個人事業税とは?対象業種・290万円控除・計算方法をやさしく解説
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税金

個人事業税は、法定業種に該当する個人事業主が都道府県に納める地方税です。事業の所得から年290万円の事業主控除を差し引いた額に業種別の税率をかけて決まり、所得が290万円以下ならかかりません。対象業種・控除・計算方法を順に整理します。
確定申告を終えてほっとしていた頃に、思いがけず「個人事業税」と書かれた納付書が届き、「これは何の税金だろう」と驚いた経験はないでしょうか。個人事業税は、すべての個人事業主にかかるわけではなく、業種や所得の額によって納める必要があるかどうかが変わります。仕組みを知らないまま納付書が届くと不安になりますが、ポイントを押さえれば決して難しいものではありません。
☑ 確定申告は済ませたのに、後から「個人事業税」の納付書が届いて戸惑った
☑ 自分の仕事が個人事業税の対象になるのか、よく分からない
☑ 290万円の控除や税額の計算方法を、ざっくりでも理解しておきたい
個人事業税とはどんな税金か
まずは、個人事業税がどのような税金なのか、基本的な性格から見ていきましょう。
都道府県に納める地方税
個人事業税は、一定の事業を営む個人に対して課される地方税で、納め先は事業を行っている都道府県です。所得税や消費税が国に納める税金であるのに対し、個人事業税は地方税である点が特徴です。事業を行ううえで道路などの公共サービスを利用していることから、その費用を一部負担するという考え方に基づいています。地方税である個人事業税の詳しい取り扱いは、地方税制度を所管する総務省や、お住まいの都道府県の案内で確認できます。
自分で計算しなくてよい
個人事業税は、確定申告や住民税のように自分で計算して申告するものではありません。確定申告の内容をもとに都道府県が税額を計算し、納付書を送ってくれる「賦課課税」という方式がとられています。そのため、申告を正しく行っていれば、改めて手続きをする必要は基本的にありません。
納付の時期
個人事業税の納付書は、一般的に夏ごろに届きます。原則として年2回に分けて納める形になっており、納付書に記載された期限までに納めます。所得税の納付時期とは異なるため、資金繰りの計画に入れておくと安心です。
個人事業税の対象になる業種
個人事業税は、すべての事業に課されるわけではありません。法律で定められた業種(法定業種)に該当する場合に対象となります。
法定業種に該当するかどうか
個人事業税は、地方税法で定められた業種に該当する場合に課されます。多くの事業が対象に含まれており、物品販売業、製造業、飲食店業、請負業、コンサルタント業など、幅広い業種が該当します。自分の事業がどの業種に当たるかは、都道府県の窓口やウェブサイトで確認できます。
対象にならない場合もある
一方で、法定業種に該当しない事業は、個人事業税の対象外となることがあります。たとえば、一部の業種は課税対象に含まれていない場合があります。ただし、判断が難しいケースもあるため、自分の事業の取り扱いがはっきりしないときは、確認しておくことをおすすめします。
業種によって税率が異なる
個人事業税の税率は、業種の区分に応じて定められている
多くの業種では一定の税率が適用される
自分の業種の税率は、都道府県の案内で確認できる
同じ個人事業主であっても、何の事業を営んでいるかによって税率や対象になるかどうかが変わるのが、個人事業税の特徴です。複数の事業を兼ねている場合は、それぞれの業種ごとに判定されることもあります。自分の仕事がどの区分に当てはまるのか、はっきりしないときは、確定申告の際に記載する業種名なども参考にしながら、都道府県の窓口で確認しておくとよいでしょう。
290万円の事業主控除とは
個人事業税を理解するうえで欠かせないのが、「事業主控除」と呼ばれる仕組みです。これがあるため、所得が一定額以下なら個人事業税はかかりません。
事業主控除290万円の仕組み
個人事業税の計算では、事業の所得から年間290万円の「事業主控除」を差し引くことができます。つまり、控除を差し引いた後に残った金額に税率をかけて税額が決まるため、事業の所得が290万円以下であれば、個人事業税はかからない仕組みになっています。
営業期間が1年に満たない場合
年の途中で開業した場合など、事業を行った期間が1年に満たないときは、事業主控除の額が営業した月数に応じて調整されます。開業初年度などは、この点も頭に入れておくとよいでしょう。
所得税の所得とは計算が異なる点に注意
個人事業税の計算のもとになる所得は、所得税の計算で使う所得と完全に同じではありません。たとえば、青色申告特別控除は個人事業税の計算では考慮されないなど、いくつかの違いがあります。そもそも所得税における所得の考え方は、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で確認できます。所得税では差し引ける青色申告特別控除そのものの節税額を知りたい方は、65万・55万・10万の違いと段階別の試算が参考になります。所得税の金額からそのまま単純に計算できるわけではない点に注意が必要です。
個人事業税の計算方法
ここでは、個人事業税がどのように計算されるのか、基本的な流れを見ていきましょう。実際の計算は都道府県が行うため、考え方を理解しておけば十分です。
計算の基本的な流れ
事業の所得を算出する
そこから事業主控除290万円(営業期間に応じて調整)を差し引く
残った金額に、業種ごとに定められた税率をかける
計算のイメージ
たとえば、事業の所得から各種の調整を行った金額が290万円を超える場合、その超えた部分に対して業種に応じた税率がかかると考えると分かりやすいでしょう。所得が290万円以下であれば、控除によって課税される金額が残らず、納める必要はありません。
正確な額は通知で確認する
個人事業税は都道府県が計算して通知するため、自分で正確な税額を出す必要はありません。届いた納付書の金額を確認し、期限までに納めれば問題ありません。計算の内容に疑問がある場合は、都道府県の窓口に問い合わせることができます。最新の税率や取り扱いは、お住まいの都道府県のサイト等でご確認ください。
資金繰りの中に組み込んでおく
個人事業税は所得税や住民税とは別に納める税金のため、うっかりしていると「思っていたより手元のお金が残らない」ということになりがちです。所得が290万円を超えそうな場合は、あらかじめ個人事業税がかかることを見込んで、納税用の資金を少しずつ取り分けておくと安心です。手元資金を守る納め方の工夫は延納・予定納税減額で手元資金を守る納税戦略にまとめており、個人事業税も含めた将来の税負担に備えるなら将来に備えながら節税する制度の組み合わせ方も参考になります。こうした資金管理の土台になるのが日々の記帳で、所得を正しく把握するところを任せたいなら日々の記帳を任せる記帳代行サービスという方法もあります。
よくある質問
Q. 個人事業税は確定申告とは別に申告が必要ですか?
原則として、別途の申告は不要です。確定申告の内容をもとに都道府県が税額を計算し、納付書を送ってくれます。確定申告を正しく行っていれば、改めて個人事業税の申告をする必要は基本的にありません。
Q. 個人事業税は経費にできますか?
個人事業税は、事業に関連して課される税金であるため、必要経費に算入できます。納めた個人事業税は、翌年の確定申告で経費として計上できるので、忘れずに記帳しておきましょう。
Q. 所得が290万円以下なら個人事業税は払わなくてよいのですか?
事業主控除290万円を差し引いて課税される金額が残らなければ、個人事業税はかかりません。ただし、ここでいう所得は所得税の所得とは計算が異なる場合があるため、青色申告特別控除を引く前の金額などで考える必要がある点に注意しましょう。
今日から備えたい個人事業税のポイント
個人事業税は、法定業種に該当する個人事業主が、事業を行う都道府県に納める地方税です。確定申告の内容をもとに都道府県が計算して納付書を送ってくれるため、自分で申告する必要は基本的にありません。事業の所得から年間290万円の事業主控除を差し引いた金額に、業種ごとの税率をかけて税額が決まる仕組みです。
ポイントは、対象となる業種かどうか、そして290万円の控除を超える所得があるかどうかです。仕組みをあらかじめ理解しておけば、夏ごろに納付書が届いても慌てずに対応できます。なお、業種の区分や税率、取り扱いは制度の見直しで変わることもあるため、最新情報はお住まいの都道府県のサイト等でご確認ください。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








