収支内訳書の書き方|白色申告で必要な書類の記入手順をやさしく解説
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確定申告

収支内訳書は、白色申告で売上から経費を差し引く過程を示す決算書類です。表面・裏面の記入手順を順番にたどり、専従者控除や減価償却費の書き方、青色申告との違いまで、初めての方にも記入例に沿ってわかりやすく説明します。
「白色申告だから確定申告書だけ出せばいい」と思っていたら、収支内訳書という書類も必要だと知って慌てた——そんな経験はありませんか。収支内訳書は、白色申告の方にとって決算書にあたる大切な書類ですが、初めてだと記入欄の多さに戸惑ってしまうものです。役割と手順を押さえれば、構成自体はシンプルな書類です。
☑ 白色申告に必要と聞いた「収支内訳書」が、どんな書類なのかわからない
☑ 領収書はためてあるものの、どう集計して記入すればよいか迷っている
☑ そもそも白色申告のままでよいのか、青色申告にすべきか悩んでいる
収支内訳書とは?白色申告に欠かせない書類
1年間の「もうけ」を計算する過程を示す書類
収支内訳書は、1年間の売上から経費を差し引いて所得(もうけ)を計算する過程を示す書類で、白色申告の方が確定申告書に添付して提出します。青色申告における「青色申告決算書」にあたるものと考えるとわかりやすいでしょう。一般用のほかに不動産所得用・農業所得用の様式があり、多くの個人事業主・フリーランスの方は一般用を使用します。農業を営む方の申告と収支内訳書の書き方は、畜産農家の確定申告で具体的に解説しています。
提出が必要なのはどんな人?
事業所得がある白色申告の個人事業主・フリーランス
不動産所得や山林所得がある白色申告の方
白色申告とは、青色申告の承認を受けていない方の申告方法のことです。開業時に特に手続きをしていなければ、自動的に白色申告となります。なお、副業収入を雑所得として申告する場合は、原則として収支内訳書の提出は不要ですが、収入規模によっては添付が求められるケースもあります。
用紙は表裏の2ページ構成
収支内訳書は2ページ構成です。1ページ目(表面)には売上や経費の合計と所得金額を、2ページ目(裏面)には売上先・仕入先の内訳や減価償却費の計算などを記入します。実際に作成するときは、裏面の明細を先に整理してから表面をまとめると、数字を合わせやすくなります。
記入を始める前の準備
売上と経費を1年分集計する
まずは、1月1日から12月31日までの売上と経費を集計します。請求書や領収書、通帳の入出金記録をもとに、月ごと・科目ごとに整理していきましょう。売上は入金日ではなく、商品やサービスを提供した日を基準に計上するのが原則です。年末の売上で入金が翌年になるものも、その年分に含める点に注意してください。1年分の集計から収支内訳書・申告書の作成まで手が回らない方は、収支内訳書まで仕上げる確定申告代行を利用する方法もあります。
白色申告にも記帳・保存の義務があります
「白色申告なら帳簿はいらない」と思われがちですが、白色申告の方にも、収入や経費を記録した帳簿の作成と保存が義務付けられています(国税庁タックスアンサーNo.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」国税庁)。簡易な方法での記帳が認められているとはいえ、日々の記録を怠ると、申告期に1年分をまとめて集計することになり大きな負担です。領収書などの書類も、決められた期間きちんと保存しておきましょう。
1ページ目(表面)の書き方
基本情報と収入金額の欄
表面の上部には住所・氏名・業種などの基本情報を記入し、続いて売上(収入)金額を記入します。商品を自家用に使った分である「家事消費」や、本業以外のその他の収入があれば、それぞれの欄に分けて記載します。源泉徴収されている報酬がある場合も、ここには源泉徴収前の総額を記入する点に注意しましょう。
経費の欄は科目ごとに記入
給料賃金、外注工賃
減価償却費、地代家賃、利子割引料
租税公課、水道光熱費、旅費交通費、通信費、消耗品費 など
経費は、あらかじめ印字された科目ごとに1年分の合計額を記入します。当てはまる科目がない支出は、空欄に科目名を書き加えて構いません。自宅兼事務所の家賃のように事業と私生活の両方にかかわる支出は、事業で使用した割合分だけを経費にする「家事按分」という考え方で計上します。
専従者控除と所得金額
生計を一にする家族が事業を手伝っている場合、白色申告では一定の要件のもと「事業専従者控除」が受けられます(国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」国税庁)。控除額は配偶者で最大86万円、その他の親族は1人につき最大50万円です。収入から経費と専従者控除を差し引いた金額が所得金額となり、確定申告書に転記します。表面の集計が終わったら、電卓を入れ直して計算ミスがないかを必ず確認しましょう。家族が事業を手伝う場合の申告や役割の分担は、家族で一つの事業を営むときの確定申告も参考になります。
2ページ目(裏面)の書き方
売上先・仕入先の内訳
裏面には、主な売上先・仕入先の名称や所在地、年間の取引金額を記入する欄があります。取引先ごとの金額を集計し、金額の大きいものから記載します。請求書を取引先ごとにファイリングしておくと、この欄の記入がぐっと楽になります。
減価償却費の計算欄
パソコンや車両など一定額以上の資産は、購入した年に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて少しずつ経費化します。裏面の計算欄に資産の名称・取得年月・取得価額・耐用年数などを記入して、その年分の減価償却費を計算し、結果を表面の減価償却費の欄に転記します。
地代家賃などの内訳
事務所や店舗の家賃を支払っている場合は、貸主の名称・所在地と年間の支払額を記入します。借入金の利子なども同様に内訳を記載し、表面の対応する欄と金額が一致しているかを確認しましょう。
白色申告と青色申告、どちらを選ぶべき?
白色申告のメリットと限界
白色申告は事前の承認手続きが不要で、記帳も簡易な方法が認められているため、手軽に始められるのがメリットです。一方で、青色申告のような特別控除(最大65万円)や赤字の繰越しといった税制上の特典はありません。家族へ支払う給与についても、青色申告なら届出のうえで実際の支給額を経費にできるのに対し、白色申告は定額の専従者控除にとどまります。所得が増えてくるほど、この差は大きくなっていきます。夫婦がそれぞれ事業を営む場合の申告と経費配分は、夫婦ともに個人事業主の確定申告が参考になります。
青色申告に切り替えるには
青色申告に切り替えるには、原則としてその年の3月15日まで(年の途中で開業した場合は開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。記帳の手間は増えますが、節税メリットを考えると、事業が軌道に乗ってきた方は前向きに検討する価値があります。
よくある質問
Q. 収支内訳書を提出しないとどうなりますか?
事業所得などがある白色申告の方は、収支内訳書を確定申告書に添付して提出することとされています。添付せずに申告すると税務署から提出を求められることがあり、申告内容の確認にも時間がかかります。確定申告書とセットで必ず提出しましょう。
Q. 領収書をなくした支出は経費にできませんか?
領収書が基本ですが、紛失した場合でも、クレジットカードの明細や銀行の振込記録、出金伝票などで支払いの事実を示せれば、経費として認められる余地があります。ただし、日付・金額・支払先・内容をきちんと説明できることが前提です。日頃から領収書をためずに整理する仕組みをつくることが、一番の対策になります。
Q. 収支内訳書と青色申告決算書は何が違うのですか?
どちらも1年間の収支をまとめる決算書類ですが、収支内訳書は白色申告用の2ページ構成、青色申告決算書は4ページ構成で貸借対照表まで記載する点が異なります。青色申告決算書の方が作成の手間はかかりますが、その分、青色申告特別控除などの税制上のメリットが用意されています。
まとめ|収支内訳書は日々の記録があれば難しくない
収支内訳書は、裏面の明細を整理してから表面で集計するという流れを押さえれば、構成自体はシンプルな書類です。鍵になるのは、売上や経費を日頃からきちんと記録しておくこと。1年分をまとめて処理しようとすると、申告期限の間際に大きな負担となってしまいます。また、所得が増えてきた方にとっては、白色申告のままでよいのか、青色申告へ切り替えるべきかを考えるタイミングかもしれません。自分の状況に合った申告方法を選ぶことも、大切な節税の第一歩です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








