医療費控除とセルフメディケーション税制の選び方をやさしく解説
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税金

医療費控除とセルフメディケーション税制は同じ年に併用できず、支出に合う方を選びます。入院や通院で医療費全体が大きい年は医療費控除、対象の市販薬が中心の年はセルフメディケーション税制が向きます。選び方の考え方を整理します。
「今年は通院や薬代がかさんだな」と感じた年は、医療費に関する控除を活用できるチャンスかもしれません。医療費控除は、家族の分も含めて1年間に支払った医療費が一定額を超えると、所得から差し引ける制度です。さらに近年は、市販薬の購入額に着目したセルフメディケーション税制という選択肢も加わり、ドラッグストアでの買い物が控除につながるケースも出てきました。
☑ 1年間で病院や薬にけっこう使ったが、医療費控除の対象になるのか分からない
☑ ドラッグストアで買う市販薬でも控除が受けられると聞いて気になっている
☑ 「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらを選べばいいのか迷う
☑ レシートはためているが、家族の分まで集計して有利な方を選ぶ自信がない
医療費控除の基本
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定の基準額を超えたときに、超えた部分を所得から差し引ける制度です。生計を一にする家族の分も合算できるため、世帯全体で考えると使いやすくなります。対象範囲や計算方法は、国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」で確認できます。
1年間の医療費が一定額を超えたら使える
医療費控除は、その年の1月から12月までに支払った医療費が一定の基準額を超えた場合に、超えた部分を所得から差し引ける制度です。生計を一にする家族(配偶者や子どもなど)の医療費も合算できるため、世帯全体で考えると基準を超えやすくなります。世帯単位で控除をどう配分するかは、夫婦で事業と給与がある世帯の手取り最適化の考え方も参考になります。
対象になる費用・ならない費用
治療を目的とした費用が対象で、健康増進や美容のための費用は対象外になるのが基本的な考え方です。
対象になりやすい:病院での診療・治療費、治療に必要な薬代、通院のための公共交通機関の交通費 など
対象になりにくい:美容目的の施術、健康増進のためのサプリメント、自家用車のガソリン代 など
判断に迷う費用もあるため、対象になるかどうかは国税庁サイト等で確認するのが確実です。
保険金などで補われた分は差し引く
医療費控除を計算するときは、生命保険や健康保険から受け取った給付金など、医療費を補うために受け取ったお金を差し引いて計算します。実際に自己負担した金額が控除のもとになる、と覚えておきましょう。
意外と見落としがちな対象費用
治療に必要なものであれば、思いがけない費用が対象になることもあります。たとえば、通院のために使った電車やバスの交通費、医師の指示による治療目的の器具、歯の治療費などです。一方で、自分の都合による差額ベッド代や、健康のためのジム代などは対象外になるのが一般的です。判断に迷ったときは「治療のために必要だったか」を一つの基準にすると整理しやすくなります。なお、付き添いが必要な場合の家族の交通費が対象になることもありますので、レシートや記録は幅広く残しておくとよいでしょう。
セルフメディケーション税制の基本
セルフメディケーション税制は、対象の市販薬を一定額以上購入した場合に、その購入額の一部を所得から差し引ける制度です。医療費控除より低い金額から使えるため、「大きな病気はしなかったが、市販薬はよく買った」という年に向いています。対象品目や要件も、国税庁のタックスアンサーで確認できます。
対象の市販薬を一定額以上買ったら使える
セルフメディケーション税制は、薬局やドラッグストアで対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)を一定額以上購入した場合に、その購入額の一部を所得から差し引ける制度です。医療費控除よりも低い金額から使えるため、「大きな病気はしなかったが、市販薬はよく買った」という年に向いています。
健康への取り組みが条件になる
この税制を使うには、健康診断や予防接種など、健康の維持・増進のための一定の取り組みを行っていることが条件になります。これは「自分で健康管理に努める人を後押しする」という制度の趣旨によるものです。
対象は所定のマークが付いた市販薬などに限られる
健康診断・予防接種などの取り組みを行っている必要がある
レシートの保管が欠かせない
購入した市販薬のレシートは、控除額の計算と申告に必要です。対象商品にはレシート上に印が付くことが多いので、捨てずに保管しておきましょう。家族で同じ薬を使うことも多いため、誰が・いつ・何を買ったかが分かるようにまとめておくと、年末の集計がぐっと楽になります。
どちらを選ぶ?比較の考え方
結論として、医療費全体が大きい年は医療費控除、対象の市販薬の購入が中心の年はセルフメディケーション税制が有利になりやすい、というのが大まかな目安です。両方は使えないため、支出を見て一方を選びます。
両方は使えない、どちらか一方を選ぶ
医療費控除とセルフメディケーション税制は、同じ年に併用できません。その年の支出状況を見て、有利なほうを一つ選ぶことになります。控除や申告の要否で迷う制度としては、ふるさと納税の返礼品と一時所得の課税ラインも押さえておくと、年末の判断がしやすくなります。
金額のイメージで見分ける
大まかな目安として、次のように考えると選びやすくなります。
入院や手術、継続的な通院などで医療費全体が大きい年 → 医療費控除が有利になりやすい
大きな治療費はないが、対象の市販薬をそれなりに購入した年 → セルフメディケーション税制が有利になりやすい
両方で試算してみる
確実なのは、1年分の医療費のレシートと市販薬のレシートを集計し、両方の制度で控除額を計算して比べることです。判断が難しいときは、集計結果をもとに専門家に相談すると安心です。レシートの集計から有利な制度の選択、申告書の作成までまとめて任せたい方は、確定申告の代行という選択肢もあります。とくに、年の途中で大きな治療が発生した年などは、医療費全体が一気に増えて医療費控除のほうが有利に転じることもあります。年末に一度立ち止まって、その年の医療関係の支出を振り返ってみる習慣をつけておくとよいでしょう。
申告時に気をつけたいこと
どちらの制度も、明細書を作成して申告し、家族分をまとめて集計し、レシートを1年間こまめに集めておくことが共通のポイントです。
明細書を作成して申告する
どちらの制度も、確定申告の際に医療費や対象医薬品の明細書を作成して申告します。領収書やレシートそのものは原則として提出しませんが、一定期間の保管が求められるため、捨てずに残しておきましょう。
家族分をまとめて集計する
医療費控除は生計を一にする家族の分も合算できます。誰の医療費を、いつ、いくら支払ったかが分かるよう、家族全員のレシートをまとめて管理しておくと、申告時の集計がぐっと楽になります。医療費に限らず、複数の控除や制度を組み合わせて考える視点は、フリーランスが将来に備えながら節税する制度の組み合わせ方にもまとめられています。
1年間こまめに集める
医療費や市販薬のレシートは、その都度ためておくのがコツです。年末や申告直前にまとめて探そうとすると、紛失していたり、対象かどうか判断できなくなったりしがちです。専用の封筒やファイルに入れる習慣をつけておくと安心です。実際にお預かりするレシートでも、月ごとにまとめて送っていただく方ほど、申告期の集計がスムーズです。
よくある質問
Q. 医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使えますか?
同じ年に両方を併用することはできません。その年の医療費と市販薬の支出を見て、どちらか有利なほうを一つ選んで申告します。両方の制度で控除額を試算し、金額が大きくなるほうを選ぶのがおすすめです。
Q. 家族の分の医療費もまとめて申告できますか?
生計を一にする家族であれば、配偶者や子ども、親などの医療費を合算して申告できます。世帯全体で集計すると基準額を超えやすくなるため、家族分のレシートはまとめて管理しておくとよいでしょう。
Q. レシートをなくしてしまいました。控除は受けられますか?
医療費控除やセルフメディケーション税制の申告には、支払額が分かる記録が必要です。レシートを紛失した場合、医療機関や薬局で支払い証明を再発行してもらえることもあります。まずは問い合わせてみて、日ごろからの保管を心がけましょう。
医療費控除で迷ったときの結論
医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらも「医療にかかったお金」を税金の計算に反映できる心強い制度です。違いをひとことで言えば、医療費全体が大きい年は医療費控除、対象の市販薬の購入が中心の年はセルフメディケーション税制が向いている、というイメージです。同じ年に両方は使えないため、1年分のレシートを集計して有利なほうを選ぶことがポイントになります。対象になる費用や条件、控除額の基準は変わることがあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認のうえ、自分の支出に合った制度を上手に活用しましょう。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








