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在宅ワーク・テレワークの個人事業主の経費...

2026/8/11

在宅ワーク・テレワークの個人事業主の経費と節税を解説

  • 税金

☑ 自宅で仕事をしているが、家賃や光熱費をどこまで経費にできるのか分からない

☑ 在宅ワークならではの経費があるのか知りたい

☑ プライベートと仕事が同じ部屋で、按分のしかたに自信が持てない

パソコン一台あれば自宅で完結する在宅ワークやテレワーク。通勤がない分、働き方は身軽になりましたが、いざ確定申告となると「自宅の費用をどこまで経費にしていいのか」という、在宅特有の悩みが出てきます。仕事もプライベートも同じ空間で行うからこそ、線引きがあいまいになりがちなのです。

この記事では、在宅ワーク・テレワークで働く個人事業主が経費にできる費用の種類と、自宅費用を仕事用に切り分ける「家事按分」の考え方、そして在宅ならではの節税のポイントを、はじめての方にもわかるようにやさしく解説します。

在宅ワークで経費になるのはどんな費用か

在宅で働くということは、本来プライベートで使う自宅の設備や費用の一部を仕事にも使っているということです。その「仕事に使った分」が経費の対象になります。まずは、どんな費用が候補になるのかを見ていきましょう。

自宅そのものにかかる費用

在宅ワークでまず思い浮かぶのが、自宅にかかる費用です。具体的には次のようなものが、仕事に使った範囲で経費の候補になります。

  • 家賃(賃貸の場合)

  • 電気代・ガス代・水道代などの光熱費

  • 持ち家の場合の住宅ローンの利息部分や固定資産税、減価償却費

これらは全額ではなく、あくまで仕事に使っている割合だけを経費にします。割合の出し方は後ほど「家事按分」のところで詳しく説明します。

通信・ネット環境にかかる費用

在宅ワークの生命線ともいえるのが通信環境です。インターネット回線の利用料やWi-Fiルーターの費用、仕事で使う携帯電話・スマートフォンの通話料や通信料も、仕事に使った範囲で経費にできます。オンライン会議が多い方ほど通信費は大きくなりますが、プライベートと共用している場合は、こちらも按分が必要です。

仕事道具・備品にかかる費用

在宅で快適に働くために買いそろえる道具も立派な経費です。パソコン本体、モニター、Webカメラやマイク、デスク、椅子、プリンターやインク、文房具などが該当します。仕事専用に購入したものは、プライベートと共用しないため按分は不要で、原則として全額を経費にできます。ただし一台あたりの金額が大きいものは、購入した年に一度に経費にできず、数年に分けて費用にする「減価償却」が必要になる場合があります。

家事按分で自宅の費用を切り分ける

在宅ワークの経費でいちばんの肝になるのが「家事按分(かじあんぶん)」です。これは、自宅の費用のうち仕事に使った分とプライベートの分を、合理的な基準で分ける作業のことです。

家賃や光熱費は「面積」や「時間」で分ける

家賃を按分する代表的な方法は、自宅全体の床面積のうち、仕事に使っている部屋やスペースが占める割合で計算するやり方です。たとえば一室を仕事専用にしているなら、その部屋の面積が全体に占める割合を経費の割合とします。光熱費は、面積に加えて一日のうち仕事に使っている時間の割合で考える方法もあります。在宅ワークは家にいる時間が長い分、使った時間で説明すると納得感が出やすいでしょう。

大切なのは「説明できる根拠」があること

按分の割合に、全員に当てはまる決まった数字があるわけではありません。大事なのは、その割合にした理由を自分の言葉で説明できることです。「リビングの一角の○畳を仕事スペースにしていて、全体の床面積に対して何割だから」「平日の日中はほぼ仕事をしているから」といった、誰が聞いても納得できる根拠を用意しておきましょう。明らかに実態と合わない高すぎる割合は、後から説明に困ることになります。

仕事とプライベートが混ざる部屋でも按分はできる

「仕事専用の部屋がないから経費にできないのでは」と心配する方もいますが、専用の部屋がなくても按分は可能です。ワンルームやリビングの一角で仕事をしている場合でも、そのスペースの面積割合や使用時間をもとに仕事分を合理的に切り出せば問題ありません。在宅ワークでは専用部屋を持たない方も多いので、過度に身構える必要はないのです。

在宅ワークならではの経費の注意点

在宅ワークは経費の幅が広く見える一方で、判断に迷いやすい場面も多いものです。よくつまずくポイントを先に押さえておきましょう。

持ち家か賃貸かで考え方が変わる

賃貸であれば家賃を按分するという分かりやすい形になりますが、持ち家には家賃という支出がありません。そのため住宅ローンの利息部分や建物の減価償却費、固定資産税などを按分の対象として考えます。持ち家の経費計上は判断が複雑になりやすく、住宅ローン控除との関係に注意が必要な場面もあるため、迷ったときは税理士などの専門家に確認すると安心です。

プライベート寄りの費用は慎重に

自宅で働いていると、つい生活費との境目があいまいになりがちです。たとえば普段着る服や、仕事中に飲む自分用の飲み物、一人でとる昼食などは、仕事との直接の関係を説明しにくく、経費として認められにくい費用です。その支出が売上を得るために必要だったかを、一つひとつ冷静に見極めましょう。

家族と暮らしている場合の共用分

家族と同居している場合、光熱費や通信費は家族みんなで使う共用の費用です。世帯全体の費用をそのまま経費にすることはできないため、家族の使用分も含まれている前提で、自分の仕事に使った分だけを切り出す必要があります。

在宅ワークで取り組みたい節税の工夫

経費の整理ができたら、次は在宅ワークだからこそ取り組みやすい節税の工夫に目を向けましょう。日々の小さな積み重ねが、年間で見ると大きな差になります。

青色申告で控除を活用する

節税の王道といえるのが青色申告です。事前に申請したうえで、複式簿記による帳簿づけと電子申告などの要件を満たすと、青色申告特別控除として最大65万円を所得から差し引けます。在宅ワークは取引がパソコン上で完結することも多く、クラウド会計ソフトと相性が良いため、要件を満たしやすい働き方といえます。所得が増えてきた方ほど、この控除の効果は大きくなります。

小さな経費もこまめに記録する

在宅ワークの経費は、文房具やソフトの月額利用料など、一つひとつは少額でも種類が多くなりがちです。少額だからと記録を後回しにすると、合計でかなりの金額を計上し損ねることもあります。レシートを撮影してすぐ保存する、カードや電子マネーを仕事用に分けるなど、もれなく記録する仕組みを作っておくと安心です。

控除制度もあわせて検討する

経費とは別に、所得から差し引ける控除制度を活用するのも有効です。将来に備えながら節税にもつながる小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)などは、在宅ワークの個人事業主にも利用しやすい制度です。制度ごとに要件や上限があるため、自分に合うかを確認したうえで無理のない範囲で取り入れましょう。

経費を正しく残すための書類管理

在宅ワークの経費は、後から「これは仕事のためだった」と示せて初めて意味を持ちます。そのために欠かせないのが日ごろの書類管理です。

領収書・請求書はこまめに保管する

家賃や通信費の明細、備品の領収書、サブスクの請求書などは、経費の裏付けとなる大切な書類です。在宅ワークではネット上の取引が多く、明細がメールやマイページにしか残らないことも珍しくありません。後から探して困らないよう、受け取ったらすぐ保管しておきましょう。

按分の根拠もメモに残す

家事按分の割合は、どう計算したのかを忘れがちです。「床面積の何割」「使用時間の何割」といった計算の根拠を簡単なメモとして残しておくと、翌年以降も同じ基準で処理でき、いざ説明を求められたときにも落ち着いて対応できます。書類と一緒に按分の考え方も記録しておくと安心です。

よくある質問

Q. 仕事専用の部屋がなくても家賃を経費にできますか?

専用の部屋がなくても、リビングの一角など仕事に使っているスペースがあれば、その面積割合や使用時間をもとに合理的に按分して経費にできます。大切なのは、なぜその割合にしたのかを説明できることです。実態に合った根拠を用意しておきましょう。

Q. パソコンは買った年に全額を経費にできますか?

一台あたりの金額がそれほど大きくなければ、購入した年に経費にできる場合があります。一方で金額が大きいものは、数年に分けて費用にする減価償却が必要になることがあります。金額の基準や処理方法は状況によって変わるため、迷ったときは国税庁サイト等で確認するか専門家に相談すると確実です。

Q. 自宅のインターネット代は全額経費にできますか?

プライベートでも使っている回線であれば、全額ではなく仕事に使った範囲を按分して経費にします。仕事専用に契約した回線なら、全額を経費にできる場合もあります。共用か専用かで考え方が変わる点を意識しておきましょう。

まとめ:在宅の費用は「仕事分」を根拠とともに切り出す

在宅ワーク・テレワークの個人事業主にとって、経費の中心になるのは自宅の費用です。家賃や光熱費、通信費は全額ではなく仕事に使った分だけを家事按分で切り出し、その割合の根拠を説明できるようにしておくことが基本です。パソコンや備品は仕事専用なら原則全額が経費になり、青色申告や各種控除制度もあわせて活用すれば、在宅ならではの節税も無理なく進められます。少額の経費もこまめに記録し、領収書や按分のメモを残しておくことが安心につながります。

とはいえ、家事按分の割合の決め方や持ち家の処理、減価償却の判断などは在宅ワークならではの悩みどころです。本業で手いっぱいの中、慣れない按分や帳簿づけ、確定申告まで自分一人で行うのは大きな負担になりがちです。

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