ネイルサロンの記帳|ジェル在庫・材料費・売上の帳簿づけを解説
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税務

ネイルサロンの記帳は、施術売上を種類ごとに記録し、ジェルやパーツなどの材料費と在庫を正しく管理するのが要点です。日々の売上の付け方から材料費の科目、月末の棚卸までを、勘定科目の実例と数値例を交えて整理します。
ネイルサロンは、ジェル・アクリルパウダー・ストーンなど細かな材料を数多く使う業種です。1本あたりの単価は小さくても、種類が多く在庫として残りやすいため、「仕入れた材料をどう記帳し、売れ残りをどう数えるか」で帳簿の付け方が変わってきます。自宅サロンか店舗かによって家事按分の有無も変わるので、開業のスタイルに合わせた記帳の型を作っておくと安心です。
☑ ジェルやパーツをまとめ買いしたとき、経費と在庫のどちらで処理するか分からない
☑ 定額メニューやオプションが多く、売上の記帳がごちゃごちゃになりがち
☑ 自宅サロンの家賃・光熱費をどこまで経費にしてよいか知りたい
ネイルサロンを営む個人事業主の日々の記帳と月次の締め方を、勘定科目の具体例・棚卸の考え方・数値例に沿って順に確認していきましょう。材料費と在庫の扱いに迷わなくなることを目指します。
ネイルサロンの売上はどう記帳する?
ネイルサロンの売上は、施術メニューをまとめて「売上高」で記帳するのが基本です。定額コース・付け替え・オフ・アート料金などメニューが細かくても、1日の営業後にレジ締めで確定した合計を1行で計上すれば十分です。物販(ケア用品の販売)がある場合だけ、施術売上と分けます。
現金・キャッシュレスの内訳を分ける
現金売上は現金出納帳、カードやQR決済は入金管理で分けて記帳します。キャッシュレスは決済手数料が引かれた金額が後日入金されるため、売上は総額で計上し、手数料は「支払手数料」で経費にします。日々の現金の合わせ方は現金出納帳の付け方と合わせ方を参考にしてください。
回数券・前売りチケットは前受金で
回数券やコース料金を前もって受け取ったときは、その場では売上にせず「前受金」で預かります。実際に施術を行った回ごとに、前受金を売上へ振り替えていきます。受け取った時点で全額を売上にすると、その月の利益が実態より膨らんでしまうため注意しましょう。
ジェル・パーツなど材料費の帳簿づけ
ジェル・パウダー・ストーンなどの施術材料は「材料費」、コットンやファイルなど補助的な消耗品は「消耗品費」で記帳します。まとめ買いで金額が大きくなっても、施術に使う材料は基本的にその年の経費にできますが、年末に売れ残った物販在庫は棚卸資産として翌年へ繰り越します。
ネイルサロンの勘定科目の例
取引の内容 | 勘定科目 |
|---|---|
ジェル・アクリル・カラー材の仕入 | 材料費 |
ストーン・パーツ・ネイルチップ | 材料費 |
ファイル・コットン・除光液 | 消耗品費 |
ネイルマシン・UVライト(10万円未満) | 消耗品費 |
物販用ケア用品の仕入 | 仕入高 |
予約サイト・SNS広告の掲載料 | 広告宣伝費 |
自宅サロンの家賃・電気代(事業割合) | 地代家賃・水道光熱費 |
UVライトやネイルマシンなど、1台10万円以上する機器は原則として「工具器具備品」に計上し、数年に分けて費用化(減価償却)します。減価償却の基本は国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」で確認できます。科目の整理に迷うときは勘定科目を整理する実務も役立ちます。
自宅サロンの家事按分
自宅の一室をサロンにしている場合、家賃・電気代・水道代のうち「事業に使っている割合」だけを経費にできます。面積比や使用時間などの合理的な基準で按分し、その根拠をメモに残しておきましょう。プライベートと事業のお金が混ざりやすい方は生活費と事業費が同じ財布から出る事業の記録の残し方もご覧ください。
月末の棚卸と在庫管理
年末(12月31日)には、売れ残った物販商品と、翌年に持ち越す材料の在庫を数える「棚卸」を行います。棚卸で確定した在庫額は経費から除き、翌年の売上に対応させます。これにより、その年の利益が正しく計算されます。
棚卸の進め方
①物販用のケア用品など、販売目的の在庫を数える
②数量に仕入単価をかけて在庫金額を計算する
③在庫金額を「棚卸資産」として計上し、その分を売上原価から除く
施術で少しずつ使う消耗材(ジェルの残りなど)まで厳密に数える必要はなく、実務上は販売目的の在庫を中心に管理すれば十分なケースが多いです。棚卸の具体的な進め方は実地棚卸の進め方と帳簿棚卸との差異処理で解説しています。
数値例で見る1か月の記帳
たとえば、施術売上が70万円、物販売上が5万円の月に、材料費12万円・消耗品費3万円・広告宣伝費4万円・自宅家賃の事業分5万円・決済手数料1万円がかかったとします。売上合計75万円から経費25万円を差し引くと、その月の利益はおよそ50万円と見えてきます。材料費率が売上の2割前後に収まっているかを毎月チェックすると、仕入れの使いすぎに早く気づけます。
ただ、この材料費と在庫、家事按分を毎月この精度で記帳し続けるのは、施術のかたわらでは小さくない手間です。仕訳をまるごと預けてしまいたいときは、記帳を丸ごと任せるという選択も検討の余地があります。実際にお預かりするネイルサロンの帳簿でも、材料費と物販在庫の線引きがあいまいなままになっているご相談は少なくありません。
よくある質問
Q. ジェルをまとめ買いした月は経費が増えますが、そのまま計上してよいですか?
施術に使う材料であれば、原則その年の経費にできます。ただし販売目的の在庫(物販商品)は、年末に売れ残った分を棚卸資産として翌年に繰り越します。施術用と販売用を分けて考えるのがポイントです。
Q. メニューが細かいのですが、1件ずつ記帳しないといけませんか?
いいえ。日々の売上は1件ずつではなく、レジ締めで確定した1日の合計を1行で計上すれば十分です。現金とキャッシュレスの内訳だけは分けて記録しておきましょう。
Q. UVライトやネイルマシンは全額その年の経費になりますか?
1台あたり10万円未満なら消耗品費として全額経費にできます。10万円以上の場合は原則「工具器具備品」として数年に分けて減価償却します。青色申告なら30万円未満まで一括経費にできる特例もあります。
Q. 自宅サロンの家賃はどのくらい経費にできますか?
サロンとして使っている面積や時間の割合で按分した分だけが経費になります。たとえば自宅の3割をサロン専用にしているなら家賃の3割が目安です。按分の根拠(間取り図やメモ)を残しておくと安心です。
まとめ|材料と在庫を分けて考えれば記帳は迷わない
ネイルサロンの記帳は、売上をレジ締めで1日1行、材料費と物販在庫を分けて管理し、自宅サロンなら家事按分を根拠つきで行うのが基本です。年末の棚卸で在庫を繰り越せば、その年の利益が正しく計算できます。
それでも、細かな材料の仕入れと予約対応に追われる中で、仕訳や在庫の記帳まで一人で完璧にこなすのは大変です。数字が合わないまま年をまたぐ前に、記帳そのものを手放してしまうのも一つの手です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








