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節税効果を試算する方法|課税所得の下げ方...

2026/9/8

節税効果を試算する方法|課税所得の下げ方をやさしく解説

  • 税金

節税効果の試算は、経費や控除で課税所得をいくら下げられるかを出し、「自分の所得税率+住民税の約10%」をかけるだけで概算できます。税率の仕組みから、支出や控除でどれだけ税金が軽くなるかの見積もり方をやさしく整理します。

「節税になる」とよく聞きますが、実際に自分の場合いくら減るのかを試算できている方は意外と少ないものです。経費を1万円増やすといくら減るのか、控除を使うとどれだけ得か。これが分かれば、お金を使うべきか迷わず判断できるようになります。

☑ 節税対策をしようと思っても、結局いくら税金が減るのか分からない

☑ 経費や控除を増やすと、実際にどれくらい手元にお金が残るのか知りたい

☑ 自分で節税効果を計算する方法が分からず、なんとなくで判断している

「節税になる」とよく聞きますが、実際に自分の場合いくら税金が減るのかを試算できている方は意外と少ないものです。経費を1万円増やせばいくら税金が減るのか、控除を使うとどれだけ得なのか。これが分からないと、お金を使うべきか迷ったまま判断してしまいがちです。

課税所得という言葉の意味から、税率の仕組み、ざっくりとした概算の出し方、よくある勘違いまで、順を追って確認していきます。試算のもとになる課税所得を正しく出すには日々の記帳が欠かせないため、記帳が追いつかない場合は記帳代行に任せる方法もあります。

そもそも節税効果はどこで生まれるのか

税金は「課税所得」に税率をかけて決まる

節税効果を試算するには、まず所得税がどう計算されるかを知る必要があります。所得税は、売上そのものや利益そのものにかかるのではなく、課税所得という金額に税率をかけて計算されます(所得税の全体の仕組みは国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」が参考になります)。流れをざっくり示すと次のようになります。

  • 売上 − 必要経費 = 所得(事業所得)

  • 所得 − 各種所得控除 = 課税所得

  • 課税所得 × 税率 − 控除額 = 所得税

つまり、税金が減るポイントは大きく2つです。1つは「経費を増やして所得を下げる」こと、もう1つは「所得控除を増やして課税所得を下げる」ことです。どちらも最終的には課税所得を下げることにつながり、それが節税効果の正体です。

節税効果は「下げた金額 × 税率」で決まる

ここが試算のいちばん大事な考え方です。経費や控除を増やして課税所得を10万円下げたとしても、税金が10万円減るわけではありません。減る税金は、おおまかに「下げた金額 × 自分の税率」です。

たとえば自分の税率が15%の人が課税所得を10万円下げた場合、減る所得税はおよそ1万5千円です。さらに住民税(おおむね所得に対して約10%)も下がるため、合わせて約2万5千円ほど税金が軽くなる、というイメージになります。「課税所得を下げる=その金額がそのまま戻ってくる」ではない点を、まず押さえておきましょう。

自分の税率を知ることが試算の出発点

所得税は「超過累進課税」という仕組み

日本の所得税は、課税所得が大きいほど税率が高くなる超過累進課税という方式です(税率の段階は国税庁タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」で確認できます)。一律の税率ではなく、課税所得を金額の段階(ブラケット)に区切り、それぞれの段階ごとに異なる税率がかかります。段階はおおむね5%から始まり、所得が増えるにつれて10%、20%…と上がっていきます。

大切なのは、「課税所得が次の段階に少し入っただけで、全体に高い税率がかかるわけではない」という点です。たとえば税率20%の段階にわずかに入った人でも、20%がかかるのは段階を超えた部分だけで、それより下の部分は低い税率のままです。だから段階の境目を少し超えても、いきなり手取りが大きく減ることはありません。

節税効果を考えるときは「いちばん高い税率」を使う

試算で重要なのは、自分の課税所得に対して適用されているいちばん高い税率(限界税率)です。経費や控除を増やして課税所得を下げると、まずいちばん高い税率がかかっている部分から削られていくからです。

たとえば課税所得の一部に20%の税率がかかっている人なら、経費を1万円増やすと、その1万円分にかかっていた20%、つまり約2千円の所得税が減ります。これに住民税の約10%(約千円)を加えると、1万円の支出でおよそ3千円の税金が軽くなる計算です。「自分は今どの税率の段階にいるか」を把握することが、節税効果を見積もる第一歩になります。

節税効果をざっくり試算する手順

ステップで考えると簡単

難しく考えず、次の順番で計算すると概算が出せます。

  • ① 今の課税所得をおおまかに出す(所得 − 所得控除)

  • ② その課税所得に対する自分の税率(限界税率)を確認する

  • ③ 「下げたい金額 × (所得税率 + 住民税率約10%)」で減る税額を計算する

たとえば、新しい仕事道具を5万円で買おうか迷っているとします。自分の所得税率が10%なら、住民税の約10%と合わせて約20%。5万円 × 20% = 約1万円の税金が減る計算になります。つまり実質的な負担は約4万円、と考えることができます。これが「節税効果を試算する」ということの基本です。より詳しい試算をしたい場合は、節税額のシミュレーションツールが役立ちます。

控除を使った場合も同じ考え方で計算できる

経費だけでなく、所得控除を増やすときも計算方法は同じです。たとえばiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額が所得控除の対象になります。年間で24万円を拠出した場合、課税所得が24万円下がるので、税率20%(住民税込みで約30%)の人なら、24万円 × 30% = 約7万2千円の税金が軽くなる、とざっくり見積もれます。iDeCoの節税額の詳しい試算は、iDeCoの節税・所得控除の試算で確認できます。

小規模企業共済の掛金や、各種の保険料控除なども同様に「控除額 × 税率」で効果を概算できます。控除制度ごとに上限や条件は異なりますが、節税効果の見方そのものは共通している、と覚えておくと判断がしやすくなります。

個人事業主が課税所得を下げる主な方法

経費の計上もれを防ぐ

もっとも基本的でありながら、見落とされがちなのが経費の計上もれです。事業のために使ったお金は、レシートが残っているものはもちろん、自宅兼事務所の家賃や光熱費、通信費の一部なども、事業で使った割合に応じて経費にできる場合があります(家事按分)。こうした経費を漏れなく拾うだけで、課税所得は着実に下がります。

「金額が小さいから」と捨ててしまうレシートも、積み重なれば大きな差になります。日々こまめに記録しておくことが、結果として一年分の節税効果につながります。勘定科目を見直して経費を取りこぼさない工夫は、勘定科目の見直しで節税につなげる方法が参考になります。

青色申告特別控除と所得控除を活用する

個人事業主にとって大きな効果があるのが青色申告特別控除です。複式簿記で記帳し、要件を満たして電子申告などを行うと、最大65万円の控除が受けられます。これは経費を使わなくても課税所得を下げられる、いわば「使わない節税」です。仮に税率が住民税込みで30%の人なら、65万円 × 30% = 約19万5千円もの効果が見込めることになります。

このほか、基礎控除や社会保険料控除、扶養控除、医療費控除なども課税所得を下げる要素です。自分が使える控除を一通り確認し、適用もれがないかチェックすることも、立派な節税の試算と言えます。

試算でやりがちな勘違い

「経費を使えば使うほど得」ではない

節税を意識しすぎると、「経費を増やせば税金が減るのだから、どんどん使った方が得」と考えてしまうことがあります。しかし、これは誤解です。前述のとおり、減る税金は「支出 × 税率」にすぎません。10万円使っても戻ってくるのは税率ぶんだけで、残りの大半は実際に出ていったお金です。

本当に事業に必要な支出なら計上すべきですが、節税のためだけに不要なものを買うと、かえって手元のお金は減ってしまいます。試算をすると、この「使いすぎは損」という感覚がはっきり数字で見えてきます。

所得税と住民税・国保を分けて考える

もう1つの勘違いは、所得税だけで効果を見てしまうことです。課税所得が下がると、所得税だけでなく住民税も下がり、人によっては国民健康保険料にも影響します。つまり実際の節税効果は、所得税だけで計算したものより大きくなることが多いのです。試算するときは、住民税のおおよそ10%を必ず加えて考えると、より実態に近い数字になります。

よくある質問

Q. 自分の正確な税率はどうやって調べればよいですか

まず確定申告書や前年の控えで自分の課税所得を確認し、その金額がどの税率の段階に入っているかを所得税の速算表で照らし合わせるのが確実です。おおよそで構わなければ、課税所得が増えるほど税率も上がっていく、という大まかな目安で試算しても十分に役立ちます。正確な金額は、最終的には申告で確定します。

Q. 試算した節税額は、そのまま手元に増えるお金ですか

節税で減った税額は、その分だけ支払う税金が少なくなる、という意味です。経費を使って節税した場合は支出も発生しているので、手元に残るお金は「減った税額 − 実際の支出」で考える必要があります。一方、青色申告特別控除や所得控除のように支出を伴わない節税は、減った税額がそのまま家計のプラスになります。

Q. ざっくりした試算と、正確な計算はどちらを信じればよいですか

日々の判断には「下げた金額 × (所得税率 + 約10%)」というざっくり試算で十分です。これは支出するかどうかを決めるときの目安になります。一方、最終的に納める税額は、年間のすべての所得と控除を合計して確定申告で正確に計算されます。ざっくり試算は方向性の確認、正確な計算は申告の場、と役割を分けて考えると混乱しません。

節税効果は「下げた金額 × 税率」で考える

節税効果を試算する基本は、とてもシンプルです。経費や控除で課税所得をいくら下げられるかを出し、それに「自分の所得税率 + 住民税の約10%」をかける。これだけで、その支出や控除でおよそいくら税金が軽くなるかをイメージできます。自分の税率を知り、使える控除を確認し、経費の計上もれをなくすことが、無理のない節税につながります。試算ができるようになると、「節税のための無駄遣い」も避けられ、本当に意味のあるお金の使い方が見えてきます。

試算で「これは効きそう」と分かっても、課税所得を正しく出す日々の記帳や、青色申告特別控除の要件を満たす帳簿づくりが追いつかなければ、節税効果は取りこぼしてしまいます。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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