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商標・特許など知的財産の取得に使える個人...

2026/7/18

商標・特許など知的財産の取得に使える個人事業主向け補助金を解説

  • 税金

商標や特許など知的財産の取得には、国・自治体・事業支援型の補助金を活用できる可能性があります。対象者や対象経費の確認方法、申請の実務ポイント、受け取った補助金の税金の扱いまで、個人事業主の目線で整理します。

商標や特許といった知的財産は、せっかく築いたブランドや独自の技術を守るための大切な仕組みです。とはいえ、出願にかかる費用や専門家への報酬を考えると、なかなか一歩を踏み出せないという個人事業主やフリーランスの方は多いのではないでしょうか。

☑ 屋号や商品名を商標登録したいけれど、出願費用や弁理士への報酬が負担に感じる

☑ 自分で開発した仕組みや製品を特許で守りたいが、まとまった費用を出す余裕がない

☑ 知的財産の取得に補助金が使えると聞いたが、個人事業主でも対象になるのかわからない

この後は、商標・特許などの知的財産の取得に活用できる補助金の考え方と、申請にあたって押さえておきたい実務のポイントを、個人事業主の目線で見ていきます。あわせて、補助金を受け取ったときの税金の扱いについても触れます。

知的財産にかかる費用と補助金の基本

知的財産の取得にはどんな費用がかかるのか

商標や特許の取得には、大きく分けて特許庁に納める出願・登録の費用と、弁理士などの専門家に支払う報酬の2種類の費用がかかります。商標であれば出願料や登録料、特許であれば出願料に加えて審査請求料などが必要になり、区分や請求項の数によって金額が変わります。

さらに、自分で書類を作るのが難しい場合は弁理士に依頼することが多く、その報酬も発生します。海外で権利を取得したい場合は、各国への出願費用や翻訳費用も加わるため、トータルでは決して小さくない金額になることがあります。こうした費用の一部を支援してくれるのが、各種の補助金です。

補助金と助成金は何が違うのか

知的財産の支援制度を調べていると「補助金」「助成金」という言葉が出てきます。明確な線引きがあるわけではありませんが、一般的には次のように理解しておくとよいでしょう。

  • 補助金…公募期間が決まっていて、申請内容を審査したうえで採択者が決まるものが多い

  • 助成金…一定の要件を満たせば比較的受け取りやすいものが多い

知的財産分野では、自治体や公的機関が募集する制度が「助成金」と呼ばれることもあります。名称にかかわらず、まずは「どんな費用が、どのくらいの割合で支援されるのか」という中身を確認することが大切です。

個人事業主でも対象になるのか

知的財産関連の支援制度の多くは、中小企業だけでなく個人事業主を対象に含めているものが少なくありません。とはいえ、制度ごとに「事業として知的財産を活用する見込みがあること」など細かな要件が定められているのが一般的です。屋号で事業を営んでいる方や、開業届を出して事業所得を申告している方であれば対象になりやすい傾向がありますが、最終的には各制度の募集要項で対象者の条件を必ず確認しましょう。

知的財産の取得に使える主な支援制度のタイプ

国・公的機関による知的財産関連の支援

国や公的機関は、中小企業や個人事業主が知的財産を取得・活用しやすくするための支援を継続的に行っています。代表的なものとして、特許庁や関連機関が窓口となり、出願にかかる費用の一部を軽減する仕組みや、海外への出願費用を支援する制度などがあります。中小企業向けの支援情報はJ-Net21(中小機構)のような公的な支援サイトで横断的に調べられます。あわせて、専門家に相談できる無料の窓口が各地域に設けられていることもあり、その活用法は補助金の専門家・相談窓口の活用にまとめています。

こうした制度は、年度ごとに内容や募集時期が見直されることが多いため、最新の情報は特許庁や中小企業向けの支援サイトで確認するのが確実です。

自治体による独自の支援制度

都道府県や市区町村が、地域の事業者向けに知的財産の取得費用を補助する制度を設けていることがあります。たとえば、商標や特許の出願料・登録料、弁理士への報酬の一部を補助するといった内容です。地域経済の活性化を目的としているため、その自治体内で事業を営んでいることが条件になっているケースが一般的です。

お住まいの地域や事業所のある自治体のホームページで「知的財産 補助」「特許 出願 助成」などのキーワードで検索すると、利用できそうな制度が見つかることがあります。

事業全体を後押しする補助金の中で使う方法

知的財産そのものを目的とした制度のほかに、設備投資や販路開拓など事業全体を支援する補助金の対象経費の一部として、専門家への相談費用や登録に関する費用が認められる場合もあります。ただし、対象経費の範囲は補助金ごとに細かく決められており、知的財産の費用が含まれるかどうかは制度によって異なります。事業計画の中に知的財産の活用を位置づけ、対象経費に該当するかを募集要項で確認することがポイントです。

補助金を申請するときの実務ポイント

まずは募集要項を読み込み、対象経費を確認する

補助金で最も大切なのは、募集要項(公募要領)を丁寧に読むことです。確認したいのは主に次の点です。

  • 対象となる事業者(個人事業主が含まれるか)

  • 対象となる経費の範囲(出願料・登録料・専門家報酬など、どこまで認められるか)

  • 補助される割合と上限額

  • 申請期間と、いつまでに費用を支払う必要があるか

同じ「知的財産の補助」でも、出願前の費用しか対象にならないものや、すでに登録した費用は対象外になるものなど、条件はさまざまです。申請のタイミングを誤ると対象外になることもあるため、費用を支払う前に確認しておくと安心です。

事業計画と知的財産のつながりを示す

審査を伴う補助金では、「なぜその知的財産が必要なのか」「取得することで事業にどう役立つのか」を説明する書類を求められることがあります。たとえば、商標を取得してブランドを守りたい、特許で独自技術を保護して競争力を高めたい、といった目的を、自分の事業計画と結びつけて具体的に書くことが大切です。専門用語を並べるよりも、自分の言葉で実情を伝える方が伝わりやすくなります。

領収書や契約書をきちんと保管する

多くの補助金は、費用を支払ったことを証明する領収書や請求書、振込の記録などの提出を求めます。後から「対象経費を証明できない」とならないよう、特許庁への納付の控えや弁理士からの請求書、支払いの記録は、申請が終わるまでしっかり保管しておきましょう。実績報告の段階で書類が足りないと、補助金を受け取れないこともあります。日ごろから書類を整理しておく習慣が、補助金の手続きでも役立ちます。

補助金を受け取ったときの税金の扱い

補助金は原則として収入になる

知的財産の取得に補助金を受け取った場合、その補助金は事業に関連する収入として扱われるのが原則です。「もらったお金だから税金はかからない」と考えてしまいがちですが、事業のために受け取った補助金は所得の計算に含めるのが基本です。受け取った金額をどの勘定科目で処理するかは内容によって異なるため、迷ったときは専門家に確認すると安心です。

対象になった費用の扱いにも注意する

補助金で支援を受けた費用そのものは、内容に応じて経費や資産として処理することになります。たとえば商標権や特許権は、取得にかかった費用が一定額以上になると、その年に一括で経費にするのではなく、複数年に分けて少しずつ費用にしていく「償却」の対象になる場合があります。減価償却の基本は国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」で確認でき、無形資産の資産計上と償却の考え方はソフトウェア・ホームページ制作費の資産計上と償却が参考になります。補助金収入と、対象費用の処理の両面を考える必要があるため、帳簿づけがやや複雑になりやすい点に注意しましょう。

記帳の段階で整理しておくと申告が楽になる

補助金が絡む取引は、入金と支出の時期がずれたり、年度をまたいだりすることがあります。受け取った補助金、支払った費用、それぞれの日付と金額を記帳の段階で正しく整理しておくと、確定申告の時期になって慌てずに済みます。確定申告書での補助金の書き方は補助金を受け取った年の確定申告の記載で確認できます。こうした整理を任せたい場合は、補助金がらみの記帳を代行してもらう方法もあります。補助金の入金通知や交付決定の書類も、関連資料としてまとめて保管しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. 個人事業主でも知的財産の補助金は申請できますか?

制度によりますが、個人事業主を対象に含めている支援制度は少なくありません。開業届を出して事業所得を申告している方であれば対象になりやすい傾向があります。ただし、地域や業種、事業との関連性などの要件が定められていることが多いため、申請を考えている制度の募集要項で対象者の条件を必ず確認してください。

Q. 補助金を申請すれば必ず受け取れますか?

審査を伴う補助金の場合、申請しても必ず採択されるとは限りません。予算や採択件数に限りがあり、事業計画の内容によって結果が分かれます。一方で、要件を満たせば比較的受け取りやすい助成型の制度もあります。確実な支援を保証するものではないと理解したうえで、自分の状況に合った制度を選ぶことが大切です。

Q. 補助金を受け取ったら確定申告は必要ですか?

事業のために受け取った補助金は、原則として所得の計算に含めます。そのため、もともと確定申告が必要な個人事業主の方は、補助金の分も含めて申告することになります。処理の仕方に迷う場合や、対象になった費用の扱いがわからない場合は、早めに専門家へ相談するとスムーズです。

まとめ|知財の補助金は「中身の確認」と「書類の整理」が鍵

商標や特許などの知的財産の取得には、国や自治体、事業全体を支援する補助金など、さまざまな支援制度を活用できる可能性があります。大切なのは、名称にとらわれず、対象者・対象経費・補助割合・申請時期といった中身を募集要項でしっかり確認することと、領収書や請求書などの書類を整理して保管しておくことです。あわせて、受け取った補助金は収入として扱うのが原則である点も押さえておきましょう。

ただ、本業が忙しい中で、補助金の申請に必要な書類を整えながら、日々の記帳から確定申告までを自分一人で行うのは、大きな負担になりがちです。補助金の入金と費用の処理が絡むと帳簿も複雑になり、数字が合っているか不安になることもあるでしょう。記帳代行の現場でも、補助金の入金と弁理士報酬の支払いが年度をまたいで処理に迷う、といったご相談は少なくありません。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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