個人事業主が住宅を購入した年の確定申告|住宅ローン控除の初回申告
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確定申告

個人事業主が住宅を買った年は、初回の確定申告で住宅ローン控除を申請します。会社員と違い年末調整がないため、初回も2年目以降も毎年の申告で控除を続けるのがポイントです。必要書類と、自宅兼事業所ならではの注意点を整理します。
念願のマイホームを手に入れたら、気になってくるのが「住宅ローン控除」をどう受けるのか、という税金の手続きです。要件を満たせば所得税などの負担を軽くできる心強い制度ですが、その恩恵を受けるには、住宅を購入した最初の年に自分で確定申告をする必要があります。まずは制度の全体像から順に確認していきましょう。
☑ マイホームを買ったが、住宅ローン控除をどう申告すればいいか分からない
☑ 個人事業主は控除の手続きが会社員と違うと聞いて不安だ
☑ 自宅を仕事場としても使っていて、経費との関係が気になる
住宅ローン控除とはどんな制度か
まずは制度の全体像を押さえておきましょう。仕組みを理解すると、なぜ初回の申告が大切なのかが見えてきます。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は所得税から差し引く制度で、所得税のしくみは国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で確認できます。控除そのものの要件は、国税庁タックスアンサー「住宅借入金等特別控除」で最新の内容をご確認ください。
ローン残高に応じて税負担が軽くなる仕組み
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末時点のローン残高などに応じた金額を、一定期間にわたり所得税から差し引ける制度です。所得税で引ききれない分は、住民税から一定の範囲で控除される場合もあります。
適用には要件がある
取得した住宅に自分で居住していること
床面積など、住宅に関する要件を満たしていること
返済期間など、ローンに関する要件を満たしていること
控除の金額や期間、適用要件は制度改正で変わることがあります。ご自身のケースで適用できるか、最新の内容は国税庁サイト等で必ずご確認ください。
個人事業主は「初回も2年目以降も」確定申告で対応
会社員と個人事業主では、住宅ローン控除の受け方に違いがあります。ここを理解しておくと、毎年の手続きで迷いません。
会社員との違い
会社員は、初回だけ確定申告をすれば、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けられます。一方、個人事業主には年末調整がないため、初回も含めて毎年の確定申告の中で控除を適用していくことになります。
毎年の申告に控除を組み込む
個人事業主はもともと事業の所得を申告しているので、その申告書に住宅ローン控除の内容を反映させる形になります。初年度に必要な書類をそろえて申告すれば、その後も毎年の申告で継続して控除を受けられます。配偶者と一緒に事業や住まいを持つ世帯では、誰がどの控除を受けるかの整理も関わってきます。考え方は家族で一つの事業を営むときの確定申告も参考になります。
初回申告で必要になる主な書類
住宅ローン控除の初回申告では、通常の確定申告書類に加えて、住宅に関する証明書類が必要になります。取得から年が明けると入手しづらくなるものもあるため、早めにそろえましょう。
住宅・ローンに関する書類
金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書
住宅の売買契約書や工事請負契約書の写し
登記事項証明書など、取得した住宅の内容が分かる書類
申告に共通して必要な書類
事業の収支を整理した帳簿・集計表
各種控除の証明書
マイナンバーが分かる書類
必要書類は住宅の種類や状況によって異なる場合があります。書類が一つでも欠けると控除を受けられないことがあるため、チェックリストを作って確認するのがおすすめです。住宅の建築や取得に関わる費用の全体像は、施工側の視点をまとめた大工・木造建築業の確定申告も、住宅まわりの費用の考え方の参考になります。
自宅兼事業所のときの注意点
個人事業主ならではの論点が、自宅を仕事場としても使っているケースです。住宅ローン控除と事業の経費の両方が関わってくるため、扱いに注意が必要です。
事業使用部分と居住部分を分けて考える
自宅の一部を事業に使い、その家賃や住宅関連費の一部を経費(家事按分)に計上している場合、住宅ローン控除の対象となる居住部分の考え方に影響することがあります。居住用としての利用割合が一定以上であることなど、要件との関係を整理しておく必要があります。生活と事業で共用する資産の按分の考え方は、車両を例にしたキャンピングカー・車中泊ビジネスの確定申告も、按分の感覚をつかむ参考になります。
按分のバランスに気をつける
経費を多く取ろうと事業使用割合を大きくしすぎると、住宅ローン控除の取り扱いに影響する場合がある
居住用と事業用の割合は、実態に即して合理的に決めることが大切
このあたりは判断が難しく、人によって最適な整理が異なります。自宅兼事業所の方は、初回申告の前に専門家へ相談しておくと安心です。
初回申告をスムーズに進めるコツ
初年度は書類が多く、戸惑いやすいものです。記帳代行の現場でも、住宅を買った年の初回申告は書類が多く、準備でつまずきやすいタイミングです。少しの段取りで負担を減らせます。
取得直後から書類をまとめておく
住宅の契約書や登記関係の書類は、購入時に一式まとめてファイリングしておきましょう。年末残高証明書は通常、年末から年明けにかけて届くので、届いたらすぐに申告書類と一緒に保管します。
事業の帳簿づけと並行して準備する
個人事業主は事業の確定申告と同時に控除の手続きを行うため、日頃の記帳が滞っていると初回申告の負担が一気に増します。事業の領収書整理と住宅関連書類の準備を、早めに並行して進めておくと安心です。日々の帳簿づけそのものを任せたい場合は、事業の記帳を任せる方法もあります。
不明点は早めに相談する
住宅ローン控除は金額の影響が大きい制度であるぶん、計算を誤ると後から修正の手間が生じます。とくに初年度は判断を要する場面が多いため、書類がそろわない段階でも、早めに税務署や専門家へ相談しておくと心強いでしょう。「申告期になってから慌てる」事態を避けられます。地方への移住や住み替えを機に住宅を取得した場合は、支援金や住所の扱いも関わることがあり、地方移住・二拠点生活を始めた個人事業主の確定申告もあわせて確認しておくと安心です。
初年度に申告した後の流れ
初回申告を終えれば終わり、ではありません。控除は複数年にわたって続くため、その後の流れも知っておきましょう。
2年目以降も毎年の申告で継続する
会社員であれば2年目以降は年末調整で対応しますが、個人事業主は前述のとおり毎年の確定申告の中で控除を継続して適用していきます。控除の適用期間が続くあいだは、毎年、住宅ローンの年末残高証明書などの必要書類をそろえて申告する流れになります。
毎年届く書類を保管する習慣を
金融機関から毎年送られてくる年末残高証明書は、届いたらすぐに保管する
事業の帳簿や領収書とあわせて、年ごとにまとめて整理しておく
引っ越しや繰り上げ返済など、状況が変わった場合は影響を確認する
毎年のことだからこそ、保管と整理のルールを決めておくと、申告のたびに書類を探し回らずに済みます。
よくある質問
Q. 住宅ローン控除を初年度に申告し忘れたらどうなりますか?
初回の申告が必要な制度のため、忘れると控除を受けられない可能性があります。申告期限後の対応ができる場合もありますが、扱いはケースによって異なるため、できるだけ早く税務署や専門家に相談してください。
Q. 事業の所得が赤字でも住宅ローン控除は受けられますか?
住宅ローン控除は所得税から差し引く仕組みのため、そもそも納める所得税がなければ控除の効果が出にくいことがあります。住民税からの控除など、状況によって扱いが変わるため、具体的な計算は専門家に確認すると確実です。
Q. 中古住宅やリフォームでも対象になりますか?
中古住宅の取得や一定のリフォームも、要件を満たせば対象になる場合があります。対象範囲や要件は細かく定められているため、最新情報を国税庁サイト等でご確認ください。
まとめ|初回申告を丁寧にして控除をしっかり受ける
住宅ローン控除は、要件を満たせば毎年の税負担を軽くできる大きなメリットのある制度です。ただし、その恩恵を受けるには、住宅を購入した年に必要書類をそろえて確定申告を行うことが出発点になります。個人事業主の場合は年末調整がないため、初回も2年目以降も、毎年の確定申告の中で控除を適用し続けることになります。
特に自宅を仕事場としても使っている方は、事業の経費と住宅ローン控除の関係を整理する必要があり、判断に迷う場面も出てきます。書類を早めにそろえ、分からない部分は専門家の力を借りながら、せっかくの制度を取りこぼさず活用していきましょう。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








