水道光熱費を経費にする方法|自宅兼事務所の按分割合を解説
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税務

自宅兼事務所の水道光熱費は、仕事で使った分だけを「按分」で区分すれば経費にできます。電気代は面積か使用時間、ガス代・水道代は業種によって判断が分かれます。按分割合の決め方と根拠の残し方を、具体例を交えて分かりやすく整理します。
自宅の一室を仕事場にして働くのは、フリーランスや個人事業主にはごく当たり前のスタイルです。パソコンを動かすにも、冬に暖房をつけるにも、当然ながら電気やガスを使います。これらは仕事のために実際にかかっている費用なのに、「自宅の光熱費まで経費にしていいの?」と、なんとなく手を出せずにいる方が多いのではないでしょうか。まずは考え方の土台から押さえていきましょう。
☑ 自宅で仕事をしているが、電気代やガス代を経費にできるのか分からない
☑ 経費にできると聞いたものの、どれくらいの割合が妥当なのか見当がつかない
☑ 水道代も入れていいのか、業種によって違うのか気になっている
自宅の水道光熱費が経費になる理由
仕事に使った分は「事業の費用」
自宅で仕事をしていれば、その時間帯の電気やエアコン、照明などは、まぎれもなく事業のために使っている費用です。事業のために支払った費用は経費にできる、というのが大原則ですから、水道光熱費も例外ではありません。自宅だからといって、最初から諦めてしまう必要はないのです。必要経費の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」(必要経費の知識|国税庁)で確認できます。
ただし「家事関連費」なので全額はNG
とはいえ、自宅の光熱費は仕事だけでなく日常生活にも使われています。このように仕事と生活の両方にまたがる支出を「家事関連費」と呼び、全額を経費にすることはできません。生活で使った分と仕事で使った分を、合理的な基準で分ける必要があります。この「分ける」作業が按分です。家賃・通信費なども含めた按分全体の考え方は、家賃・光熱費・通信費の家事按分のやり方総まとめにまとめています。
按分には根拠が必要
按分の割合は、好きなように決めていいわけではなく、誰が見ても納得できる根拠が求められます。逆に言えば、きちんとした根拠さえあれば、堂々と経費に計上できるということです。では、どんな基準で割合を決めればよいのか、費目ごとに見ていきましょう。
費目ごとの按分の考え方
電気代:面積か使用時間で按分
電気代は、水道光熱費の中でも最も経費にしやすい費目です。按分の基準としてよく使われるのが、「自宅の総面積に対する仕事スペースの面積の割合」です。たとえば60平方メートルの住まいのうち、12平方メートルを仕事部屋として使っているなら、2割を仕事分とする、という考え方です。あるいは、1日のうち何時間仕事に使っているかという使用時間で按分する方法もあります。
ガス代:業種によって考え方が変わる
ガス代は、仕事の内容によって経費にできるかどうかが分かれます。料理研究家や飲食関連のように、ガスを業務で直接使う仕事であれば、按分して経費にできます。一方、デスクワーク中心でガスを仕事にほとんど使わないのであれば、経費計上は難しくなります。自分の仕事でガスをどう使っているかを基準に考えましょう。
水道代:こちらも業種次第
水道代も、ガス代と同じく業種によって判断が変わります。仕事で水を多く使う業種なら按分の対象になりますが、パソコン中心の仕事で、水道は基本的に生活用にしか使っていないという場合は、経費にするのが難しいこともあります。実際に仕事で使っているかどうかが判断のポイントです。記帳代行の現場でも、水道代を按分できるかどうかは業種で判断が分かれるご相談の一つです。
按分割合の具体的な決め方
面積で決める方法
最もシンプルで説明しやすいのが、面積を基準にする方法です。住まい全体の床面積のうち、仕事専用または主に仕事で使っているスペースが占める割合を計算します。間取り図があれば、おおよその面積はすぐに把握できます。この割合を、電気代などの費目に当てはめて経費分を算出します。なお、家賃そのものや事務所を借りる場合の賃料は光熱費とは別の科目で扱います。使い分けは地代家賃・賃借料・支払手数料の使い分けで確認できます。
使用時間で決める方法
部屋を仕事専用にしているわけではなく、リビングなどで仕事をしている場合は、使用時間を基準にする方法が向いています。1日24時間のうち、何時間を仕事に使っているか、週に何日働いているかから、おおよその割合を見積もります。生活実態に即していれば、こちらも合理的な基準として通用します。
決めた割合は記録して一貫させる
どの基準で何割にしたのかは、必ずメモとして残しておきましょう。「総床面積60平方メートルのうち仕事部屋が12平方メートルのため、電気代の20%を経費計上」といった一文で構いません。そして、その割合は年間を通して一貫して使うのが原則です。月ごとに変えると合理性が説明しづらくなるため注意しましょう。按分を反映した記帳や確定申告書の作成までまとめて任せたい場合は、按分を含む申告作成を任せる方法もあります。
経費計上で気をつけたいポイント
明細・領収書はしっかり保管
水道光熱費は毎月発生する費用なので、検針票や請求書、口座振替の記録などを保管しておきます。Web明細の場合は、データをダウンロードして手元に残しておくと安心です。クレジットカードで支払っている場合に明細をどこまで経費の根拠にできるかは、クレジットカード明細と領収書の関係にまとめています。年間の支払額がひと目で分かるようにしておくと、確定申告の集計がスムーズになります。
季節による変動も考慮する
水道光熱費は、季節によって金額が大きく変わる費目です。冷暖房を使う夏や冬は電気代が跳ね上がり、過ごしやすい春や秋は落ち着く、というのはよくあることです。経費にする際は、こうした季節変動も含めて年間トータルで考えると、より実態に近い数字になります。月ごとに割合をいじるのではなく、決めた按分割合を年間を通して各月の実際の支払額に当てはめていくのが、シンプルで分かりやすい方法です。年間で集計すれば、繁忙期と閑散期の差もならされて、バランスの取れた経費計上ができます。
欲張った割合は避ける
経費を増やしたいからと、実態以上に高い割合を設定するのは避けましょう。たとえばデスクワーク中心なのに電気代の8割を経費にする、といった設定は、根拠を説明しづらくなります。あくまで実際の使用状況に見合った、無理のない割合にとどめることが、長い目で見て安心につながります。仕事スペースの面積や、実際に働いている時間といった客観的な事実をもとに割合を決めておけば、自信を持って経費に計上できます。
よくある質問
Q. 賃貸でも持ち家でも、水道光熱費の按分の考え方は同じですか?
はい、水道光熱費を按分して経費にするという考え方自体は、賃貸でも持ち家でも基本的に同じです。面積や使用時間といった合理的な基準で仕事分を区分する、という流れは変わりません。なお、家賃や住宅ローンに関する取り扱いは光熱費とは別の論点になるため、そちらは個別に確認するとよいでしょう。
Q. オール電化の住まいの場合はどうなりますか?
オール電化であれば、調理や給湯も含めてすべて電気代としてまとまります。この場合も、面積や使用時間といった基準で仕事分を按分して経費にするという考え方は同じです。電気代に占める仕事分の割合を、実態に即して合理的に見積もりましょう。
Q. 按分割合は税務署に届け出る必要がありますか?
事前に届け出る必要は基本的にありません。ただし、なぜその割合にしたのかという根拠は、自分で説明できるようにしておく必要があります。届け出はいらないからこそ、計算の根拠をメモとして残しておくことが大切です。具体的な取り扱いに不安がある場合は、最新情報を国税庁サイト等でご確認ください。
水道光熱費の按分で迷ったときの結論
自宅兼事務所で発生する水道光熱費は、仕事で使っている分を按分すれば経費にできます。電気代は面積や使用時間で按分するのが基本で、ガス代や水道代は仕事で実際に使っているかどうかが判断の分かれ目になります。共通して大切なのは、割合に合理的な根拠を持たせ、その根拠を記録に残し、年間を通して一貫させることです。これらを押さえておけば、適正な範囲できちんと経費に反映できるようになります。毎月かかる費用だからこそ、年間で見れば積み重なって大きな金額になります。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








