パーソナルトレーナーの確定申告|レンタルジム代・セッション料の経費処理を解説
#
確定申告

パーソナルトレーナーの確定申告は、レンタルジム代やジムへの手数料など事業に直接かかった費用を経費にできます。判断に迷いやすい自分のトレーニング代やウェア代の線引きまで、勘定科目とあわせて整理します。
フリーランスのパーソナルトレーナーとして独立すると、レッスンの予約管理やお客様対応に追われ、確定申告のことは後回しになりがちです。なかでも「ジム代は経費になるのか」「自分のトレーニング費用はどう扱うのか」といった、この職業ならではの疑問に答えてくれる情報は意外と見つかりません。
☑ レンタルジムの利用料やマシン使用料を、経費にできるのか自信が持てない
☑ 自分のトレーニング代やサプリメント代まで経費に入れてよいのか迷っている
☑ ジム側に歩合で支払うセッション料や手数料の処理がよくわからない
パーソナルトレーナーが確定申告で押さえておきたい経費の考え方を、レンタルジム代やセッション料といった具体的な支出に沿ってまとめました。どの支出をどの勘定科目で処理すればよいか、全体像がつかめるように順に見ていきます。
パーソナルトレーナーの確定申告の基本
確定申告が必要になるケース
フリーランスや業務委託として活動するパーソナルトレーナーの方は、1年間(1月1日〜12月31日)の事業による所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります。所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額のことです。会社員として勤めながら副業でセッションを行っている場合でも、副業の所得が一定額を超えると申告が必要になります。給与をもらいながら副業所得がある人の申告の要否は、国税庁タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(国税庁)で確認できます。
確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。この時期に慌てないためにも、日ごろから売上と経費を記録しておくことが大切です。
「雇用」か「業務委託」かで変わる扱い
同じパーソナルトレーナーでも、ジムに雇用されている場合と、業務委託で契約している場合では税務上の扱いが大きく異なります。雇用されていて給与をもらっている場合は、その分は給与所得となり、原則として年末調整で完結します。一方、業務委託で報酬を受け取っている場合は事業所得(または雑所得)となり、自分で経費を計上して確定申告を行うことになります。
働き方によっては、ジムからの給与と、個人で受けたセッションの事業収入が両方あるという方もいます。その場合は、給与所得と事業所得を合わせて申告する必要があります。自分の契約形態がどちらなのか、契約書や支払いの明細で確認しておきましょう。
青色申告と白色申告
事業所得がある方は、青色申告と白色申告のいずれかを選べます。青色申告は事前に届出が必要で、複式簿記による帳簿づけなどの条件を満たすと、青色申告特別控除65万円(要件により55万円・10万円)を受けられます。帳簿づけの手間は増えますが、節税効果が大きいため、本格的に活動するなら青色申告を検討する価値があります。
レンタルジム代・場所代の経費処理
レンタルジム・マシン使用料は経費になる
お客様のセッションを行うために借りるレンタルジムの利用料や、時間貸しのマシン使用料は、事業のために直接かかった費用ですから経費にできます。勘定科目としては「地代家賃」や「賃借料」で処理するのが一般的です。継続的にスペースを借りている場合は地代家賃、スポット利用なら賃借料というように、実態に合わせて科目を選びましょう。事業に必要な経費の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサー「No.2210 必要経費の知識」(国税庁)でも確認できます。
大切なのは、その支出がお客様への指導という事業のためであることが説明できるかどうかです。利用日時とお客様のセッションが対応していれば、経費としての根拠が明確になります。
歩合制でジムに支払う手数料
ジムの設備を使わせてもらう代わりに、売上の一部を歩合(マージン)としてジムに支払う契約形態もあります。この場合、ジムへ支払う手数料も事業に必要な費用ですから経費になります。「支払手数料」や「販売手数料」といった科目で処理します。
注意したいのは、お客様から受け取った金額の全額が自分の売上になるのか、ジムの取り分を引いた残りだけが自分の売上になるのかという点です。契約によって扱いが変わるため、明細をよく確認し、売上と手数料を正しく分けて記帳しましょう。
自宅やレンタルスペースで指導する場合
自宅の一室をトレーニングスペースとして使っている場合は、家賃や光熱費のうち事業に使っている割合分を「家事按分」して経費にできます。たとえば自宅の床面積のうちトレーニングに使う割合で按分する、といった合理的な基準で計算します。割合の決め方に迷うときは家事按分の割合の決め方が具体的な目安になります。レンタルスペースやスタジオを借りる場合の利用料も、同様に経費の対象です。
セッションに関わる費用と備品の扱い
トレーニング器具・備品の購入費
指導に使うダンベル、バランスボール、トレーニングチューブ、マットなどの器具は、事業に必要な備品として経費にできます。1点あたりの金額が比較的小さいものは「消耗品費」として、その年の経費にまとめて計上できます。
ダンベル・ケトルベルなどのウェイト類
ヨガマット・ストレッチマット
トレーニングチューブ・バランスボール
メジャー・体組成計などの測定機器
一方で、1点あたりの金額が高額な器具は、購入した年に全額を経費にするのではなく、「減価償却」として数年に分けて費用にするのが原則です。金額の目安によって扱いが変わるため、高額な器具を買ったときは処理方法を確認しましょう。仕訳や科目の判断ごと預けたい場合は、確定申告代行の内容を知っておくと申告期の負担を見通せます。
ウェア・シューズは経費にできる?
指導時に着用するトレーニングウェアやシューズは、事業に使っていれば経費にできます。ただし、普段着としても使えるものは、税務上プライベートとの線引きがあいまいになりやすい支出です。あくまで仕事で使うものに限り、私用と兼ねるものは事業使用分を合理的に按分するなど、説明できる範囲で計上するのが安心です。仕事着や作業着の経費化の考え方はスーツ・作業着など被服費の経費で整理しています。
資格取得・セミナー・研修費
トレーナーとしての専門性を高めるための資格取得費用や、セミナー・研修の参加費は、事業に関連するものであれば経費になります。「研修費」や「諸会費」などで処理します。最新の指導法を学ぶための書籍代も、「新聞図書費」として経費に計上できます。技術の向上は事業の根幹に関わるため、関連性を説明しやすい支出です。
判断に迷いやすい支出の考え方
自分のトレーニング代・ジム会員費
多くのトレーナーが迷うのが、自分自身のトレーニングにかかる費用です。トレーナー自身が体を鍛えることは仕事の一部とも言えますが、自分の健康や趣味のための支出という側面もあり、プライベートとの区別がつきにくい費用です。事業との関連を明確に説明できない部分まで経費にすると、後から指摘を受けるおそれがあります。判断に迷う場合は、事業との結びつきが説明できる範囲にとどめるか、専門家に相談すると安心です。健康・スポーツ関連の支出をどこまで経費にできるかはジム・スポーツ・健康にかかる費用の経費でも掘り下げています。
プロテイン・サプリメント代
自分が飲むためのプロテインやサプリメントは、基本的には自分の体づくりのための支出であり、プライベート性が高いと考えられます。一方、お客様に試してもらうためのサンプルや、物販として仕入れて販売する商品であれば、事業のための支出として扱える場合があります。誰のための、どんな目的の支出なのかを区別して考えることが大切です。
移動・通信・広告の費用
交通費:出張パーソナルやお客様宅への訪問にかかる電車代・ガソリン代は経費になります(「旅費交通費」)。
通信費:予約管理やお客様との連絡に使うスマホ・インターネット代は、事業使用分を按分して計上します。
広告宣伝費:SNS広告やホームページの作成・運営費、チラシ代などは集客のための経費です。
これらは日常の支出と混ざりやすいため、事業用とプライベート用を分けて記録しておくと、申告時の按分計算がぐっと楽になります。
帳簿づけと申告をスムーズにするコツ
事業用の口座とカードを分ける
売上の入金や経費の支払いを、プライベートと同じ口座で行っていると、後から仕分けるのに大変な手間がかかります。事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意しておくと、お金の流れが明確になり、記帳の負担が大きく減ります。これから本格的に活動する方は、早めに分けておくことをおすすめします。
領収書・明細はこまめに保管する
レンタルジムの利用明細、器具の購入レシート、セミナーの領収書などは、経費の根拠となる大切な書類です。受け取ったらその場でまとめておき、月ごとに整理する習慣をつけましょう。クレジットカードやキャッシュレス決済の利用明細も、支払いの記録として役立ちます。後で「これは何の支出だったか」と思い出せるよう、用途をメモしておくとさらに安心です。
売上の計上もれを防ぐ
現金で受け取ったセッション料や、年末に受けて翌年に入金される報酬など、売上は計上もれが起こりやすいポイントです。経費ばかりに気を取られて売上の記録があいまいになると、正しい所得が計算できません。予約管理アプリや帳簿で、いつ・誰から・いくら受け取ったかを記録し、入金と突き合わせて確認しましょう。
よくある質問
Q. ジムに業務委託で所属していますが、確定申告は必要ですか?
業務委託として報酬を受け取っている場合は、給与ではなく事業所得(または雑所得)になりますので、所得が一定額を超えれば自分で確定申告を行う必要があります。ジム側で年末調整はされませんので、1年分の売上と経費を集計して申告しましょう。報酬から源泉徴収されている場合は、申告によって納めすぎた税金が還付されることもあります。
Q. レンタルジム代の領収書がなく、利用明細しか残っていません。経費にできますか?
経費にするには、その支出があったことを示す記録が必要です。正式な領収書がなくても、利用明細やクレジットカードの決済記録、振込の控えなどで支払いの事実を確認できれば、経費として処理できる場合があります。日付・金額・支払先がわかる書類はできる限り保管しておきましょう。
Q. 自分のジム会員費は経費にしてもよいですか?
自分自身のトレーニングのための会員費は、事業との関連を明確に説明できないと、プライベートの支出とみなされやすい費用です。お客様への指導のために特定の設備を下見・検証する目的など、事業との結びつきが説明できる範囲にとどめるのが無難です。判断に迷う場合は、一律に経費とせず、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ|経費の線引きを押さえれば申告は怖くない
パーソナルトレーナーの確定申告では、レンタルジム代やジムへの手数料、トレーニング器具や研修費など、事業のために直接かかった費用は経費にできます。一方で、自分のトレーニング代やサプリメント代のように、プライベートとの区別がつきにくい支出は、事業との関連が説明できる範囲にとどめることが大切です。事業用の口座を分け、領収書をこまめに保管しておけば、申告の作業はぐっと楽になります。
レッスンやお客様対応で忙しい毎日の中、日々の記帳から確定申告書類の作成までをすべて自分で行うのは、決して小さくない負担です。申告期限が近づいてから慌てるより、早めに専門家の力を借りるのも賢い選択肢のひとつです。領収書丸投げドットコムは、領収書・請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、記帳から確定申告書類の作成までを代行します。何枚でも定額 月額6,600円(税込)・税理士監修で、経費の線引きに悩む時間を本業に回せます。ジム代やセッション料の処理を任せて指導に集中する方法を相談する(相談は無料です)。日々の記帳から預けたい方は記帳代行のしくみもご覧ください。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








