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払いすぎた税金を取り戻す|見落としがちな...

2026/9/8

払いすぎた税金を取り戻す|見落としがちな控除を解説

  • 税金

払いすぎた税金は、見落としがちな控除を取りきり、提出済みの申告でも原則5年以内なら「更正の請求」で取り戻せます。医療費控除や家族分の社会保険料控除、ふるさと納税、家事按分など、見落としやすいポイントを整理します。

控除は種類が多く、しかも自分から申告しなければ反映されないものがほとんどです。「知らなかった」というだけで、本来戻ってくるはずの税金を払いすぎているケースは珍しくありません。取りこぼしていそうな控除の見当をつけていきましょう。

☑ 確定申告は出したけれど、本当にこれで控除を取りきれたのか自信がない

☑ 「あの支払いも控除になったのでは?」と後から気づいてモヤモヤしている

☑ 医療費や保険、ふるさと納税など、控除の種類が多すぎて把握しきれない

確定申告を終えてホッとしたあとに、「もしかして、あの控除を入れ忘れていたかもしれない」と不安になった経験はありませんか。控除は種類が多く、しかも自分から申告しなければ反映されないものがほとんどです。知らなかったというだけで、本来戻ってくるはずだった税金を払いすぎてしまっているケースは、実は珍しくありません。

見落としがちな控除を具体的に取り上げ、払いすぎた税金を取り戻すための「更正の請求」という制度のしくみまでを確認していきます。控除の確認から申告書の作成までまとめて任せたい場合は、確定申告を丸ごと代行する方法もあります。

そもそも「払いすぎた税金」はなぜ生まれるのか

控除は「自己申告制」だから漏れやすい

所得税のしくみは、収入から経費を引いた「所得」に対して、さらにさまざまな「控除」を差し引き、残った金額に税率をかけて計算します。この控除部分が大きいほど納める税金は少なくなりますが、控除のほとんどは自分で申告しなければ反映されません。税務署が「あなたはこの控除を使えますよ」と親切に教えてくれるわけではないのです。

つまり、控除の存在を知らなかったり、対象になると気づかなかったりすると、その分だけ税金を多く払ってしまうことになります。これが「払いすぎた税金」が生まれる最大の原因です。

会社員時代の感覚が残っていると見落としやすい

会社員のころは年末調整で会社が控除の手続きをしてくれていたため、自分で控除を意識する機会が少なかった方も多いはずです。独立して個人事業主になると、生命保険料控除も、医療費控除も、すべて自分で集計して申告書に記載しなければなりません。慣れないうちは、何が控除対象になるのかすら把握しきれず、結果として取りこぼしが起きやすくなります。

見落としがちな「所得控除」

医療費控除・セルフメディケーション税制

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額(目安として10万円、または所得の5%のいずれか低い方)を超えた場合に使えます(対象や計算方法は国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」で確認できます)。見落とされがちなのは、対象になる費用の範囲が意外と広いという点です。

  • 通院のための公共交通機関の交通費

  • 市販薬の購入費用

  • 歯の治療費(保険外でも治療目的なら対象になることがある)

  • 子どもの治療目的の歯列矯正費用

また、家族分をまとめて申告できるのもポイントです。生計を一にする家族の医療費は合算できるため、世帯全体で見ると基準額を超えていた、というケースは少なくありません。なお、ドラッグストアで対象医薬品を一定額以上購入した場合は、医療費控除に代えてセルフメディケーション税制を選べることもあります(両方の同時利用はできません)。医療費控除でいくら戻るかの目安は、医療費控除の節税試算で確認できます。

社会保険料控除に含められるもの

国民健康保険料や国民年金保険料は社会保険料控除の対象ですが、本人分だけでなく、生計を一にする家族の分を自分が支払った場合も合算できることを見落としがちです。たとえば、子どもの国民年金保険料を親が代わりに支払った場合、その金額を親の社会保険料控除に含められます。過去の未納分をまとめて納付したときも、納付した年の控除になります。

小規模企業共済等掛金控除

個人事業主向けの退職金制度である小規模企業共済の掛金や、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、その全額が所得控除になります。節税効果が大きい制度ですが、「加入はしているが申告書に書き忘れていた」という取りこぼしも起こり得ます。掛金を払い込んだ証明書が届いたら、必ず申告に反映させましょう。同じく書き忘れやすい控除として、生命保険料控除(最大12万円)の試算個人年金保険料控除の節税もあわせて確認しておきましょう。

意外と忘れやすい控除たち

扶養控除・配偶者控除の見直し

家族構成や所得の状況は年ごとに変わります。たとえば、同居していない親に仕送りをしている場合でも、生計を一にしていると認められれば扶養控除の対象になることがあります。逆に、配偶者の所得が変わったことで配偶者控除や配偶者特別控除の対象になった、というケースも見落とされがちです。「うちは関係ない」と思い込まず、毎年状況を確認することが大切です。

寄附金控除(ふるさと納税)の申告漏れ

ふるさと納税はワンストップ特例制度を使えば確定申告が不要になりますが、個人事業主など確定申告をする人は、ワンストップ特例が無効になります。この場合、確定申告書に寄附金控除として自分で記載しなければなりません。ここを忘れると、せっかく寄附したのに控除がまったく反映されず、純粋に支出だけが増えてしまいます。寄附した自治体からの受領証明書は大切に保管しておきましょう。

雑損控除・災害減免

地震や台風、火災、盗難などで生活用の資産に損害を受けた場合、雑損控除を使える可能性があります。日常的に使う制度ではないため存在自体を知らない人が多く、被害に遭ったのに控除を申告していなかった、というケースが見られます。災害関連の支出があった年は、控除の対象にならないか一度確認してみてください。

事業の経費・控除の取りこぼし

家事按分できる支出を計上していない

自宅を仕事場にしている場合、家賃・電気代・通信費などのうち、事業で使った割合分を「家事按分」して経費にできます。プライベートと共用しているからと全額あきらめてしまうのは、もったいない取りこぼしです。床面積や使用時間など、合理的な基準で割合を決めて、事業分を経費に計上しましょう。

青色申告特別控除を取りきれていない

青色申告では、複式簿記での記帳と期限内の電子申告(または電子帳簿保存)などの要件を満たすことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。要件を満たしていないために55万円や10万円にとどまっているケースや、そもそも白色申告のままで青色のメリットを受け取れていないケースは、典型的な取りこぼしです。日々の記帳をきちんと行うことが、この控除を取りきる前提になります。

少額の経費を「面倒だから」と捨てている

1件あたりは小さくても、事業に必要な支出はすべて経費の候補です。少額の文房具、書籍、打ち合わせの飲食代、交通系ICカードのチャージのうち事業分など、こまめに記録すれば年間でまとまった金額になります。レシートが面倒で捨ててしまうことが、結果的に税金の払いすぎにつながっているのです。

払いすぎに気づいたら「更正の請求」で取り戻す

更正の請求とは

すでに提出した確定申告で控除の入れ忘れや計算ミスがあり、本来より多く税金を納めていた場合は、「更正の請求」という手続きで税金を取り戻せる可能性があります。これは、納めすぎた税金の還付を税務署に求める制度です(還付申告の考え方は国税庁タックスアンサーNo.2030「還付申告」で確認できます)。期限内申告をしたうえで、後から「払いすぎていた」と判明したときに使うものです。

請求できる期間と手順

更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内とされています。つまり、過去数年分にさかのぼって見直せる可能性があるということです。手続きは、更正の請求書に正しい内容と払いすぎていた理由を記載し、控除を裏づける証明書類などを添えて税務署に提出します。内容が認められれば、納めすぎた分が還付されます。

逆に、申告した税額が少なすぎた場合は「修正申告」という別の手続きになります。どちらに当たるのかを正しく見極め、必要書類をそろえることが、スムーズに進めるためのポイントです。

よくある質問

Q. 確定申告を出した後でも、控除の入れ忘れは直せますか?

はい、直せる可能性があります。控除を入れ忘れて税金を多く納めていた場合は、更正の請求という手続きで還付を求められます。原則として法定申告期限から5年以内であれば対象になるため、過去の申告内容を見直してみる価値は十分にあります。

Q. ふるさと納税をしましたが、ワンストップ特例の申請も出しています。確定申告ではどうすればよいですか?

確定申告をする場合、ワンストップ特例の申請は自動的に無効になります。そのため、確定申告書のなかで寄附金控除として、その年に行ったふるさと納税の全額をあらためて記載する必要があります。記載を忘れると控除が反映されないので注意してください。受領証明書は手元に残しておきましょう。

Q. どの控除が自分に当てはまるか、自分で判断するのが不安です。

控除は種類が多く、家族構成や支出の状況によって当てはまるものが変わるため、独力で完璧に判断するのは難しいものです。不安な場合は、1年間の支出や保険・寄附の証明書を一度すべて集めて整理してみると、見落としに気づきやすくなります。それでも判断に迷うときは、記帳代行などのサービスに相談するのも一つの方法です。

見落としがちな控除を取りきって、払いすぎを防ぐ

控除のほとんどは自己申告制で、知らなければそのまま払いすぎになってしまいます。医療費控除や家族分の社会保険料控除、ふるさと納税の申告、家事按分、青色申告特別控除など、見落としがちなポイントを一つずつ確認することが、払いすぎた税金を取り戻す第一歩です。すでに提出済みの申告でも、原則5年以内なら更正の請求で還付を受けられる可能性があります。

控除の要件を正しく理解し、証明書類をそろえ、日々の記帳まで一人で行うのは大きな負担です。記帳が後回しになるほど、経費や控除の取りこぼしも起こりやすくなってしまいます。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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