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イラストレーター・デザイナーの確定申告|...

2026/7/19

イラストレーター・デザイナーの確定申告|源泉徴収と経費のポイントを解説

  • 確定申告

イラストレーター・デザイナーの確定申告では、売上を源泉徴収前の請求額で計上し、天引きされた税金を申告で精算するのが基本です。源泉徴収の仕組みと申告への反映、機材費やソフト代などクリエイター特有の経費のポイントを具体的に解説します。

クライアントから振り込まれた報酬を見て、「請求額より少ない…?」と首をかしげた経験はありませんか。イラストレーターやデザイナーの報酬は、多くの場合「源泉徴収」という形で税金が天引きされて支払われます。この仕組みを理解しないまま確定申告を迎えると、売上を少なく計上してしまったり、本来戻ってくるはずの税金を取り逃がしたりしてしまいます。

☑ 報酬から引かれている「源泉徴収」の意味がよくわからない

☑ 請求した金額と振り込まれた金額が違っていて、どちらを売上にすべきか迷う

☑ ソフト代や資料代など、クリエイターならではの経費の範囲を知りたい

源泉徴収の仕組みと申告での扱い方、経費にできる支出のポイントを、順を追って整理していきます。

イラストレーター・デザイナーと確定申告の基本

フリーランスは、収入から経費を引いた「所得」が基礎控除額(48万円)を超えると、原則として確定申告が必要です。継続的に制作を請け負っているなら事業所得として青色申告を検討する価値があり、1年分の売上と経費を集計して翌年に申告する、という流れが基本になります。

申告が必要になる基準

フリーランスとして活動している方は、収入から経費を引いた「所得」が基礎控除額(48万円)を超えると、原則として確定申告が必要です。会社員をしながら副業で制作を請け負っている方は、副業の所得が年間20万円を超えると申告が必要になります。ただし、源泉徴収されている方は、申告義務がなくても申告したほうが得になるケースが多くあります。詳しくは後述します。基礎控除の金額や考え方は、国税庁タックスアンサーNo.1199「基礎控除」で確認できます。

事業所得として青色申告を検討する

継続的に制作の仕事を受けているなら、事業所得として申告するのが一般的です。青色申告を選択すれば、最大65万円の青色申告特別控除、赤字の3年繰り越し、家族への給与の経費化(青色事業専従者給与)といったメリットがあります。複式簿記での記帳などの要件はありますが、フリーランスとして長く続けるなら検討する価値は十分にあります。

申告までの大まかな流れ

1年間(1月〜12月)の売上と経費を集計し、帳簿を作成して、翌年2月16日〜3月15日に確定申告書を提出するのが基本の流れです。請求書の控え、入金記録、経費の領収書を月ごとに整理しておくことが、スムーズな申告の土台になります。

源泉徴収の仕組みを理解する

企業がフリーランスに原稿料・デザイン料を支払うとき、支払側は所得税を天引きして国に納めます。これが源泉徴収です。税率は原則10.21%で、帳簿につける売上は「引かれる前」の請求額。天引きされた分は前払いした所得税として、確定申告で精算します。

報酬の約10%が「税金の前払い」として引かれている

企業がフリーランスのイラストレーターやデザイナーに原稿料・デザイン料を支払うとき、支払側は所得税を天引きして国に納める義務があります。これが源泉徴収です。税率は原則として報酬の10.21%(1回の支払が100万円を超える部分は20.42%)です。例えば10万円の請求に対して10,210円が引かれ、89,790円が振り込まれる、というのが典型的なパターンです。同じように公演やレッスンの報酬から源泉徴収される舞台俳優・ダンサーの源泉徴収と経費の扱いも、仕組みを比べて読むと理解が深まります。

売上は「引かれる前」の金額で計上する

ここが重要なポイントです。帳簿につける売上は、振込額ではなく源泉徴収される前の請求額(先の例なら10万円)です。源泉徴収された10,210円は「すでに前払いした所得税」として、確定申告で精算します。振込額をそのまま売上にしてしまうと、売上の過少計上になるうえ、前払いした税金の記録も漏れてしまいます。

源泉徴収された税金は申告で戻ってくることが多い

源泉徴収の10.21%は、いわば概算の前払いです。確定申告で経費や各種控除を反映して正しい税額を計算した結果、前払い分のほうが多ければ、差額が還付されます。経費や控除が多いフリーランスのクリエイターは、申告によって税金が戻ってくるケースが少なくありません。「申告義務がないから」と申告しないのは、もったいない場合があるのです。

源泉徴収を正しく申告に反映するコツ

確定申告書には1年間に源泉徴収された金額を記載する欄があります。請求書に源泉徴収額を明記し、入金時に「請求額・源泉徴収額・振込額」をセットで記録しておけば、年間の集計はスムーズです。支払調書が届かなくても、自分の記録があれば申告できます。

取引先ごとに源泉徴収額を集計する

確定申告書には、1年間に源泉徴収された金額を記載する欄があります。請求書に源泉徴収額を明記し、入金時に「請求額・源泉徴収額・振込額」をセットで記録しておけば、年間の集計は簡単です。取引先ごとの一覧表を作っておくと、申告時の転記もスムーズになります。この源泉徴収の集計や日々の記帳ごと預けたい場合は、領収書を送るだけで対応する確定申告代行を使う手もあります。

支払調書はもらえなくても申告できる

年明けに取引先から「支払調書」が届くことがあります。これは支払側が税務署に提出する書類の写しで、フリーランスへの交付は義務ではありません。支払調書が届かなくても、自分の請求書と入金記録から源泉徴収額を集計できていれば、問題なく申告できます。書類待ちで申告が遅れないよう、日々の記録を頼りにしましょう。

源泉徴収されない取引もある

個人のお客様から直接受けた依頼や、報酬の種類によっては源泉徴収されないこともあります。「引かれているはず」と思い込まず、入金額と請求額を毎回照合する習慣をつけると、記帳の間違いを防げます。

クリエイターの経費にできるもの

制作に直結する機材・ソフト・資料などは経費になります。10万円以上の機材は減価償却で複数年に分けて処理し、自宅兼仕事場の家賃・光熱費は事業割合に応じて家事按分します。何が必要経費になるかの基本は公的資料でも確認できます。

制作活動に直結する支出

イラスト・デザインの制作に使う支出は経費になります。代表的なものは次のとおりです。

  • パソコン・液晶タブレット・モニターなどの機材

  • デザインソフトやフォントのサブスクリプション利用料

  • 資料用の書籍・写真素材・画材

  • ポートフォリオサイトのサーバー代・ドメイン代

  • 展示会やイベントへの出展費・交通費

  • 打ち合わせのカフェ代・交通費

なお、10万円以上のパソコンや機材は、原則として数年に分けて経費化(減価償却)します。必要経費の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます。高額な機材を扱う仕事の経費処理は、機材費・資格取得費の経費処理の考え方も参考になります。

自宅兼仕事場の家賃・光熱費は按分する

自宅で制作している場合は、仕事に使っている割合に応じて家賃・電気代・通信費の一部を経費にできます(家事按分)。作業部屋の面積や作業時間をもとに「家賃の3割」のように合理的に決め、根拠を説明できるようにしておきましょう。

インプットのための支出は説明できるかがカギ

美術展のチケット、映画、デザイン性の高い雑貨など、「作風の研究のため」の支出は判断が分かれやすいところです。仕事との関連を具体的に説明できるか(制作した作品との結びつきがあるか)が目安になります。迷った支出も領収書は捨てずに残し、メモを添えておくと判断しやすくなります。なお、同人誌の頒布や委託販売など、依頼制作とは違う販売形態が加わる場合は、同人作家・即売会出展の頒布収入と経費の処理もあわせて押さえておくと、収入の計上漏れを防げます。

よくある質問

Q. 源泉徴収されているなら、確定申告はしなくてもいいのでは?

源泉徴収はあくまで概算の前払いで、申告義務の有無とは別の話です。所得が基準を超えていれば申告は必要ですし、義務がない場合でも、申告すれば前払いした税金が還付される可能性があります。経費や控除を反映できるのは確定申告だけなので、源泉徴収されている方こそ申告を前向きに考えましょう。

Q. 請求書に源泉徴収額を書いていませんでした。どうすればいいですか?

入金額と請求額の差額から源泉徴収額を逆算し、取引先ごとに記録すれば対応できます。今後は請求書に「報酬額・源泉徴収額・差引請求額」を明記しておくと、自分も取引先も処理が正確になります。請求書の控えと通帳の記録は必ずセットで保管しましょう。

Q. 仕事用とプライベート用のパソコンを兼用しています。経費にできますか?

兼用の場合は、仕事で使っている割合に応じて按分して経費にするのが基本です。使用時間や用途をもとに「7割は業務利用」のように合理的な割合を決めましょう。全額を経費にする場合は、業務専用であることを説明できる状態にしておくことが大切です。

源泉徴収を味方につけて、損のない申告を

イラストレーター・デザイナーの確定申告では、「売上は源泉徴収前の請求額で計上する」「源泉徴収額は1年分を集計して申告書に反映する」「制作に関わる支出はきちんと経費にする」という3点が柱になります。源泉徴収の仕組みを理解すれば、確定申告は「税金を取られる手続き」ではなく「前払いした税金を精算する手続き」だと見え方が変わるはずです。

そのためにも、請求書・入金記録・領収書を日々ためずに整理しておくことが欠かせません。納期前の追い込みで経理が後回しになりがちな方は、記録の仕組みづくりや外部への委託を早めに検討しておくと、申告期の負担が大きく変わります。

制作の手を止めずに申告を済ませたいクリエイターの方へ。領収書丸投げドットコムは、請求書や領収書を送っていただくだけで、源泉徴収の集計を含む記帳から確定申告書類の作成まで対応します。初期費用0円・契約の縛りなしなので、まずは制作に集中できる経理のかたちを無料で相談してみるところからどうぞ。相談は無料です。費用感を知りたい方は、料金プランと対応範囲もご覧ください。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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