ハンドメイド作家・ネットショップの確定申告|売上・送料・在庫の処理を解説
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確定申告

ハンドメイド作家・ネットショップの確定申告は、売上を手数料を引く前の金額で計上し、送料・手数料は経費として分け、年末在庫は棚卸して翌年へ繰り越すのが要点です。売上・送料・在庫の処理と日々の記録のコツを整理します。
「好き」を形にした作品が売れるのは、何ものにも代えがたい喜びです。その一方で、minneやCreema、BASEなどで販売を続けていると、避けて通れないのが確定申告。材料を買い、作品をつくり、送料を払って発送する——ハンドメイド販売は小さな取引の積み重ねだからこそ、いざ申告となると「何をどこから集計すれば?」と途方に暮れてしまいがちです。
☑ 販売サイトの手数料が引かれた入金額を、そのまま売上にしていいのか不安
☑ 送料や梱包材、材料費の処理の仕方がわからない
☑ 年末に売れ残った作品や材料を、どう扱えばいいのか知らない
ハンドメイド販売で確定申告が必要になる基準
確定申告が必要かどうかは、売上ではなく「所得(もうけ)」で判断します。本業か副業かで基準が変わる点を押さえましょう。
本業か副業かで基準が変わる
ハンドメイド販売が本業の方は、売上から経費を引いた「所得」が基礎控除額(48万円)を超えると、原則として確定申告が必要です。会社員の方が副業として販売している場合は、所得が年間20万円を超えると申告が必要になります。ポイントは「売上」ではなく「所得(もうけ)」で判断するという点です。売上が30万円でも、材料費や送料で15万円かかっていれば所得は15万円、ということになります。基礎控除の金額は国税庁タックスアンサーNo.1199「基礎控除」で確認できます(最新の控除額は改正で変わることがあります)。
趣味の延長でも申告が必要なことがある
「趣味で作ったものを売っているだけだから」と思っていても、継続的に販売して利益が出ていれば、申告の対象になり得ます。逆に、自分が使っていた私物の洋服や家具をフリマアプリで売っただけなら、生活用動産の売却として原則課税されません。「作って売る」ことを繰り返しているかどうかが、ひとつの目安になります。
所得の区分と青色申告
継続的に販売活動を行い、帳簿をつけているなら「事業所得」、単発的な販売なら「雑所得」として申告するのが一般的です。事業所得として青色申告を選べば、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰り越しなど、税金面のメリットを受けられます。控除の要件は国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます。販売が軌道に乗ってきた方は検討してみる価値があります。
売上の計上で間違えやすいポイント
最も間違えやすいのが売上の計上です。手数料を引く前の総額で、引き渡した日に計上するのが原則です。
売上は「手数料を引く前」の金額で計上する
ここが最も間違えやすいポイントです。販売サイトからの入金は、販売手数料や決済手数料が差し引かれた後の金額ですが、売上はお客様が支払った金額(手数料を引く前の総額)で計上するのが原則です。例えば3,000円の作品が売れて、手数料300円が引かれ2,700円が入金された場合、「売上3,000円・手数料300円(経費)」と分けて記録します。入金額だけを売上にすると、売上も経費も実態より小さくなってしまいます。
売上を計上するタイミング
売上は「入金日」ではなく、原則として商品を引き渡した日(発送日や取引完了日)に計上します。特に年末年始をまたぐ取引は注意が必要です。12月に売れて1月に入金された注文は、原則として12月の売上になります。販売サイトの注文履歴や売上レポートを月ごとに保存しておくと、正確に集計できます。制作と発送に追われて集計まで手が回らない方は、確定申告の代行に、売上と在庫の処理からまとめて任せる方法もあります。
複数サイトで販売している場合
minne・Creema・メルカリ・自社サイトなど複数の販路がある方は、すべての売上を合算して申告します。サイトごとに手数料率や入金サイクルが違うため、販路ごとに売上・手数料を整理した一覧を作っておくのがおすすめです。複数の販路や屋号で販売している方は、複数の屋号・複数店舗を持つ個人事業主の帳簿の分け方を押さえておくと、販路ごとの集計が整理しやすくなります。
送料・梱包材・手数料の経理処理
送料は「だれが負担したか」で考え、売上と送料は分けて記録します。経費になる支出も幅広く押さえておきましょう。
送料はだれが負担したかで考える
送料込みの価格で販売した場合は、受け取った全額を売上にし、支払った送料を経費(荷造運賃)にします。お客様が送料を別途負担する場合も、いったん送料を含めて受け取るなら同様に処理するのが原則です。「売上から送料を引いた残りだけをメモしておく」という方法では帳簿が合わなくなるため、売上と送料は分けて記録しましょう。
経費になる支出の例
ハンドメイド販売・ネットショップ運営では、次のような支出が経費になります。
布・金具・ビーズ・紙材などの材料費
梱包資材(封筒・緩衝材・リボン・シールなど)
販売サイトの手数料・決済手数料・出店料
作品撮影用の機材や撮影小物
イベント出展料・ブース装飾費・交通費
作業に使う道具やミシンなどの設備
同人誌の即売会など、頒布・委託販売の収入がある方は、同人作家・即売会出展の確定申告と頒布収入・委託販売・印刷費の処理もあわせて確認しておくと、収入の計上もれを防げます。
自宅作業の家賃や光熱費も一部経費に
自宅で制作している場合は、作業スペースの広さや作業時間に応じて、家賃・電気代・通信費の一部を経費にできます(家事按分)。「部屋の2割を作業スペースとして使っているので家賃の2割」のように、説明できる基準で計算することが大切です。
在庫(棚卸)の考え方をやさしく理解する
材料費は「使った分」だけが今年の経費になり、売れ残った材料や作品は在庫として翌年へ繰り越します。年末には棚卸をしましょう。
材料費は「使った分」だけが今年の経費
意外に知られていないのが在庫の処理です。年内に買った材料費がすべて今年の経費になるわけではなく、原則として「売れた作品に対応する分」だけが売上原価として経費になります。年末時点で残っている材料や売れ残った作品は「在庫(棚卸資産)」として翌年に繰り越します。
年末には棚卸をする
12月末に、手元に残っている材料・仕掛品・完成品を数え、購入金額をもとに在庫金額を計算します。これを棚卸といいます。「今年の経費=年初の在庫+今年の仕入−年末の在庫」という関係で売上原価が決まるため、棚卸をしないと正しい利益が計算できません。材料の購入レシートに品名と用途をメモしておくと、棚卸がぐっと楽になります。
少額でも記録の習慣が大切
ハンドメイドの材料は100円・200円の細かい買い物が積み重なります。1つひとつは少額でも、年間では大きな金額になることが多いため、「買ったらレシートを保管する」「何の材料かメモする」という習慣をつけておきましょう。日々の記帳を代行していると、材料のレシートが月ごとにまとまっている方ほど、棚卸や集計がスムーズだと感じます。新作の制作資金をクラウドファンディングで募った場合は、クラウドファンディング・寄付型支援を受けた人の所得区分と課税の有無も確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 売れ残った作品の材料費は経費にならないのですか?
その年の経費にはならず、在庫として翌年に繰り越します。翌年その作品が売れたときに、対応する材料費が売上原価として経費になります。経費にならないというより「経費になるタイミングがずれる」と理解するとわかりやすいでしょう。
Q. フリマアプリで私物を売ったお金も申告が必要ですか?
自分で使っていた衣類や日用品(生活用動産)を売った場合は、原則として課税されず申告も不要です。ただし、販売目的で作った作品や仕入れた商品を売った場合は事業の売上になります。同じアプリ内でも「私物の処分」と「作品の販売」は区別して記録しておきましょう。
Q. 赤字でも確定申告したほうがいいのでしょうか?
申告義務がない場合でも、事業所得として青色申告をしていれば、赤字を翌年以降3年間繰り越して将来の黒字と相殺できます。また、住民税や国民健康保険の手続き上、申告しておいたほうがスムーズなこともあります。状況に応じて検討してみてください。
ハンドメイド確定申告のまとめ
ハンドメイド作家・ネットショップの確定申告でつまずきやすいのは、「売上は手数料を引く前の金額」「送料・手数料は経費として分けて記録」「年末在庫は棚卸して翌年へ」という3点です。逆にいえば、この3点を押さえて日々の取引を記録しておけば、申告作業の大半は終わったようなものです。小さな取引が多いハンドメイド販売は、こまめな記録がなにより力になります。
とはいえ、制作と発送に追われながら帳簿までつけるのは大変なこと。つくる時間を守るために、経理を専門家に任せるという選択も考えてみてください。領収書丸投げドットコムでは、材料費のレシートや販売サイトの明細を送っていただくだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までをまとめてサポートしています。何枚でも定額 月額6,600円(税込)・契約縛りなしなので、在庫や送料の処理が不安な方も安心です。制作の時間を守りながら申告を任せられるか無料で相談することができます。相談は無料です。実際の対応例は導入事例でもご覧いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








