銀行API連携で記帳が止まるトラブルの原因と対処法を解説
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税務

銀行API連携で記帳が止まる主な原因は、認証情報の期限切れやパスワード変更、銀行側のメンテナンスです。手動更新と再認証から順に切り分ける対処法と、止まっている間の記帳のしかたを解説します。
クラウド会計ソフトの便利さの中心にあるのが、銀行口座やクレジットカードの「自動連携」です。明細が自動で取り込まれ、仕訳の候補まで提案してくれるおかげで、記帳の手間は大きく減りました。ところが、ある日突然「連携エラー」「同期できません」といった表示が出て、明細が取り込まれなくなる。本業が忙しいときほど、こうしたトラブルは大きなストレスになります。
☑ クラウド会計の銀行口座連携が突然エラーになり、明細が取り込まれなくなった
☑ 連携が止まっている間の取引をどう記帳すればよいかわからず手が止まっている
☑ API連携の再設定が難しそうで、何度もログインを求められて困っている
銀行API連携で記帳が止まる代表的な原因と対処法を整理します。あわせて、連携が止まっている間の記帳のしかたや、再発を防ぐ備えもお伝えするので、エラー表示が出ても落ち着いて対応できるようになります。
そもそも銀行API連携とは何かをおさらいしましょう
「スクレイピング型」と「API型」の違い
クラウド会計と銀行口座をつなぐ仕組みには、大きく分けて2つの方式があります。ひとつは、利用者のログイン情報を会計ソフト側に預け、ソフトがインターネットバンキングの画面から明細を読み取るスクレイピング型。もうひとつは、銀行が公式に用意した接続口(API)を通じて明細データを受け取るAPI型(API連携)です。連携全体の設定のコツは銀行口座連携の自動化にまとめています。
近年は安全性の高さから、多くの金融機関がAPI型への移行を進めています。API型は、銀行側のシステム更新や仕様変更があったときに、連携を「再認証」し直す必要が出てくる点が特徴です。記帳が止まるトラブルの多くは、この再認証や認証情報の有効期限切れに関係しています。
連携が「止まる」とはどういう状態か
連携が止まると、新しい取引の明細がクラウド会計に取り込まれなくなります。画面には「連携エラー」「再認証が必要です」「同期に失敗しました」といったメッセージが表示されるのが一般的です。重要なのは、明細が取り込まれていないだけで、銀行口座そのものに問題が起きているわけではないということです。落ち着いて原因を切り分けていけば、たいていは元どおりに復旧できます。
記帳が止まる主な原因を切り分けましょう
認証情報の有効期限切れ・パスワード変更
API連携では、一定期間ごとに利用者本人が再度ログイン認証を行う「再認証」が求められる仕組みになっていることがあります。この有効期限が切れると、明細の取り込みが自動的に止まります。また、インターネットバンキングのログインパスワードや暗証番号を変更したのに、会計ソフト側の登録情報を更新していない場合も、認証に失敗して連携が止まります。
銀行側で定期的なパスワード変更を求められて更新した
ワンタイムパスワードや二要素認証の設定を変えた
しばらくログインしておらず、再認証の期限が切れた
連携が止まったときは、まずこの「認証まわりに変化がなかったか」を思い出してみるのが近道です。
銀行側のシステムメンテナンス・仕様変更
金融機関は定期的にシステムメンテナンスを行います。メンテナンス中や、その直後に接続仕様が変わったタイミングでは、一時的に連携が止まることがあります。これは利用者側の操作ミスではなく、時間の経過や会計ソフト側の対応で解消するケースがほとんどです。あわてて設定をいじる前に、銀行や会計ソフトの「お知らせ」「障害情報」を確認しましょう。
ログインの状態やセキュリティ設定の影響
インターネットバンキング側で「一定回数ログインに失敗するとロックがかかる」「普段と違う環境からのアクセスを制限する」といったセキュリティ設定がはたらくと、会計ソフトからの自動アクセスがブロックされ、連携が止まることがあります。口座をロックしてしまった場合は、まず銀行側でロックを解除し、本人がインターネットバンキングに正常にログインできる状態に戻すことが先決です。
原因別の具体的な対処法
まずは「手動更新」と「再認証」を試す
連携エラーが出たときの基本の対処は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
1. 手動更新を押す……一時的な通信エラーであれば、これだけで復旧することがあります
2. 再認証を行う……会計ソフトの連携設定画面から、銀行のログイン情報を入力し直して認証をやり直します
3. 登録情報を見直す……パスワードや支店・口座番号などの登録内容に誤りがないか確認します
再認証では、インターネットバンキングのログインIDやパスワード、場合によってはワンタイムパスワードの入力を求められます。最新の正しい情報を手元に用意してから操作すると、途中で止まらずに済みます。
口座ロック・パスワードまわりの解決手順
ログインの失敗が続いて口座がロックされた場合は、会計ソフト側をいじる前に、まず銀行のインターネットバンキングで本人がログインできる状態を取り戻すことが大切です。ロック解除の方法は金融機関ごとに異なりますが、再設定の手続きや、銀行への問い合わせで解除できるのが一般的です。インターネットバンキング単体で正常にログインできることを確認してから、改めて会計ソフトの再認証を行いましょう。
それでも直らないときの確認先
上記を試しても復旧しない場合は、原因が銀行側か会計ソフト側にある可能性があります。次の順で確認すると、問い合わせ先を絞り込めます。
会計ソフトの「障害情報」「メンテナンス情報」のページで、その金融機関の連携に不具合が出ていないか
銀行の公式サイトで、システムメンテナンスや障害のお知らせが出ていないか
同じ金融機関を使う他の利用者でも同様の事象が起きていないか(ソフトのヘルプやサポート窓口で確認)
銀行側・ソフト側の一時的な不具合であれば、復旧を待つのが最も確実です。利用者側の設定が原因でなさそうなときに無理に再設定を繰り返すと、かえって口座ロックを招くため注意しましょう。連携トラブルに時間を取られたくない方は、記帳代行というやり方で明細の取り込みや仕訳をまとめて任せる選択肢もあります。
連携が止まっている間の記帳をどうするか
明細は後から取り込める前提で考える
連携が一時的に止まっても、復旧後にさかのぼって明細を取り込めるケースが多くあります。ただし、金融機関によっては取り込める明細の期間に上限があるため、長期間放置すると、古い明細が自動連携では取れなくなることがあります。連携が止まったことに気づいたら、できるだけ早く復旧させるか、止まっている間の取引を別の方法で記録しておくことが大切です。
手入力・CSV取り込みで「抜け」を防ぐ
復旧までに時間がかかりそうなときは、次の方法で取引の抜けを防げます。
手入力……件数が少なければ、入出金を会計ソフトに直接入力しておく
CSV取り込み……インターネットバンキングから明細CSVをダウンロードし、会計ソフトに取り込む
後から自動連携が復旧したときに、手入力した取引とAPI連携で取り込んだ取引が二重に計上されないよう注意してください。日付・金額・摘要が同じ取引が二重に入っていないか、復旧後に必ず突き合わせて確認しましょう。重複は所得金額を誤らせる原因になります。
領収書・通帳の現物を残しておく
連携が不安定なときほど、領収書・請求書・通帳記入(または明細PDF)といった「元の証ひょう」を手元にきちんと残しておくことが、後の記帳の支えになります。電子データで受け取った請求書や明細は、電子帳簿保存法のルールに沿って保存しておくと安心で、詳しくは電子取引データの保存やPDF領収書の保存方法にまとめています。自動連携はあくまで入力の手間を省く道具であり、根拠となる書類の保存は別途必要だと考えておきましょう。
同じトラブルを繰り返さないための備え
再認証の期限を意識する習慣をつける
API連携の再認証は、忘れたころにやってきます。月に一度、帳簿を締めるタイミングなどで連携状況をまとめて確認する習慣をつけておくと、「気づいたら何週間も明細が止まっていた」という事態を防げます。複数の口座やカードを連携している場合は、それぞれの連携が生きているかを一覧でチェックするとよいでしょう。
連携する口座を整理して数を絞る
連携する口座やカードが多いほど、どこかでエラーが起きる確率も上がり、管理も煩雑になります。事業で実際に使う口座・カードに絞り、プライベート用と分けておくと、連携トラブルの影響範囲を小さくできます。事業用とプライベート用の入金・支払いが同じ口座に混在していると、記帳のたびに仕分けの手間もかかります。口座を分けておくことは、トラブル対策と記帳効率の両面で有効です。
定期的なバックアップとこまめな記帳
明細を長くため込むほど、いざ連携が止まったときの確認作業は重くなります。週に一度でも取り込み・仕訳を済ませておけば、トラブルが起きても「直近の少しだけ」を手当てすれば済みます。こまめな記帳は、確定申告期(原則2月16日〜3月15日)の直前に慌てないための最良の備えでもあります。確定申告は国税庁のe-Taxで電子申告することもできます。
よくある質問
Q. 連携エラーを放置すると、確定申告に影響しますか?
影響する可能性があります。連携が止まったまま放置すると明細の取り込み漏れが起き、売上や経費の計上漏れにつながります。結果として所得金額を誤り、納める税額が変わってしまうおそれがあります。さらに、自動連携でさかのぼれる明細の期間には上限がある場合が多いため、長期間放置すると古い明細を手作業で入力し直す手間が発生します。エラーに気づいたら早めに対処することをおすすめします。
Q. 会計ソフトにログイン情報を預けても安全ですか?
銀行が公式に提供するAPI連携では、利用者のログインパスワードそのものを会計ソフトに渡さずにデータを受け取れる仕組みが採られていることが多く、安全性に配慮されています。とはいえ、会計ソフト自体のログインパスワードを強固にする、二要素認証を設定する、共有端末で開いたままにしないといった基本的な対策は利用者側で行いましょう。不安な場合は、利用している会計ソフトのセキュリティに関する説明を一度確認しておくと安心です。
Q. 何度再認証しても、すぐにまた連携が止まってしまいます。
短期間に何度も止まる場合は、利用者側の操作ではなく、銀行側のシステムメンテナンスや会計ソフト側の不具合が原因のことがあります。再認証を繰り返すと口座ロックを招くおそれもあるため、まずは会計ソフトの障害情報や銀行のお知らせを確認しましょう。原因が一時的な不具合であれば、復旧を待つのが最も確実です。それでも改善しないときは、会計ソフトのサポート窓口に連携している金融機関名を伝えて相談すると、状況を確認してもらえます。
連携トラブルは「切り分け」と「こまめな記帳」で乗り切る|まとめ
銀行API連携が止まる原因は、認証情報の有効期限切れやパスワード変更、銀行側のメンテナンス、ログイン状態の制限など、いくつかのパターンに整理できます。まずは手動更新と再認証を試し、それでも直らなければ銀行・会計ソフトそれぞれの障害情報を確認するという順で切り分ければ、たいていは落ち着いて対応できます。連携が止まっている間は手入力やCSV取り込みで抜けを防ぎ、復旧後の二重計上に気をつけることが大切です。
とはいえ、本業のかたわらでエラーの原因を切り分け、止まっている間の記帳まで自分で抱えるのは、決して小さな負担ではありません。連携のたびに作業が止まってしまい、気づけば明細がたまっている、という方も多いのではないでしょうか。領収書丸投げドットコムでは、領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行しています。連携トラブルの対応ごと記帳を任せられるか相談する。相談は無料です。申告まで丸ごと任せたい方は確定申告の丸投げ代行もご検討ください。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








