ドローン空撮・操縦士の確定申告|機材費・資格取得費の経費処理を解説
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確定申告

ドローン空撮・操縦士の確定申告は、機材を取得価額に応じて一括経費か減価償却かで区分し、資格取得費やスクール代を事業との関連を示して経費にするのが要点です。趣味の飛行との按分まで、やさしく整理します。
本体だけで数十万円かかることもあるドローンは、「一括で経費にできるのか、数年に分けるのか」で最初につまずきがちです。さらに趣味の飛行と仕事の飛行が混ざりやすく、経費の線引きにも迷いが生まれます。まずは全体像をつかんでおきましょう。
☑ ドローン機材やバッテリーは経費にできるのか、それとも資産として扱うのかわからない
☑ 国家資格やスクール受講料を確定申告でどう処理すればよいか迷っている
☑ 空撮の仕事と趣味の飛行が混ざっていて、どこまで経費にしてよいか不安だ
ドローン空撮や操縦士として収入を得るようになると、まず悩むのが「高額な機材をどう経理処理すればよいのか」という点ではないでしょうか。本体だけで数十万円かかることもあり、一括で経費にできるのか、それとも数年に分けて計上するのか、判断に迷う方が少なくありません。
機材費や資格取得費の経費処理、所得区分の考え方、経費にできるもの・できないものの線引きを、順を追って確認していきます。撮影や編集に追われて申告まで手が回らないときは、確定申告を丸ごと任せる代行を利用する手もあります。
ドローン操縦士の収入はどの所得に区分されるか
事業として継続するなら原則「事業所得」
ドローン空撮や点検・測量などを継続的・反復的に行い、事業として取り組んでいる場合、その収入は原則として「事業所得」に区分されます。事業所得であれば、機材費などの必要経費を幅広く差し引けるうえ、青色申告を選べば青色申告特別控除(最大65万円)や赤字の繰越といったメリットも受けられます。
開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出しておくことで、こうした優遇を活用できます。空撮を本格的に事業にしていくなら、早めに手続きを済ませておくとよいでしょう。
副業・単発の場合は「雑所得」になることも
会社員として働きながら、たまに知人の依頼で空撮を請け負う程度であれば、その収入は「雑所得」に区分されることがあります。雑所得でも実際にかかった経費は差し引けますが、青色申告特別控除のような優遇は使えません。
事業所得と雑所得のどちらに当たるかは、収入の規模や継続性、事業として行っている実態などを総合的に見て判断されます。「いずれ本業にしたい」と考えているなら、活動の記録や帳簿をしっかり残しておくことが、事業所得として認められやすくする土台になります。
源泉徴収されている報酬の扱い
映像制作会社や広告代理店から報酬を受け取る場合、報酬から源泉徴収税額が差し引かれていることがあります。源泉徴収された金額は確定申告で精算され、納めすぎていれば還付されます。支払調書や請求書の控えをもとに、源泉徴収税額を漏れなく申告書に反映させましょう。
ドローン機材の経費処理|一括か減価償却か
取得価額10万円未満なら全額その年の経費に
ドローン本体や周辺機材は、1台あたりの取得価額(本体価格+付随費用)がいくらかによって経理処理が変わります。取得価額が10万円未満であれば、原則としてその年に全額を「消耗品費」などとして経費に計上できます。エントリーモデルのドローンや、予備バッテリー、プロペラガードなどはこのケースに当てはまることが多いでしょう。少額の資産や短期のリースの扱いは、少額・短期リース資産の経理が参考になります。
10万円以上は原則「減価償却」で数年に分けて計上
取得価額が10万円以上になると、原則として「工具器具備品」などの固定資産として計上し、減価償却によって数年に分けて経費にしていきます(減価償却の基本は国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」で確認できます)。ドローンの法定耐用年数は、用途や構造によって判断が分かれることがありますが、撮影用の機器として扱う場合は数年程度の耐用年数で償却するのが一般的です。判断に迷う場合は、税務署や専門家に確認すると安心です。
業務用の高性能ドローンは数十万円を超えることもあり、購入した年に全額を経費にできないと、思いがけず利益が大きく出て税負担が重くなることもあります。購入のタイミングと経費計上の見通しは、セットで考えておきたいところです。
30万円未満なら「少額減価償却資産の特例」も検討
青色申告をしている個人事業主であれば、取得価額30万円未満の資産について、一定の上限額まで購入年に全額を経費にできる少額減価償却資産の特例を利用できる場合があります。本来なら減価償却が必要な10万円以上30万円未満のドローンも、この特例を使えばその年に一括で経費化できる可能性があります。特例の年間上限や使い方は、少額減価償却資産の特例(30万円未満)の管理で確認できます。
10万円未満:原則として全額その年の経費(消耗品費など)
10万円以上30万円未満:減価償却が原則だが、青色申告なら特例で一括計上も検討可
30万円以上:原則として減価償却で数年に分けて計上
特例には年間の合計額の上限など適用条件があり、制度内容が見直されることもあります。利用する際は最新の要件を確認しておきましょう。
資格取得費・スクール受講料は経費になるか
国家資格や民間資格の取得費用の考え方
ドローンの操縦に関する国家資格(無人航空機操縦者技能証明)や、民間スクールの受講料・認定費用は、事業に直接必要な技能を身につけるための支出であれば、必要経費として認められる可能性があります。仕事の幅を広げたり、受注の条件を満たしたりするための資格取得は、事業との関連性を説明しやすい支出です。
一方で、これから事業を始める前の段階で「趣味の延長で取った」と見なされるような場合は、経費性が弱くなることもあります。すでに空撮の仕事を始めている、あるいは具体的に事業として動き出しているという実態があると、経費として説明しやすくなります。
研修・セミナー・技能維持の費用
新しい撮影技術を学ぶための研修や、安全運航に関するセミナー、操縦技能を維持・向上させるための講習費用なども、事業に必要なものであれば経費に計上できます。受講内容がわかる資料や領収書を残しておきましょう。
経費にするときの勘定科目と証拠書類
資格取得費やスクール代は、内容に応じて「研修費」「教育研修費」「支払手数料」などの科目で処理します。大切なのは、いつ・何のために・いくら支払ったかがわかる領収書や受講案内をきちんと保管しておくことです。後から税務署に説明を求められても、事業との関連を示せる状態にしておくことが、安心して経費計上するための基本になります。
空撮ならではの経費と按分の考え方
飛行に関わる費用
ドローン空撮の仕事には、機材以外にもさまざまな費用がかかります。事業に使った分は、それぞれ適切な科目で経費にできます。
賠償責任保険・機体保険などの保険料
撮影現場までの交通費・高速代・駐車場代
飛行許可・承認申請にかかる手数料や代行費用
SDカードや予備バッテリー、プロペラなどの消耗品費
映像編集ソフトのサブスク料金やパソコン関連費用
ドローンの飛行には保険の加入が実務上ほぼ欠かせず、保険料は重要な経費のひとつです。また、撮影データを納品するための編集環境にかかる費用も忘れずに計上しましょう。
仕事と私用が混ざる費用は「家事按分」で
自宅を事務所や編集作業の拠点にしている場合の家賃・電気代・通信費などは、事業に使っている割合に応じて経費にする家事按分が必要です。自家用車を撮影現場への移動に使っているなら、ガソリン代や車両費も、事業利用の割合分だけを経費にします。
按分の割合は、使用時間や使用面積など合理的な基準で決め、その根拠を説明できるようにしておきましょう。「なんとなく半分」ではなく、自分なりの計算根拠を持っておくことが大切です。割合の決め方の具体例は、家事按分の割合の決め方が参考になります。
趣味の飛行と事業の線引き
ドローンは趣味としても楽しめるため、プライベートの飛行と事業の飛行が混ざりやすい点に注意が必要です。趣味の飛行のためだけに使ったバッテリーや、私的な旅行を兼ねた撮影の費用などは、事業の経費にはできません。飛行日誌や撮影記録をつけ、どの飛行が仕事だったかを区別できるようにしておくと、経費の線引きがしやすくなります。
確定申告をスムーズに進めるための準備
日々の記帳と帳簿づけ
確定申告をスムーズに終わらせる一番の近道は、日頃から収入と経費を記帳しておくことです。空撮の報酬が入金されたとき、機材や消耗品を購入したときに、その都度帳簿に記録しておけば、申告期に慌てて1年分をまとめて処理する負担を減らせます。クラウド会計ソフトを使うと、銀行やカードの明細を取り込んで効率よく記帳できます。
領収書・請求書の保管
機材の購入明細、スクールの領収書、保険料の控え、撮影現場までの交通費の記録など、経費の証拠となる書類はすべて保管しておきます。電子で受け取った請求書や領収書は、電子帳簿保存法のルールに沿って保存する必要がある点にも注意しましょう。
申告期間と提出方法
確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。提出方法には、e-Taxによる電子申告、税務署への持参、郵送があります。青色申告で65万円の特別控除を受けるにはe-Taxでの申告などの要件があるため、控除を活用したい方はe-Taxの利用を検討するとよいでしょう。
よくある質問
Q. 仕事を始める前に買ったドローンも経費にできますか?
開業前に購入した機材でも、開業後に事業で使うものであれば、資産または開業費として計上し、経費にできる場合があります。どちらで処理するかは取得価額や状況によって変わります。購入時の領収書を残し、いつ・いくらで買ったかを明確にしておきましょう。判断に迷う場合は専門家に相談すると安心です。
Q. ドローンが1台10万円以上でも、その年に全部経費にする方法はありますか?
青色申告をしている場合、取得価額30万円未満であれば「少額減価償却資産の特例」を使い、その年に一括で経費計上できる可能性があります。年間の合計額に上限があるため、複数台をまとめて購入する年は特に、適用できる範囲を確認しておきましょう。30万円以上のものは原則として減価償却になります。
Q. 趣味でも飛ばすドローンは、どこまで経費にできますか?
事業に使った分だけが経費の対象です。趣味と仕事の両方で使う場合は、飛行日誌や撮影記録などをもとに事業利用の割合を見積もり、その分だけを経費にする「按分」を行います。明確な基準と記録があれば、税務署から説明を求められても対応しやすくなります。
機材費と資格費は「区分」と「証拠」がカギ
ドローン空撮・操縦士の確定申告では、機材を取得価額に応じて一括経費にするか減価償却するかを正しく区分すること、資格取得費やスクール代を事業との関連を示せる形で経費にすること、そして趣味と仕事の費用を按分で線引きすることが大きなポイントになります。いずれも、領収書や飛行記録といった証拠書類をきちんと残しておくことが土台です。
高額な機材の減価償却や家事按分の計算まで、撮影や現場の合間に完璧にこなすのは簡単ではありません。経理に追われて肝心の撮影業務がおろそかになっては本末転倒です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








