ホーム

/

コラム一覧

/

損害賠償金・示談金を受け取ったときの確定...

2026/9/8

損害賠償金・示談金を受け取ったときの確定申告|課税・非課税の線引きを解説

  • 確定申告

損害賠償金や示談金は、ケガや精神的苦痛、こわれた物などの損害をうめ合わせるものは原則非課税、本来得られるはずだった事業の収入や報酬を補うものは課税対象になりやすい、という線引きが基本です。判断のカギは金額の名前ではなく「何に対するお金か」です。

事故やトラブルで損害賠償金・示談金を受け取ると、「収入として申告するのか」「あとで指摘されないか」と不安になりがちです。逆に、本来非課税のものまで申告して払わなくてよい税金を払う例もあります。課税・非課税の線引きと、事業に絡む場合の扱いを整理していきましょう。

☑ 交通事故やトラブルで損害賠償金・示談金を受け取ったが、確定申告が必要なのかわからない

☑ 受け取ったお金に税金がかかるのか、それとも非課税なのか線引きがあいまいだ

☑ 事業をしていると、その賠償金が事業の収入になるのか個人の話なのか整理できていない

損害賠償金・示談金は「原則非課税」が基本の考え方

心や身体への損害をうめ合わせるお金は課税されにくい

まず押さえておきたいのは、個人が受け取る損害賠償金や慰謝料は、原則として所得税の課税対象にならないという考え方です。所得税は「もうけ(利益)」に対してかかる税金ですが、損害賠償金の多くは、ケガや精神的な苦痛、こわれた物などの「マイナスをゼロに戻す」ためのお金だからです。失ったものを埋め合わせるだけで、新たにもうけが生まれたわけではない、という整理になります。所得税が何に対してかかるのかは、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で確認できます。

たとえば、交通事故でケガをして受け取った治療費相当の賠償金や、入院・通院にともなう慰謝料、精神的苦痛に対する慰謝料などは、基本的に非課税として扱われます。示談によって受け取る示談金も、その中身が損害のうめ合わせであれば、同じ考え方が当てはまります。

「何に対するお金か」で課税・非課税が分かれる

大切なのは、受け取った金額の名前ではなく、その賠償金・示談金が「何に対して支払われたものか」という中身です。同じ「示談金」という名前でも、損害をうめ合わせる性質なら非課税に近い扱いになり、本来得られるはずだった利益の代わりという性質なら課税対象になり得ます。

そのため、示談書や合意書には、金額の内訳や「どの損害に対する補償か」がわかるように記載しておくことが、後々の判断でとても重要になります。一括でまとめて受け取った場合でも、内訳が示されていれば、課税・非課税の判断がしやすくなります。

課税対象になりやすいケースに注意

事業の収入を補うお金は事業所得になりやすい

個人事業主やフリーランスの方が特に注意したいのが、本来の事業収入の代わりとして受け取る賠償金です。たとえば、店舗の設備が壊されて休業せざるを得なくなり、その「休業中に得られるはずだった売上」を補てんするために受け取った補償金は、事業の収入を肩代わりする性質を持ちます。このようなお金は、事業所得などとして課税対象になると考えられます。

同じように、取引先とのトラブルで、本来受け取るはずだった報酬の代わりに支払われた和解金なども、その実態が「もらえるはずだった売上・報酬」であれば、課税の対象になりやすい点に注意が必要です。

必要経費を補うお金や、すでに経費にしたものへの補てん

賠償金が事業の必要経費を補う形で支払われる場合も、扱いに注意が必要です。たとえば、こわれた事業用資産の修理費を相手から賠償してもらい、その修理費を経費として計上しているようなケースでは、補てん分との関係を整理する必要があります。受け取った賠償金と、それに対応する経費・損失をどう対応させるかによって、最終的な所得への影響が変わってきます。火災など事業用資産の損害に対して受け取る保険金の課税・非課税の考え方は火災保険金と課税・非課税で整理しています。

  • 休業や売上減少を補う補償金 … 事業の収入を補う性質で課税対象になりやすい

  • 事業用資産の損害に対する賠償金 … 損失や経費との対応関係を整理して扱う

  • ケガや慰謝料など個人的な損害への賠償金 … 原則として非課税の方向で考える

このように、同じトラブルから生じた賠償金でも、「個人としての損害」と「事業としての損害」が混ざっていることがあります。内訳を分けて考えることが、正しい申告への第一歩です。

遅延損害金など「利益」とみなされるもの

賠償金に上乗せされる遅延損害金(支払いが遅れたことに対する利息のようなお金)は、損害のうめ合わせというより「運用益に近い利益」と捉えられ、課税対象になることがあります。受け取った金額の中に、こうした性質の異なるお金が含まれていないか、内訳をよく確認しておきましょう。判断に迷うものは、自己判断で非課税と決めつけず、専門家や税務署に確認するのが安心です。

個人と事業、どちらの立場で受け取ったかを整理する

プライベートな事故・トラブルの場合

仕事とは関係のない、プライベートな交通事故や日常生活でのトラブルによる損害賠償金・慰謝料は、基本的に個人としての非課税のお金として扱われるのが一般的です。この場合、原則として確定申告で収入として申告する必要はありません。受け取った金額が大きくても、その性質が「損害のうめ合わせ」であれば、もうけとはみなされないためです。

事業の活動に関連して受け取った場合

一方で、事業の活動に関連して発生したトラブルや事故で受け取った賠償金は、その中身によって事業所得などに含めて申告すべきものが出てきます。事業用の車や設備、店舗に関する損害、取引にまつわる和解金などは、事業の帳簿との関係を意識して整理する必要があります。事務所の原状回復にかかった費用の記帳のしかたは事務所移転と原状回復費の記帳が参考になります。

個人事業主の方は、「これはプライベートの損害なのか、事業の損害なのか」をまず切り分けることが大切です。切り分けがあいまいなまま帳簿につけてしまうと、本来非課税のお金まで売上に混ぜてしまったり、逆に課税すべきものを見落としたりする原因になります。

記録と内訳をきちんと残しておく

どの立場で受け取ったお金かを後から説明できるように、関係書類はしっかり保管しておきましょう。具体的には、次のような書類が手がかりになります。

  • 示談書・合意書・和解書(金額の内訳や補償の理由が書かれているもの)

  • 保険会社からの支払明細や通知書

  • 修理見積書・領収書など、損害額や経費を裏づける資料

これらがそろっていれば、課税・非課税の判断もしやすくなり、万一の問い合わせにも落ち着いて対応できます。

確定申告でのおおまかな進め方

まず非課税分と課税分を仕分けする

申告の準備では、受け取った損害賠償金・示談金を、非課税として申告に含めないものと、課税対象として申告に反映するものに仕分けることから始めます。ケガや慰謝料など個人的な損害のうめ合わせは前者、事業の売上や報酬を補う性質のものは後者、というイメージです。内訳がわかる書類を見ながら、ひとつずつ性質を確認していきましょう。

事業に関係する分は帳簿との対応を確認する

事業に関連して課税対象となる賠償金がある場合は、それに対応する損失や経費を経費として計上しているかどうかもあわせて確認します。受け取った補償金と、損害として生じた費用の関係を整理しておくと、最終的な所得の金額を正しく計算できます。青色申告で帳簿をつけている方は、どの勘定科目で処理するかも含めて整理しておくと安心です。商品を交換したり代金を返金したりしたときの申告上の扱いは現品交換・代金返金と申告で確認できます。

判断に迷ったら早めに確認する

損害賠償金・示談金の税務上の扱いは、金額の名前だけでは決められず、個別の事情によって判断が変わる場面が多くあります。特に金額が大きい場合や、個人と事業の損害が混ざっている場合は、自己判断で進めず、確定申告の期間(原則として毎年2月16日から3月15日まで)に入る前の早い段階で、税務署や税理士などの専門家に相談しておくと、申告直前で慌てずに済みます。賠償金の扱いを含めて申告をまとめて任せたいときは、確定申告の代行という選択肢もあります。

よくある質問

Q. 交通事故の慰謝料を受け取りました。確定申告は必要ですか?

プライベートな交通事故で、ケガや精神的苦痛に対する慰謝料・治療費相当の賠償金として受け取ったものは、原則として非課税であり、確定申告で収入として申告する必要はないのが一般的です。ただし、受け取った金額の中に、休業による収入の補てんや遅延損害金など、性質の異なるお金が含まれている場合は扱いが変わることがあります。内訳がわかる書類を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。

Q. 事業の取引先とのトラブルで和解金を受け取りました。これは事業の収入になりますか?

その和解金が「本来受け取るはずだった報酬・売上の代わり」という性質であれば、事業所得などとして課税対象になると考えられます。一方で、事業上の損害のうめ合わせの性質が強いものは、損失や経費との対応を整理して扱うことになります。金額の内訳や、何に対する補償なのかがわかる合意書を手元に用意したうえで判断するのが安心です。

Q. 受け取った賠償金が非課税かどうか、自分で判断してよいですか?

少額で、明らかに個人的な損害のうめ合わせとわかるものであれば、非課税として申告に含めない判断がしやすいでしょう。ただし、金額が大きい場合や、事業との関連がある場合、内訳に複数の性質のお金が混ざっている場合は、自己判断にリスクがともないます。後から課税対象だったと判明すると、修正申告などの手間が生じることもあるため、迷ったら早めに税務署や税理士に確認することをおすすめします。

結論|損害賠償金・示談金は「何に対するお金か」で判断する

損害賠償金や示談金は、個人がケガや精神的苦痛、こわれた物などの損害をうめ合わせるために受け取るものは原則として非課税、本来得られるはずだった事業の収入や報酬を補うものは課税対象になりやすい、という線引きが基本です。判断のカギは金額の名前ではなく「何に対して支払われたお金か」という中身にあり、示談書や支払明細などで内訳を確認することが何より大切です。特に個人事業主の方は、個人としての損害と事業としての損害を切り分けて整理することが、正しい申告につながります。

賠償金の性質を見極めて課税・非課税を仕分けし、事業の帳簿との対応まで確認する作業は、本業が忙しい中で一人で行うには重い負担です。判断に自信が持てないまま、申告期限が近づいてしまうこともあります。

記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する受け取った賠償金の扱いを含めて申告を相談するご利用の流れ

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

これらの悩み・経理の課題

領収書丸投げドットコムが解決します!

個人事業主の記帳代行は月額6,600円(税込)から

領収書丸投げドットコムは
事業者様の代わりに仕分け・記帳業務を丸っと代行します

個人事業主の基本プランは月額6,600円(税込)、領収書枚数による追加料金・初期費用は0円です。過去分は開始月から申込月まで初回一括請求。4月申込み・1月開始なら4か月分26,400円(税込)です。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別見積もり。確定申告書の作成・提出は月額に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。

詳しく見る

このような方におすすめ!

領収書が山積みで
時間不足

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

確定申告
期限ぎりぎりでパニック

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

領収書丸投げドットコムに
記帳代行を任せるメリット

税理士監修で
経理の不安から解放

税理士監修の体制により、勘定科目の妥当性や青色申告要件を確認しながら記帳を行います。申告や税務調査を見据えた帳簿を整えることで、経理に対する不安や将来的なリスクを大きく軽減します。

仕訳・記帳の
悩みとストレスから解放

領収書の整理や勘定科目の判断に毎回迷う必要がなくなります。専門スタッフが仕訳・記帳を代行するため、入力ミスや科目選択のストレスから解放され、経理作業を後回しにする不安もなくなります。

記帳の
時間と労力を大幅に節約

これまで記帳に費やしていた時間と労力を大幅に削減できます。領収書を送るだけで帳簿が整うため、本業や営業活動、売上づくりに集中できる環境をつくることが可能です。