しい所得と税額を計算し直すのが基本です。差し引きの結果として税金が増えるなら修正申告、減るなら更正の請求となります。判断が難しいときは、すべての誤りを整理した一覧を作ったうえで、税務署や専門家に相談すると確実です。
結論:気づいたら早めに、正しい手続きで直しましょう
申告のやり直しは、期限内なら訂正申告、期限後で税金を払いすぎていたなら更正の請求、少なく申告していたなら修正申告、という3つの手続きに整理できます。二重計上も経費漏れも、放置せずに正しい手続きで直せば、必要以上に恐れるものではありません。特に修正が必要なケースでは、税務署からの指摘を受ける前に自分から動くことが、負担を小さくする一番の近道です。
どの手続きに当たるのかを見極めたり、過去の帳簿を見返して誤りを特定したりする作業は、本業の合間に行うと相当な労力がかかります。そもそも記帳の段階で重複や漏れを起こさないことが、やり直しを防ぐ最良の対策でもあります。領収書丸投げドットコムは、領収書や請求書を郵送またはスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までをサポートします。二重計上や経費漏れが起きにくい記帳の仕組みづくりから、安心してお任せいただけます。自分のケースがどの手続きになるか無料で相談してみることができます(相談は無料です)。記帳代行の仕組みは記帳代行とは何かのページでご覧いただけます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








