本業と副業の経理を分けて管理する方法|帳簿・口座の分け方を解説
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税務

本業と副業の経理は、副業専用の口座とカードを用意して混ぜない仕組みをつくるのが第一歩です。帳簿では区分機能で副業分だけを集計し、確定申告で合算します。帳簿・口座の分け方を解説します。
会社員として働きながら副業をしている方や、複数の事業を同時に手がけている個人事業主の方にとって、「本業と副業のお金が混ざってしまう」という悩みはとても身近なものです。生活費の口座から副業の経費を払い、副業の入金が同じ口座に入ってくる。こうした状態が続くと、確定申告の直前になって「どれが副業の経費だったのか」が思い出せず、慌てて通帳とにらめっこすることになりがちです。
☑ 本業と副業のお金が同じ口座に混ざっていて、経理がぐちゃぐちゃになっている
☑ 副業の収支だけをどうやって帳簿に分けて記録すればよいのかわからない
☑ 確定申告のときに、本業と副業の数字をどう整理して申告すべきか不安だ
本業と副業の経理をすっきり分けて管理するための具体的な方法を、口座の分け方・帳簿の付け方・確定申告での扱いという観点から整理します。自分の場合は何をどう分ければよいのか、その第一歩が見えてくるように進めます。
そもそも、なぜ本業と副業の経理を分けるべきなのか
収支がはっきりして「本当に儲かっているか」がわかる
経理を分ける最大のメリットは、副業が実際にどれだけ利益を生んでいるのかが正確に把握できることです。本業の収入や生活費と混ざったままでは、副業の売上から経費を引いた本当の手取りが見えません。経理を分けることで、「思ったより経費がかかっていた」「この副業は時給換算すると割に合っていなかった」といった気づきが得られ、続けるか・やめるか・拡大するかの判断材料になります。
確定申告がスムーズになり、ミスや漏れを防げる
副業の所得を申告する際は、その事業の収入と経費を集計する必要があります。会社員で副業の所得がある場合、どんなときに確定申告が必要になるかは国税庁タックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できます。本業(給与)と副業のお金が混在していると、申告のたびに1年分の取引をより分ける作業が発生し、時間も手間もかかります。最初から分けておけば、申告期になっても副業分の数字だけをそのまま使えるため、計算ミスや経費の計上漏れを防ぎやすくなります。
税務署から問い合わせを受けても説明しやすい
万が一、税務署から申告内容について確認の連絡があった場合でも、経理を分けて記録していれば「この入金は副業の売上」「この支出は副業の仕入れ」と根拠を示しやすくなります。お金の流れが整理されていることは、後ろめたさのない申告につながり、結果として自分自身の安心にもつながります。
まずは「口座」を分けるのが第一歩
副業専用の口座を1つ用意する
経理を分けるうえで、もっとも効果が大きく、かつ手軽なのが口座を分けることです。生活費や本業の給与が入る口座とは別に、副業専用の口座を1つ用意しましょう。副業の売上はこの口座に入金してもらい、副業に関する支払いもこの口座から行うようにします。こうするだけで、通帳の記録がそのまま副業の収支の記録になり、後から整理する手間が大きく減ります。すでにお金が混ざってしまっている場合の整理は現金と家事支出が混ざったときの整理が参考になります。
会社員の方が屋号付きの事業用口座をすぐに開設できない場合でも、個人名義の普通預金口座をもう1つ作り、それを副業用と決めて使うだけで十分に効果があります。まずは「混ぜない」状態をつくることが大切です。
クレジットカードや電子マネーも分けると効果的
口座だけでなく、決済手段も分けておくとさらに管理が楽になります。副業の経費(消耗品、通信費、ソフトの利用料など)を支払う専用のクレジットカードを1枚決めておけば、明細を見るだけで副業の経費が一覧できます。
副業の経費専用にするクレジットカードを1枚決める
そのカードの引き落とし先を副業用口座に設定する
キャッシュレス決済アプリも、可能であれば副業用に分けておく
すべてを完璧に分けるのが難しくても、「主要な支払いだけは副業用カードに寄せる」と決めるだけで、月末の集計がぐっと楽になります。日々の現金の動きは現金出納帳のつけ方で押さえておくと、副業用の現金も追いやすくなります。
個人事業主が複数事業を持つ場合の考え方
会社員の副業に限らず、個人事業主が複数の事業を並行して行っているケースもあります。この場合、税務上は同じ「事業所得」としてまとめて申告することが多いものの、事業ごとの採算を知るためには、やはり事業単位でお金の流れを把握しておくと役立ちます。事業ごとに口座を完全に分けるのが難しければ、後述する帳簿上の区分でカバーする方法もあります。副業を本格化して開業届を出すなら、年の途中で開業したときの青色申告の期限も確認しておきましょう。
帳簿の付け方|本業・副業をどう区分するか
会計ソフトの「事業区分」やタグを活用する
口座を分けたら、次は帳簿上でも本業と副業を区別して記録します。多くのクラウド会計ソフトには、取引ごとに事業やプロジェクトを区分する機能(部門・タグ・補助科目など、名称はソフトによって異なります)が備わっています。これを使えば、1つの帳簿の中で副業分だけを抽出して集計できるようになります。
会社員で副業のみを確定申告する方の場合、申告対象になるのは副業の所得です。本業の給与は会社の年末調整で処理されているため、帳簿に細かく付ける必要はありません。つまり、帳簿づけの中心は「副業の収入と経費」になると考えておくとわかりやすいでしょう。
家事按分が必要な経費に注意する
自宅で副業をしている場合、家賃・電気代・通信費などは、生活で使う分と副業で使う分が混ざっています。これらを全額経費にすることはできず、副業で使った割合に応じて按分する必要があります。これを家事按分といいます。
家賃:副業で使っている部屋の面積割合などで按分する
電気代:使用時間や使用スペースの割合で按分する
通信費:副業で使った時間や回線の割合で按分する
按分の割合は、誰が見ても納得できる合理的な基準で決めることがポイントです。「なぜこの割合にしたのか」を説明できるよう、根拠をメモしておくと安心です。
本業の経費と取り違えないためのルールづくり
記帳のときにありがちなのが、本業に関する支出を副業の経費に入れてしまう、あるいはその逆のミスです。これを防ぐには、自分の中で簡単なルールを決めておくのが効果的です。たとえば「副業用カードで払ったものだけを副業の経費にする」「迷ったらメモを残して後でまとめて判断する」といった具合です。ルールがあると、判断に迷う時間が減り、記帳のスピードも上がります。副業の記帳まで手が回らないときは、記帳代行というやり方で副業分だけを任せる選択肢もあります。
確定申告での本業・副業の扱い方
副業の所得区分を確認する
副業の収入は、その内容によって所得の種類が変わります。継続的に事業として行っているものは事業所得、そうでない単発的なものは雑所得として扱われるのが一般的です。どちらに該当するかで使える特例や控除が変わるため、自分の副業がどの区分にあたるのかを早めに確認しておきましょう。判断に迷う場合は、税務署や専門家に相談するのが確実です。
給与所得と合算して申告する流れ
会社員が副業を申告する場合、本業の給与所得と副業の所得を確定申告書の上で合算し、年間の所得全体に対して税額を計算します。給与については勤務先から受け取る源泉徴収票の数字を使い、副業については自分で集計した収入と経費から所得を計算します。経理をきちんと分けておけば、この副業分の数字をスムーズに転記できます。
青色申告を選ぶと有利になる場合がある
副業が事業所得に該当し、一定の要件を満たす場合は、青色申告を選ぶことで青色申告特別控除(最大65万円)などのメリットを受けられる可能性があります。青色申告には事前の届出と、複式簿記による帳簿づけが必要ですが、経理をしっかり分けて管理しているなら、その帳簿をそのまま活かせます。本業の負担とのバランスを見ながら、検討してみる価値があります。なお、確定申告の期間は原則として毎年2月16日から3月15日までです。
無理なく続けるための工夫
「ためずに、こまめに」記録する
経理が苦痛になる最大の原因は、領収書や取引を1年分ためてしまうことです。月に一度、あるいは週に一度でも、副業用口座の入出金とレシートを見ながら記録する習慣をつければ、申告期に泣くことはなくなります。専用口座とカードに分けてあれば、この作業自体も短時間で済みます。
本業が忙しい時期は仕組みに頼る
副業をしている方の多くは、本業が忙しい中で時間をやりくりしています。繁忙期に細かい記帳まで手が回らないのは当然のことです。そんなときこそ、口座やカードを分けて「自動的に記録が残る仕組み」をつくっておくことが効いてきます。手作業に頼りすぎず、後から振り返れる状態を保つことが、無理なく続けるコツです。
よくある質問
Q. 副業用の口座は、必ず屋号付きの事業用口座でないといけませんか?
いいえ、必ずしも屋号付きの事業用口座である必要はありません。大切なのは「本業・生活費と混ぜない」ことなので、個人名義の普通預金口座をもう1つ用意し、それを副業専用と決めて使うだけでも十分に効果があります。事業の規模が大きくなってきたら、屋号付きの口座の開設を検討するとよいでしょう。
Q. すでに本業と副業のお金が混ざってしまっています。今から分けられますか?
はい、いつからでも分け始めることができます。まずは副業用の口座を新しく用意し、今後の副業の入出金をそちらに集約していきましょう。過去の混在した取引については、通帳やカード明細を見ながら、副業に関するものを拾い出して記録します。最初の整理は少し手間ですが、一度分けてしまえば翌年以降は格段に楽になります。
Q. 副業の経費がほとんどない場合でも、経理を分ける意味はありますか?
あります。経費が少なくても、収入がいくらあったのかを正確に把握しておくことは、正しい申告の前提になります。また、後から「これも経費にできたのでは」と気づくこともあるため、お金の流れを分けて残しておくことには十分な意味があります。記録があれば、必要なときに見返して判断できます。
分ける仕組みをつくれば、経理はぐっと楽になる|まとめ
本業と副業の経理を分ける最初の一歩は、難しい会計の知識ではなく、「副業専用の口座とカードを用意して混ぜない」というシンプルな仕組みづくりです。お金の流れが分かれていれば、帳簿づけも確定申告も驚くほどスムーズになり、副業が本当に利益を生んでいるのかも正確に見えてきます。
とはいえ、本業をこなしながら副業の記帳まで毎月続けるのは、思っている以上に骨の折れる作業です。仕組みを整えても、日々の処理に追われて手が回らなくなることは珍しくありません。領収書丸投げドットコムでは、領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行しています。副業分の経理だけでも任せられるか無料で相談する。相談は無料です。料金の目安は枚数無制限の料金プランでご確認ください。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








