マイホーム買い替えで売却損が出た年の確定申告|損益通算と繰越控除を解説
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確定申告

マイホームの買い替えで売却損(譲渡損失)が出た年は、確定申告をすれば損失を給与や事業の所得と損益通算でき、引ききれない分は最長3年繰り越して税金を取り戻せます。対象になる要件・計算の流れ・必要書類を、順を追って整理します。
住み替えのために自宅を売ったところ、購入時より安い金額でしか売れずに損をしてしまう。そんなとき「損なのに確定申告なんて関係ない」と考えてしまいがちですが、実はこのケースこそ申告することで大きく税金が戻る可能性があります。会社員の方も対象になる制度なので、仕組みを知っておく価値は十分にあります。
☑ 自宅を売って損が出たが、確定申告が必要なのかわからない
☑ 損失を給与や事業の利益と相殺できる制度があると聞いた
☑ 買い替えのローンが残っているが、何か優遇はあるのか知りたい
以下では、居住用財産の買い替え等に伴う譲渡損失の損益通算・繰越控除の要件、対象になる2つのパターン、確定申告の流れと必要書類までを整理します。最後まで読めば、自分がこの特例を使えるかどうかの見当がつくようになります。
マイホームの売却損は確定申告で取り戻せる?
一定の要件を満たすマイホームの売却損は、確定申告をすることでその年の給与所得や事業所得などと損益通算でき、税金の還付につながります。土地・建物の譲渡損失は本来ほかの所得と相殺できませんが、居住用財産にはこの特例が設けられています。
2つのパターンがある
この特例には、新しいマイホームに買い替える「買換えパターン」と、売却したマイホームに住宅ローンが残っている「ローン残債パターン」の2つがあります。どちらも損失を損益通算・繰越控除できますが、要件や控除できる損失額の範囲が異なります。
会社員でも申告する価値がある
給与から源泉徴収されている会社員がこの特例を使うと、損益通算によって課税所得が下がり、納めすぎた所得税が還付されます。個人事業主の場合は事業所得との相殺で税負担が軽くなります。国税庁の「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」で制度の詳細を確認できます。
対象になる主な要件
この特例を受けるには、売却するマイホームと(買換えの場合は)新しいマイホームの双方について、所有期間や床面積などの要件を満たす必要があります。要件は細かいため、事前に一つずつチェックすることが大切です。
売る側(旧居)の主な要件
売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること
自分が住んでいた居住用財産であること
親子や夫婦など特別な関係者への売却でないこと
買う側(新居)の主な要件(買換えパターン)
売った年の前年から翌年までの一定期間内に取得すること
床面積が50平方メートル以上であること
取得の翌年末までに居住する見込みがあること、返済期間10年以上の住宅ローンがあること
損益通算と繰越控除の流れ
譲渡損失はまずその年のほかの所得と損益通算し、それでも引ききれない金額があれば、翌年以降最長3年間にわたって各年の所得から繰越控除できます。繰越を続けるには、損失が残っている間は毎年連続して確定申告をすることが条件です。
数値シミュレーション
給与所得600万円の会社員が、買い替えで1000万円の譲渡損失を出した場合の3年間のイメージです。
年 | その年の所得 | 控除する損失 | 差引後の所得 |
|---|---|---|---|
1年目 | 600万円 | 600万円 | 0円 |
2年目 | 600万円 | 400万円 | 200万円 |
3年目 | 600万円 | 0円 | 600万円 |
この例では1000万円の損失を1年目と2年目で使い切り、2年間にわたって課税所得を圧縮できています。繰越の途中で申告を忘れると、その先の繰越が使えなくなる点に注意が必要です。毎年連続で申告を続ける自信がなければ、確定申告を代行してもらう方法もあります。
必要書類と申告のポイント
確定申告書に加えて、譲渡損失の金額を計算する明細書や、売買契約書の写し、住宅ローンの残高証明書などを添付します。買換えパターンでは新居の登記事項証明書なども必要です。
書類は早めにそろえる
売買契約書やローン残高証明書は、紛失すると再取得に時間がかかります。売却が決まった段階から一つのファイルにまとめておくと、申告時に慌てずに済みます。確定申告書の控えの保管方法と同じ要領で、関連書類も一括保管しておきましょう。
よくある質問
Q. 賃貸に引っ越す場合でもこの特例は使えますか?
買換えパターンは新しいマイホームの取得が前提のため使えません。ただし売却したマイホームに住宅ローンの残債があり、売却額がそれを下回るなどの要件を満たせば、ローン残債パターンの特例を使える場合があります。
Q. 合計所得が3000万円を超えると使えないと聞きました。
繰越控除については、その年の合計所得金額が3000万円を超える年は適用を受けられません。ただし超えた年だけ繰越が使えないだけで、翌年以降に3000万円以下に戻れば残りの期間内で再び使えます。
Q. 個人事業主の場合、事業の赤字と自宅の売却損は同じですか?
いいえ、別の制度です。事業の赤字(純損失)は青色申告の繰越などで扱い、マイホームの売却損はこの居住用財産の特例で扱います。両方ある年は、それぞれのルールに沿って申告する必要があります。手続きが複雑なときは税理士への依頼費用も検討してみてください。
Q. 申告はスマホでもできますか?
マイナンバーカードがあれば、スマホでの確定申告に対応しています。ただし譲渡損失の明細書など添付書類が多いため、内容を確認しながら進めることをおすすめします。
損した年こそ、確定申告で取り戻す
マイホームの買い替えで売却損が出た年は、確定申告をすれば損失をその年の所得と損益通算し、引ききれない分は最長3年繰り越して税金を取り戻せます。損をした年は申告を後回しにしがちですが、この特例は申告しなければ一切適用されません。繰越を続けるには連続申告が条件である点も忘れないようにしましょう。
譲渡損失の明細書の作成や住宅ローン残高証明書の準備は、本業をこなしながら進めるには手間のかかる作業です。とくに個人事業主は、通常の記帳と申告にこの手続きが重なると、負担が一気に増します。実際、売却が絡んだ年に書類が多すぎて手が止まる、というご相談を記帳代行の現場でもいただきます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








