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FX・先物取引の確定申告|税率・損失繰越...

2026/7/19

FX・先物取引の確定申告|税率・損失繰越・必要書類をやさしく解説

  • 確定申告

国内FX・先物の確定申告は、利益の大きさにかかわらず一律20.315%の申告分離課税で、損失は3年間繰り越せます。損失の繰越は申告して初めて使える点が要注意。税率・繰越・必要書類を順に整理します。

FXや日経225先物、CFDなどの取引は、いまや個人事業主・フリーランスにとっても身近な存在になりました。しかし、これらの取引の税金には独自のルールが多く、「株と同じだろう」という思い込みで申告すると、思わぬ間違いにつながることがあります。まずは税率の仕組みから、損失の繰越、必要書類まで、判断のポイントを押さえていきましょう。

☑ FXで初めて利益が出たが、確定申告のやり方も必要書類も分からない

☑ 損失が出た年は申告しなくていいと思って、そのままにしている

☑ 国内FXと海外FXで税金の扱いが違うと聞いて、混乱している

FX・先物取引の利益にかかる税金の基本

「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税になる

国内のFX、日経225先物、商品先物、CFDなどで得た利益は、税金の計算上「先物取引に係る雑所得等」というグループにまとめられ、給与や事業の所得とは切り離して計算する「申告分離課税」が適用されます。事業所得とは別枠で計算されるため、事業の利益が大きい方でも、それによってFXの税率が引き上げられることはありません。

税率は利益の大きさにかかわらず一律約20%

申告分離課税の税率は、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%です。利益が増えるほど税率が上がる累進課税ではなく、利益が10万円でも1,000万円でも税率は同じという、シンプルな仕組みになっています。

株式の売却益と同じ水準の税率ですが、後述のとおり株式の損益とは通算できない別グループである点には注意が必要です。

申告が必要になる目安

個人事業主の方は、事業の確定申告とあわせてFX・先物の損益も申告するのが基本です。なお、会社員など給与所得者の場合は、給与以外の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告が不要とされる取り扱いがありますが、その場合でも住民税の申告は別途必要になる点に注意しましょう。給与所得者で確定申告が必要になる人の範囲は、国税庁タックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm)で確認できます。

また、個人事業主の方が気をつけたいのが、FX・先物の損益を事業の帳簿に混ぜてしまうことです。FX・先物の損益は申告分離課税の対象であり、事業所得の決算書には含めません。事業用の口座と取引用の口座を分け、損益も別々に集計しておくと、申告時の混乱を防げます。事業が赤字の年でもFXで利益が出ていれば、その利益には課税される点も覚えておきましょう。事業の帳簿づけそのものを任せたい場合は、記帳代行というやり方もあります。

損失が出た年こそ申告を:損益通算と繰越控除

同じ「先物取引」のグループ内なら損益通算できる

「先物取引に係る雑所得等」に含まれる取引同士であれば、損益を相殺できます。たとえばFXの損失と日経225先物の利益、CFDの利益と商品先物の損失といった組み合わせです。一方で、株式の売却損益や事業所得とは相殺できません。複数の取引会社や複数の商品にまたがっていても、同じグループ内であれば合算できます。

引ききれない損失は翌年以後3年間繰り越せる

その年の損益通算をしてもなお損失が残る場合、確定申告をしておくことで、損失を翌年以後3年間繰り越し、将来の利益から差し引くことができます。たとえば今年100万円の損失を申告しておけば、来年100万円の利益が出ても相殺され、税負担を大きく抑えられる可能性があります。なお、繰り越した損失は、古い年の分から順に差し引いていきます。

繰越控除は「毎年連続して申告」が条件

繰越控除を受けるには、損失が出た年に申告するだけでなく、その後も取引の有無にかかわらず毎年連続して確定申告を続ける必要があります。1年でも申告が途切れると繰越が使えなくなるため、「今年は取引していないから」と申告をやめてしまわないように注意しましょう。

海外FX業者を使っている場合の注意点

海外FXの利益は総合課税の「雑所得」になる

申告分離課税が適用されるのは、金融商品取引法に基づく登録を受けた業者との取引などに限られます。日本の登録を受けていない海外FX業者との取引で得た利益は、原則として総合課税の雑所得となり、事業所得などと合算したうえで累進税率により課税されます。利益が大きいほど税率も上がるため、国内FXとは負担感が大きく異なります。

総合課税の雑所得は、給与所得者の20万円基準や各種控除の判定にも影響します。海外FX業者を使っている方は、利益が小さいうちから取り扱いを確認しておきましょう。所得区分によって課税の扱いが変わる例としては、クラウドファンディング・寄付型支援を受けた人の確定申告も参考になります。

損失の繰越や国内FXとの損益通算はできない

総合課税の雑所得となる海外FXの損失は、翌年に繰り越すことができません。また、申告分離課税である国内FXの利益と相殺することもできません。同じ「FX」という名前でも、税金のうえではまったくの別物と理解しておきましょう。どの業者を使うかを検討する際は、取引コストだけでなく、こうした税金面の違いも含めて考えることが大切です。

確定申告の必要書類と手順

用意しておきたい書類

FX・先物の申告では、主に次の書類を準備します。

  • 各取引会社が発行する年間取引報告書(期間損益報告書)

  • 確定申告書(分離課税用の第三表を含む)

  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

  • マイナンバーがわかる書類と本人確認書類

  • 経費の領収書やレシート

年間取引報告書は、取引会社のサイトからダウンロードできるのが一般的です。個人事業主の方は、これらに加えて事業の帳簿や決算書類の準備も同じ時期に重なります。直前に慌てないよう、書類は早めにそろえ始めましょう。副収入の所得区分の考え方は、同人作家・即売会出展の確定申告でも扱っていますので、区分の判断に迷う方は参考にしてください。

申告書作成の基本的な流れ

まず年間取引報告書をもとに1年間の損益を集計し、複数の会社で取引している場合は合算します。次に計算明細書へ取引の内容を記入し、その結果を申告書第三表に転記します。国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Tax(https://www.e-tax.nta.go.jp/)を使えば、画面の案内に沿って入力するだけで自動計算されるため、初めての方にもおすすめです。e-Taxを利用すれば自宅から提出でき、添付書類の一部を省略できる場合もあります。

経費にできるものの例

取引のために直接かかった費用は、経費として利益から差し引ける場合があります。

  • 取引手数料や振込手数料

  • FX・先物取引に関する書籍やセミナーの費用

  • 取引に使う通信費やパソコン関連費用の一部

プライベートと共用しているものは、取引に使う割合分だけを按分して計上するのが基本です。事業の損益と投資の損益を分けて管理する考え方は、誰がどの所得を申告するかを整理する家族で一つの事業を営むときの確定申告の帳簿の分け方にも通じます。

よくある質問

Q. 含み益や含み損も申告の対象になりますか?

原則として、決済して確定した損益が申告の対象です。ただし、未決済分の扱いなど細かい点は取引会社や商品によって異なる場合があるため、各社が発行する年間取引報告書に記載された金額をもとに申告するのが確実です。スワップポイントの扱いも取引会社によって異なるため、迷ったときは報告書の数字を優先してください。

Q. 複数のFX会社で取引しています。まとめて申告できますか?

はい、すべての会社の損益を合算して申告します。A社で利益、B社で損失という場合も相殺できるため、必ず全社分の年間取引報告書を取り寄せて集計しましょう。

Q. 損失しか出ていない年も申告したほうがいいですか?

申告の義務はありませんが、申告しておくことを強くおすすめします。損失を申告しておけば翌年以後3年間繰り越すことができ、将来利益が出たときの税負担を抑えられるからです。繰越を続けるには翌年以降も連続して申告が必要な点も、あわせて覚えておきましょう。

FX・先物申告で押さえる2つのポイント

国内のFX・先物取引の税金は、利益の大きさにかかわらず一律20.315%の申告分離課税で、損失は3年間繰り越せるという、シンプルながら独特なルールで成り立っています。特に損失の繰越は、申告して初めて使える制度です。「損した年こそ申告する」を合言葉に覚えておきましょう。一方で、海外FXの扱いや経費の按分など、判断に迷いやすいポイントも少なくありません。税制は改正されることもあるため、最新情報は国税庁サイト等で確認しつつ、不安な部分は専門家に相談しながら進めると安心です。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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