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キッチンカー・移動販売の確定申告|車両費...

2026/8/20

キッチンカー・移動販売の確定申告|車両費・出店料・仕入の処理を解説

  • 確定申告

☑ キッチンカーの車両代やガソリン代を、経費としてどう処理すればよいかわからない

☑ イベント出店料や場所代、現金売上の記録の付け方に自信がない

☑ 食材の仕入と売れ残り・廃棄をどう帳簿に反映すればよいのか悩んでいる

キッチンカーや移動販売は、店舗を構える飲食店とは経費の中身も売上の記録方法も大きく異なります。車両という大きな資産を抱え、出店場所はイベントごとに変わり、売上の多くは現金。日々の営業に追われていると、確定申告の準備はどうしても後回しになりがちではないでしょうか。

本記事では、キッチンカー・移動販売を営む個人事業主の方に向けて、車両費・出店料・仕入といった業種特有の経費の処理方法や、現金売上の記録のコツ、確定申告までの流れをやさしく解説します。読み終えるころには、何を記録し、どの科目で処理すればよいかの全体像がつかめるはずです。

キッチンカー・移動販売の確定申告の全体像

得られる所得は原則「事業所得」

キッチンカーや移動販売による収入は、継続して反復的に行われる事業であれば、原則として事業所得に区分されます。事業所得は、1年間(1月1日〜12月31日)の売上から必要経費を差し引いて計算します。週末だけの営業であっても、営利目的で継続して行っていれば事業所得として申告するのが基本です。

事業所得であれば、後述する青色申告のメリットを受けられます。逆に、たまにイベントに出る程度で事業とまでは言えない規模の場合は雑所得とされることもありますが、本格的に移動販売で生計を立てているなら事業所得として帳簿を整えていきましょう。

青色申告で受けられるメリット

事前に「青色申告承認申請書」を提出し、複式簿記で帳簿をつけてe-Taxまたは電子帳簿保存で申告すると、青色申告特別控除65万円を受けられます。キッチンカーは車両という高額な資産を扱うため、後述する減価償却や、赤字を翌年以降に繰り越せる仕組みなど、青色申告ならではの恩恵が大きい業種です。

  • 青色申告特別控除(最大65万円)で所得を圧縮できる

  • 赤字(純損失)を翌年以降3年間繰り越せる

  • 家族への給与を専従者給与として経費にできる場合がある

提出期間と必要書類

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。事業所得がある方は、確定申告書に加えて、青色申告なら「青色申告決算書」、白色申告なら「収支内訳書」を作成して提出します。1年分の売上と経費を集計し、これらの決算書類を仕上げてから申告書の記入に進むとスムーズです。

車両費・設備費の処理がいちばんの肝

キッチンカー本体は「減価償却」で経費にする

キッチンカーの車両本体や、新車・中古車を架装(厨房設備の取り付け)した費用は、購入した年に全額を経費にするのではなく、減価償却という方法で数年にわたって少しずつ経費化します。資産の使用可能な年数(法定耐用年数)に応じて、毎年一定額を経費として計上していくイメージです。

中古車を購入した場合は、法定耐用年数より短い期間で償却できることが多く、その分1年あたりの経費を大きく取れる場合があります。10万円未満の備品はその年の経費にできるなど、金額によって扱いが変わるため、購入金額ごとに処理を分けて考えることが大切です。

ガソリン代・車検・保険などの維持費

移動販売は走ってこそ成り立つ仕事なので、車両の維持費は重要な経費です。主なものを整理しておきましょう。

  • ガソリン代・軽油代:車両費または旅費交通費として処理

  • 車検費用・整備代・タイヤ交換:車両費や修繕費として処理

  • 自動車保険・自賠責保険:保険料(損害保険料)として処理

  • 駐車場代・高速道路料金:地代家賃や旅費交通費として処理

科目の付け方には多少の幅がありますが、大切なのは毎年同じルールで一貫して処理することです。一度決めた科目の付け方をぶれさせないようにしましょう。

調理設備・備品の扱い

冷蔵庫、フライヤー、発電機、調理器具なども事業に必要な経費です。1点あたりの金額が大きいものは車両と同じく減価償却の対象になり、少額のものは消耗品費などでその年の経費にできます。購入時のレシートや請求書は、金額が判別できる形で必ず保管しておきましょう。

出店料・場所代の経理処理

イベント出店料・テナント料

商業施設の軒先、フェス、マルシェ、オフィス街など、出店ごとに支払う場所代は移動販売ならではの経費です。これらは地代家賃支払手数料として処理します。売上に対して一定割合を支払う「歩合制」の出店料もあり、その場合は契約内容に応じて支払手数料などで計上します。

出店料は領収書が出ないケースや、主催者への振込・現金手渡しになるケースもあります。振込明細を残す、現金払いなら出店日・場所・金額をメモに残すなど、支払いの記録を必ず形に残すことを習慣にしましょう。

営業許可・出店に関わる費用

移動販売を始めるには、保健所の営業許可が必要です。許可申請の手数料や、出店に必要な検便・健康診断の費用なども、事業に関連するものは経費になります。

  • 営業許可の申請手数料:租税公課や支払手数料として処理

  • 食品衛生責任者の講習費用:研修費や諸会費として処理

  • 出店募集サイトの利用料・掲載料:支払手数料や広告宣伝費として処理

広告宣伝・キャッシュレス関連

SNS広告やチラシ、メニュー看板などの販促費は広告宣伝費です。また、キャッシュレス決済を導入している場合、決済端末の利用料や決済手数料は支払手数料として経費にできます。手数料は売上から自動的に差し引かれて入金されることが多いので、入金額ではなく総売上で記録し、手数料は別途経費として計上する点に注意しましょう。

仕入・現金売上の管理方法

食材の仕入と売れ残り・廃棄の考え方

食材や容器、調味料などの仕入は仕入高(売上原価)として処理します。ここで押さえておきたいのが、年末時点で使い切れずに残った食材や容器は「棚卸資産(在庫)」として扱う点です。確定申告では、その年に売れた分に対応する仕入だけを経費にするのが原則なので、年末に在庫を数える(棚卸し)作業が必要になります。

一方で、営業中に出た売れ残りの廃棄や食材ロスは、通常の営業に伴うものであれば仕入高として処理されたまま経費に含まれます。過度に在庫を圧縮しようとして実態と合わない数字を作るのは避け、実際の在庫を正直に数えることが大切です。

現金売上の記録を徹底する

キッチンカーは現金売上の比率が高く、ここの記録が甘いと帳簿全体の信頼性が下がってしまいます。毎営業日ごとに売上を集計し、記録に残すことを徹底しましょう。

  • レジやレジアプリ、POSの売上データを日次で保存する

  • 手書きの場合は「営業日・場所・売上金額」を売上帳に記入する

  • 釣銭用に持ち出した現金と、回収した現金を区別して管理する

現金の管理がルーズだと、事業用とプライベートのお金が混ざりやすくなります。事業用の現金や口座を分けておくと、後の集計がぐっと楽になります。

自宅を仕込み場所にする場合の家事按分

自宅のキッチンや作業スペースを仕込みに使っている場合、家賃・水道光熱費・通信費などのうち、事業に使っている割合分を経費にできます。これを家事按分といいます。使用面積や使用時間など、合理的な基準で割合を決め、その根拠を説明できるようにしておきましょう。プライベートと共用している費用を全額経費にすることはできない点に注意が必要です。

消費税・インボイスで押さえておきたいこと

飲食料品は軽減税率の対象になり得る

テイクアウト中心のキッチンカーで提供する飲食料品は、軽減税率(8%)の対象になる場合があります。一方、イートインスペースを設けてその場で飲食してもらう形態は標準税率(10%)の扱いになることがあり、提供方法によって税率が変わり得る点が移動販売特有の論点です。判断に迷うときは、提供形態を整理したうえで専門家に確認すると安心です。

インボイス登録は取引先との関係で考える

一定規模までの事業者は消費税の納税が免除されますが、取引先がインボイス(適格請求書)を必要とする場合は、登録を検討することになります。個人向けにその場で販売するスタイルが中心なら影響は限定的ですが、企業のイベントや法人からの依頼が多い場合は、インボイス登録の要否を一度整理しておくとよいでしょう。登録すると消費税の申告・納税義務が生じるため、メリットと負担の両面から判断することが大切です。

よくある質問

Q. 軽自動車をプライベートと兼用しています。全額を経費にできますか?

プライベートと兼用している車両は、事業で使っている割合分だけを経費にできます。走行距離や使用日数などの合理的な基準で事業使用割合を求め、車両費やガソリン代、減価償却費などをその割合で按分します。営業日と使用状況がわかる記録を残しておくと、按分の根拠を説明しやすくなります。

Q. 開業前に支払ったキッチンカーの架装費や許可申請費はどうなりますか?

開業前に事業のために支払った費用は「開業費」としてまとめて資産計上し、開業後に必要なタイミングで経費にできる場合があります。車両本体は減価償却の対象になるなど扱いが分かれるため、開業前後の支払いはレシートや契約書を分けて保管し、内容がわかるようにしておきましょう。

Q. レシートをよくなくしてしまいます。現金払いの経費は認められませんか?

領収書やレシートは経費を証明する大切な書類なので、できる限り保管してください。どうしても入手できない少額の交通費などは、日付・支払先・金額・内容を記した出金伝票やメモで補える場合があります。ただし、これはあくまで補助的な方法です。普段からレシートを保管する習慣をつけることがいちばんの対策です。

まとめ:キッチンカーの確定申告は「日々の記録」で決まる

キッチンカー・移動販売の確定申告は、車両費の減価償却、出店料や場所代の正しい科目処理、仕入と現金売上の管理という、業種特有のポイントを押さえることが鍵になります。とくに現金売上の記録と年末の棚卸しは、帳簿の信頼性を左右する大切な作業です。日々こまめに記録を残しておけば、申告期に慌てることはありません。

とはいえ、毎日の営業をこなしながら、車両の減価償却や在庫の集計、複式簿記まで自分で完璧に行うのは大きな負担です。本業である「おいしいものを届けること」に集中するためにも、帳簿づけは専門家に任せるという選択肢があります。

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あわせて読みたい:キッチンカー・移動販売の記帳|現金売上・出店料・車両費飲食店の確定申告完全ガイド|日々の記帳のやり方と飲食業の申告の全体像をあわせて確認できます。

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