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再婚・連れ子がいる個人事業主の確定申告|...

2026/9/8

再婚・連れ子がいる個人事業主の確定申告|扶養と控除の数え方を解説

  • 確定申告

再婚・連れ子のいる個人事業主の確定申告は、「12月31日時点の家族構成」を起点に、配偶者控除・配偶者特別控除と、連れ子や子どもの扶養控除を一つずつ当てはめるのが基本です。連れ子は養子縁組がなくても対象になり得ます。

再婚して新しい家族を迎えた個人事業主の方にとって、確定申告での扶養や控除の数え方は意外とつまずきやすいポイントです。連れ子、養子、前の結婚で生まれた子どもなど、家族の形が複雑になるほど「この子は誰の扶養に入れるのが正しいのか」と迷ってしまうのではないでしょうか。

☑ 再婚した配偶者の連れ子を、確定申告で扶養に入れられるのかわからない

☑ 配偶者控除や扶養控除を、家族の誰の分まで数えてよいのか自信がない

☑ 元配偶者に養育費を払っている子どもを、自分の扶養にできるのか迷っている

ここでは、再婚・連れ子のいるステップファミリーの個人事業主に向けて、配偶者控除や扶養控除の基本的な考え方と、間違えやすいポイントを整理します。自分の家族構成に当てはめて、どの控除をどう数えればよいかの見通しが立つようになります。

再婚で家族が変わると確定申告はどう変わる?

控除は「12月31日時点の家族構成」で判定する

確定申告で配偶者控除や扶養控除を受けられるかどうかは、その年の12月31日(年末)時点の状況で判定するのが原則です。たとえば年の途中で再婚した場合、その年の12月31日に婚姻関係があれば、配偶者控除や配偶者特別控除の対象になり得ます。逆に、年末より前に離婚していれば、その年は配偶者控除の対象外です。

「いつ再婚したか」よりも「年末にどういう家族構成だったか」で決まる、という点をまず押さえておきましょう。年の前半に再婚しても後半に再婚しても、年末に夫婦であれば判定上の扱いは同じです。

連れ子は「再婚した時点」で親族関係ができる

再婚相手に連れ子がいる場合、その子は法律上、自分にとって配偶者の子(姻族)という関係になります。養子縁組をしていなくても、生計を一にしていれば扶養控除の対象として検討できます。家族が増えることで使える控除が増える可能性があるため、再婚後の最初の確定申告では、扶養に入れられる人がいないかをあらためて確認することが大切です。

事業の届出や氏名変更も忘れずに

再婚にともなって氏(姓)が変わった場合は、確定申告書の氏名だけでなく、屋号付きの口座や取引先への連絡、各種届出の名義も整理しておくと安心です。確定申告そのものとは別の手続きですが、放置すると入金や請求のトラブルにつながることがあります。事業を営む方は、家庭の変化が事業まわりに波及していないかをセットで見直しておきましょう。

配偶者控除・配偶者特別控除の数え方

再婚した配偶者も控除の対象になる

再婚した配偶者も、要件を満たせば配偶者控除または配偶者特別控除の対象になります。ポイントは、配偶者の年間の合計所得金額と、申告する本人(個人事業主側)の合計所得金額です。配偶者の所得が一定額以下であれば配偶者控除、それを少し超える範囲であれば配偶者特別控除、という形で段階的に判定します。配偶者控除の所得要件は、国税庁タックスアンサーNo.1191「配偶者控除」で確認できます。

注意したいのは、本人の所得が高すぎると控除を受けられなくなるという点です。個人事業主の場合、事業が好調な年は所得が大きくなり、配偶者控除の対象から外れることもあります。年ごとに所得が変動しやすい方は、その年の所得見込みを踏まえて判定する必要があります。

「青色事業専従者」になると配偶者控除は使えない

再婚した配偶者が、自分の事業を手伝ってくれるケースもあるでしょう。配偶者に給与(青色事業専従者給与)を支払い、それを経費に計上している場合、その配偶者については配偶者控除や配偶者特別控除を重ねて受けることはできません。専従者給与で経費にするか、配偶者控除で所得控除を受けるかは、どちらか一方を選ぶ関係にあります。

  • 配偶者を専従者として給与を払う → 給与を経費にできるが、配偶者控除は使えない

  • 配偶者を専従者にしない → 要件を満たせば配偶者控除・配偶者特別控除を使える

どちらが有利かは、配偶者に払う給与の額や事業の所得によって変わります。配偶者の専従者給与や控除の整理を含めて申告を任せたいときは、確定申告の代行を利用する手もあります。再婚を機に配偶者が事業を手伝い始める場合は、扱いを最初に決めておくと、記帳も申告もすっきりします。

事実婚・内縁の場合は扱いが異なる

配偶者控除や配偶者特別控除は、原則として法律上の婚姻関係がある配偶者が対象です。婚姻届を出していない事実婚・内縁のパートナーは、これらの控除の対象にはなりません。再婚を考えている方は、控除の観点でも婚姻届の有無が結果を左右する点を知っておくとよいでしょう。

連れ子・養子の扶養控除はこう考える

連れ子は養子縁組をしていなくても対象になり得る

扶養控除の対象になる「扶養親族」は、配偶者以外の親族で、生計を一にしていて、合計所得金額が一定額以下の人です。配偶者の連れ子は、養子縁組をしていなくても配偶者の子として親族に当たるため、生計を一にしていれば扶養控除の対象として検討できます。同居して一緒に生活費をまかなっていれば、「生計を一にする」要件は満たしやすいといえます。

一方で、養子縁組をすると、連れ子は法律上も自分の子(実子に準じる扱い)となります。扶養控除の判定そのものは縁組の有無で大きく変わらない場面が多いものの、相続など将来の手続きには影響します。控除のためだけに急いで決める必要はありませんが、家族全体の方針として一度考えておくとよいでしょう。

扶養控除は子どもの年齢で金額が変わる

扶養控除は、扶養親族の年齢によって控除額が変わります。一般的に、16歳以上の扶養親族が控除の対象となり、特定の年齢層(高校・大学にあたる年代)はより大きな控除額が設定されています。15歳以下の子どもは、所得税の扶養控除の対象にはなりませんが、確定申告書の第二表にある「16歳未満の扶養親族」欄への記載は必要です。これは住民税の計算などに使われるため、控除が0円だからといって書かなくてよいわけではありません。子どもの成長に合わせた扶養の組み替えは、子どもの成人と扶養の組み替えで扱っています。

  • 15歳以下:所得税の扶養控除は対象外。ただし第二表の16歳未満欄に記載する

  • 16歳以上:扶養控除の対象。年代によって控除額が異なる

連れ子の年齢を確認し、控除の対象になる子・ならない子を整理しておくと、記入漏れや二重計上を防げます。

子どものアルバイト収入にも注意

連れ子が高校生・大学生でアルバイトをしている場合、その子の年間の所得が一定額を超えると、扶養控除の対象から外れてしまいます。給与収入には給与所得控除があるため、収入そのものではなく所得で判定する点に注意が必要です。年末が近づいたら、扶養に入れている子どものアルバイト収入が想定より増えていないかを確認しておくと安心です。

「誰の扶養に入れるか」で迷ったときの考え方

同じ子どもを夫婦の両方で扶養にはできない

再婚後の家庭では、夫婦どちらの収入も子どもの生活を支えていることがほとんどです。しかし、同一の子どもを夫と妻の両方の扶養控除に重ねて入れることはできません。どちらか一方の扶養親族として申告します。一般的には、所得が高く税率の高い側の扶養に入れた方が、世帯全体で見た節税効果は大きくなる傾向があります。夫婦どちらの扶養に入れるかで税負担が変わる点は、扶養控除の付け替えで節税するで解説しています。

個人事業主と会社員の夫婦であれば、その年の所得を比べてどちらの扶養にするかを決めると、世帯としての手取りを大きくしやすくなります。年によって事業所得が変動する場合は、毎年見直す前提で考えておくとよいでしょう。

元配偶者と子どもの扶養が重ならないようにする

離婚後、元配偶者が引き取った子どもに養育費を払っているケースもあります。養育費の支払いを通じて「生計を一にしている」と認められれば、その子を自分の扶養控除の対象にできる場合があります。ただし、ここでも同じ子どもを元配偶者と自分の双方で扶養にすることはできません。どちらが扶養に入れるかを、元配偶者と事前に確認しておくことがトラブル防止につながります。

養育費を一括で支払っている場合や、支払いが一時的に途絶えている場合などは、扶養の判定が難しくなることがあります。判断に迷うときは、申告前に税務署や専門家へ相談すると安心です。

ひとり親控除・寡婦控除との関係も確認する

離婚や死別を経て、その後再婚するまでの期間は、要件を満たせばひとり親控除や寡婦控除の対象になることがあります。ただし、これらの控除は年末時点で婚姻していないことなどが要件に含まれるため、年末に再婚していればその年は対象外になるのが一般的です。ひとり親控除・寡婦控除の要件は、死別・離婚とひとり親控除・寡婦控除でくわしく紹介しています。再婚した年は、ひとり親控除などの前提が変わっていないかをあわせて確認しましょう。

よくある質問

Q. 養子縁組をしていない連れ子も、本当に扶養控除に入れられますか?

はい、配偶者の連れ子は養子縁組をしていなくても、生計を一にしていて所得などの要件を満たせば扶養控除の対象として検討できます。これは、再婚によって配偶者の子という親族関係ができるためです。ただし、子どもの年齢や所得によって対象になるかどうかが変わるため、一人ひとりの状況を確認することが大切です。

Q. 年の途中で再婚しました。その年から配偶者控除を受けられますか?

配偶者控除などは、その年の12月31日時点で婚姻関係があるかどうかで判定します。年の途中の再婚でも、年末に夫婦であり、所得などの要件を満たしていれば、その年の申告から配偶者控除または配偶者特別控除を受けられる可能性があります。再婚した年の確定申告では、控除の数え方を一度見直しておくとよいでしょう。

Q. 子どもを夫と妻のどちらの扶養に入れるべきですか?

同じ子どもを両方の扶養に入れることはできないため、どちらか一方を選びます。一般的には、所得が高く税率の高い側の扶養に入れた方が、世帯全体での節税につながりやすい傾向があります。個人事業主は年によって所得が変わりやすいので、毎年その年の所得を見て判断するのがおすすめです。

まとめ|家族構成を整理してから控除を数える

再婚・連れ子のいる個人事業主の確定申告では、「12月31日時点の家族構成」を起点に、配偶者控除・配偶者特別控除と、連れ子や子どもの扶養控除を一つずつ当てはめていくことが基本です。連れ子は養子縁組がなくても対象になり得ること、同じ子どもを複数人で重ねて扶養にできないこと、子どもの年齢や所得で扱いが変わることを押さえておけば、数え方で大きく迷うことは減ります。

とはいえ、再婚後の家族構成は人それぞれで、元配偶者との関係や養育費、配偶者が事業を手伝うかどうかなど、考えるべき要素が重なります。日々の事業をこなしながら、控除の組み合わせまで一人で詰めていくのは大きな負担になりがちです。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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