補助金は課税される?総額主義と所得区分をやさしく解説
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税金

補助金は原則として課税されます。多くは事業所得の総収入金額に含め、経費と相殺せず総額で計上するのがルール(総額主義)です。補助金が課税される理由、事業所得か一時所得かの見分け方、非課税になる例外までを、所得区分の早見表つきで整理します。
「補助金は返さなくていいお金だから税金もかからない」と思っていませんか。実際には、補助金の多くは所得として課税の対象になります。採択されて喜んだ翌年、思わぬ税負担に驚かないためにも、補助金がどのように課税されるのかを採択の段階で知っておくことが大切です。仕組みを理解すれば、資金繰りの計画も立てやすくなります。
☑ 補助金にも税金がかかるのか、そもそも知らなかった
☑ 経費で使い切れば課税されないと思っていた
☑ 事業所得と一時所得のどちらになるのか判断できない
以下では、補助金が課税される理由と「総額主義」の考え方、事業所得と一時所得の区分、非課税となる例外を順に整理します。読み進めれば、自分が受け取った補助金の税金の扱いを自分で判断できるようになります。
補助金は原則「課税」される
補助金は原則として所得税の課税対象です。個人事業主が事業に関連して受け取る補助金の多くは、事業所得の総収入金額(雑収入)に算入され、他の所得と合算して課税されます。「返済不要=非課税」ではない点をまず押さえましょう。
いつの年に課税されるか
補助金は、原則として交付すべき額が確定した年の収入になります。実際の入金が翌年でも、確定した年に計上するのが基本です。事業を始めた年に採択され、入金が翌年にずれ込むケースでは、どちらの年の所得になるかで税額が変わるため注意が必要です。
経費で使っても課税は消えない
「補助金を全部経費に使えば所得はゼロだから課税されない」と考えるのは誤りです。次に説明する総額主義により、補助金は収入として、対応する支出は経費として、それぞれ別に計上します。補助金で買ったものが減価償却資産なら、経費化はその年に全額ではなく複数年に分かれます。
総額主義とは?相殺しないのが原則
総額主義とは、収入と費用を相殺せず、それぞれ総額で計上する会計の原則です。補助金を受けても「補助金−支出=差額だけ計上」とはせず、補助金は雑収入、支出は経費や固定資産として分けて記録します。
総額主義だと課税が生じやすい理由
たとえば50万円の補助金で50万円の広告費を使った場合、雑収入50万円と広告費50万円が両建てで計上され、所得への影響はプラスマイナスゼロに近くなります。ところが50万円の補助金で50万円の機械(法定耐用年数5年)を買うと、収入は50万円まるごと計上される一方、経費になるのはその年は減価償却費の一部だけです。収入と経費のタイミングがずれるため、初年度に所得と税負担が生じやすくなります。
固定資産の場合は特例で緩和できる
この収入と経費のずれをやわらげるのが、国庫補助金等の総収入金額不算入(圧縮的な取扱い)です。要件を満たせば補助金相当額を収入に算入せず、その分だけ資産の取得価額を減らします(国税庁タックスアンサー「国庫補助金等を受け取ったとき」で確認できます)。詳しい計上時期は補助金・助成金を受け取ったときの税金|計上時期と処理もご覧ください。
事業所得か一時所得かを見分ける
補助金の所得区分は、事業に関連するかどうかで判断します。事業の遂行に関連して受ける補助金は事業所得の総収入金額に、事業とは関係なく臨時・偶発的に受けるものは一時所得になることがあります。区分により計算方法や控除が変わります。
所得区分の早見表
補助金の性質ごとに、所得区分と課税上のポイントを整理すると次のとおりです。
補助金の性質 | 所得区分 | ポイント |
|---|---|---|
事業の設備投資・販路開拓など事業に関連 | 事業所得(雑収入) | 総収入金額に算入し経費と対応 |
事業と無関係で臨時・偶発的な給付 | 一時所得 | 50万円の特別控除あり・課税は2分の1 |
固定資産の取得目的の国庫補助金 | 事業所得(特例あり) | 総収入金額不算入を選択できる |
法令で非課税と定められたもの | 非課税 | 個別の根拠規定を要確認 |
一時所得には50万円の特別控除があり、課税されるのは控除後の金額の2分の1です(国税庁タックスアンサー「一時所得」で確認できます)。ただし個人事業主が事業のために受ける補助金は、多くが事業所得になる点に注意しましょう。事業所得の課税の仕組みは補助金を使う年の資金計画と経理管理とあわせて把握しておくと安心です。
非課税・返還が絡むケースに注意
補助金の中には法令で非課税とされるものもありますが、根拠がある場合に限られます。また、補助金で収益が上がると一部の返還(収益納付)が求められることもあり、課税と返還の両面から確認が必要です。補助金の申告まで含めて任せたいときは、確定申告の丸投げ代行という選択肢もあります。
収益納付が生じるケース
補助事業で一定以上の収益が出た場合、補助金の一部を国に納める「収益納付」が求められることがあります。課税とは別の返還の仕組みなので、補助金で収益が出たときの収益納付|返還が必要になるケースと計算で確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 補助金にかかる税金はいくらくらいですか?
補助金額そのものに一定率がかかるのではなく、他の所得と合算した課税所得に所得税率を掛けて計算します。所得が多い年ほど税率も高くなり、具体的な税率は国税庁タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」で確認できます。補助金が上乗せされると税負担も増えるため、目安を知りたい場合は課税所得ベースで試算しましょう。
Q. 補助金をもらった分を貯金しておけば課税されませんか?
課税されます。使わずに手元に残しても、確定した年の収入として所得に含まれます。税金の支払いに備え、補助金の一部は納税資金として取り分けておくと安心です。
Q. 消費税でも補助金は収入になりますか?
補助金の受け取り自体は消費税の課税対象外(不課税売上)です。所得税と消費税で扱いが異なるため、混同しないようにしましょう。課税事業者は補助金で買ったものの仕入税額控除にも注意が必要です。
Q. 非課税と書かれた給付金でも申告は必要ですか?
法令で非課税とされる給付金は所得に含めませんが、非課税の根拠を確認することが前提です。不明なものは課税前提で記録しておき、確定申告前に確認するのが安全です。
まとめ:補助金は原則課税、総額で計上が基本
補助金は原則として課税対象で、事業に関連するものは事業所得の総収入金額に算入します。収入と支出を相殺しない総額主義がルールで、固定資産を買った場合は収入と経費のタイミングのずれから初年度に税負担が生じやすくなります。所得区分と特例を理解し、納税資金を計画的に確保しておくことが大切です。
補助金が課税されるかどうか、事業所得か一時所得かの判断は、日々の記帳が正確に整っていて初めて手堅く行えます。本業を抱えながら補助金の経理まで抜かりなく進めるのは、思った以上に手間のかかる作業です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








