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所得税・住民税・国保を同時に抑える総合戦...

2026/8/11

所得税・住民税・国保を同時に抑える総合戦略をやさしく解説

  • 税金

☑ 所得税は気にしているけど、住民税や国民健康保険料まで頭が回っていない

☑ 確定申告のあと、住民税と国保の通知が届いて「こんなに高いの?」と驚いた

☑ それぞれ別々に対策するのではなく、まとめて負担を軽くする考え方を知りたい

個人事業主やフリーランスの方が「税金対策」と聞いてまず思い浮かべるのは、所得税ではないでしょうか。確定申告で計算するのが所得税なので、どうしてもそこに意識が集中しがちです。ところが実際には、所得税を払い終えてホッとした数か月後に、住民税の納付書や国民健康保険料の通知が届いて、合計額の大きさに改めて驚く、という方がとても多いのです。

この記事では、所得税・住民税・国民健康保険料という「3つの負担」が実はひとつの数字(所得)からつながっていること、そして同じ努力でこの3つをまとめて軽くできる総合的な考え方を、やさしく解説します。バラバラに対策するより、根っこを押さえるほうがずっと効率的だということが見えてくるはずです。

所得税・住民税・国保はひとつの数字でつながっている

3つの負担はすべて「所得」から計算される

まず押さえておきたいのは、所得税も住民税も国民健康保険料も、出発点はほぼ同じ「所得」だということです。所得とは、ざっくり言えば「売上から経費を引いた利益」から、さらに各種の控除を差し引いたあとに残る金額のことです。この所得が大きいほど、3つの負担はすべて大きくなります。

つまり、所得税だけを見て一喜一憂するのは、3つのうちの1つしか見ていないことになります。所得を1つ下げる工夫をすれば、所得税が下がるだけでなく、住民税も国保も連動して下がる可能性がある、という点がとても重要です。

住民税と国保は「翌年」にやってくる

所得税はその年の確定申告で精算しますが、住民税は前年の所得をもとに翌年の6月ごろから課税が始まります。国民健康保険料も前年の所得を基準に、その年度の保険料が決まります。つまり、今年たくさん稼いだ分の住民税・国保は、翌年に「後追い」でやってくるのです。

このタイムラグがあるため、収入が落ち着いた翌年にいきなり前年分の住民税と国保の請求が重なり、資金繰りが苦しくなるケースは珍しくありません。総合的に考えるなら、この「翌年負担」をあらかじめ見込んでおくことも対策の一部になります。

3つを合わせた「実質的な負担率」で考える

所得税の税率だけを見ると、それほど高くないように感じることがあります。しかし、住民税はおおむね所得に対して一律10%程度(市区町村民税と都道府県民税の合計の目安)、国保料は自治体ごとに違いますが所得に対してかなりの割合がかかります。これらを足し合わせると、所得が1つ増えたときに出ていくお金の割合は想像以上に大きくなります。

大切なのは、所得税・住民税・国保を「3点セット」として、合わせた実質的な負担率で考える視点です。この視点を持つだけで、「所得を1つ抑える対策」の価値がぐっと大きく感じられるようになります。

所得そのものを正しく下げる王道の方法

必要経費をもれなく計上する

3つの負担を同時に抑える最も基本的な方法は、事業に関わる必要経費をもれなく計上し、所得そのものを適正に下げることです。経費が1つ増えれば所得が1つ下がり、所得税・住民税・国保がそろって連動して軽くなる可能性があります。経費は「ごまかす」ものではなく、本来計上できるものを取りこぼさないことが大切です。

見落とされがちな経費には、たとえば次のようなものがあります。

  • 自宅兼事務所の家賃・電気代・通信費のうち、事業で使っている割合分(家事按分)

  • 取引先との打ち合わせにかかった交通費や会議費

  • 業務に使う書籍・新聞・有料情報サービスの代金

  • 仕事用のスマホ・パソコン・ソフトウェアの利用料

青色申告特別控除を活用する

事前に承認を受けて青色申告を行い、複式簿記による帳簿付けと電子申告などの要件を満たすと、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。これは「所得を65万円分なかったことにできる」ようなイメージの控除で、しかも実際にお金を使うわけではありません。

この控除によって所得が下がれば、当然ながら所得税・住民税・国保の3つすべてに効いてきます。お金を使わずに所得を圧縮できる数少ない方法なので、フリーランスにとっては最優先で押さえたい仕組みといえます。

家族への給与(専従者給与)も選択肢に

配偶者や親族に事業を手伝ってもらっている場合、青色事業専従者給与の届出をしておけば、支払った給与を経費にできる場合があります。これも所得を下げる手段のひとつです。ただし、実際に働いている実態が必要で、金額も労働内容に見合ったものである必要があります。形だけの給与は認められないため、運用には注意が必要です。

「払って得する」控除で3つまとめて軽くする

iDeCoは掛金が全額所得控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で老後資金を積み立てる制度ですが、支払った掛金が全額その年の所得から控除されます。つまり、自分の将来のためにお金を積み立てながら、所得を下げて所得税・住民税・国保の負担も同時に軽くできる、一石三鳥に近い仕組みです。

積み立てたお金は原則60歳まで引き出せないという制約はありますが、「どうせ老後に備えるなら、控除のある形で」と考えると効率の良い選択肢です。掛金の上限は働き方によって決まっているので、自分がいくらまで拠出できるかを確認しておきましょう。

小規模企業共済で退職金を準備する

小規模企業共済は、個人事業主が「自分の退職金」を積み立てるための制度で、掛金は全額が所得控除の対象になります。月々の掛金は一定の範囲で自分で決められ、廃業や引退のときにまとまった共済金を受け取れます。所得を下げながら将来の備えもできる点で、iDeCoと並んで人気の高い制度です。

iDeCoと小規模企業共済は併用もできるため、余裕があれば両方を組み合わせることで、より大きく所得を圧縮することも可能です。ただし、無理に掛金を増やして日々の資金繰りが苦しくなっては本末転倒なので、生活と事業のバランスを見て決めることが大切です。

国民年金基金・付加年金という選択肢

将来の年金を手厚くしたい場合は、国民年金基金や付加年金という方法もあります。国民年金基金の掛金も社会保険料控除として所得から差し引けるため、こちらも所得を下げる効果があります。老後の備えと節税を兼ねたい方は、iDeCoや小規模企業共済と合わせて検討してみるとよいでしょう。

国民健康保険料そのものに目を向ける

国保は「所得割」が大きなウエイトを占める

国民健康保険料は自治体によって計算方法が異なりますが、多くの場合「所得に応じてかかる部分(所得割)」が大きなウエイトを占めます。そのため、これまで述べてきた「所得を下げる対策」は、そのまま国保料を下げることにもつながります。所得税対策と国保対策は、実は同じ方向を向いているのです。

一方で、世帯の人数に応じてかかる部分(均等割)など、所得とは別の要素もあります。自分の住む自治体の保険料がどんな仕組みで決まっているかを一度確認しておくと、対策の効果を実感しやすくなります。

家族の働き方によっては社会保険の扶養も検討

配偶者が会社員などで社会保険に加入している場合、収入の状況によってはその扶養に入れる可能性もあります。扶養に入れれば自分で国民健康保険料を払わずに済むケースもあるため、世帯全体での働き方や収入のバランスを見ながら検討する価値があります。ただし扶養に入るには収入の基準があるので、事業の規模や見込みと照らし合わせて判断する必要があります。

軽減・減免制度の確認も忘れずに

所得が一定以下の場合や、廃業・失業などで前年より収入が大きく減った場合には、国民健康保険料の軽減・減免を受けられることがあります。制度の内容は自治体ごとに異なり、自分から申請しないと適用されないものもあります。収入が落ちた年こそ、こうした制度がないかを役所に確認してみることをおすすめします。

総合戦略を続けるための「土台」づくり

日々の記帳が対策の出発点になる

ここまで紹介してきた対策はどれも「正しい所得を把握していること」が前提になります。経費を計上するにも、控除を活用するにも、そもそも自分の収入と経費がきちんと記録されていなければ判断できません。つまり、3つの負担を同時に抑える総合戦略の土台は、地味に思える「日々の記帳」にあるのです。

記帳が後回しになっていると、領収書を紛失して経費を取りこぼしたり、青色申告の要件を満たせなかったりして、本来軽くできたはずの負担をそのまま払うことになりかねません。

「使える控除」を取りこぼさない仕組みを持つ

iDeCoや小規模企業共済の掛金、各種保険料などは、支払った証明書をきちんと保管し、申告時に正しく反映してこそ控除になります。年末に慌てて書類を探すのではなく、届いた控除証明書を1か所にまとめておくだけでも、取りこぼしはぐっと減ります。総合戦略は「特別なこと」をするのではなく、当たり前のことを取りこぼさない仕組みづくりが本質です。

よくある質問

Q. 所得税対策をすれば、住民税や国保も自動的に下がりますか?

多くの場合、所得を下げる対策(経費の適正な計上や各種控除の活用)は、所得税だけでなく住民税や国民健康保険料の計算にも影響します。ただし、制度ごとに計算方法や控除の扱いが少しずつ違うため、「所得税が下がった分だけぴったり同じ割合で全部下がる」とは限りません。それでも、根っこである所得を抑えることが3つすべてに効く、という大きな方向性は変わりません。

Q. iDeCoと小規模企業共済はどちらを優先すべきですか?

どちらも掛金が全額所得控除になる点で似ていますが、引き出せるタイミングや使い道が異なります。老後資金として長く積み立てたいならiDeCo、廃業・引退時の退職金として準備したいなら小規模企業共済、というイメージです。両方を併用することもできるので、資金に余裕があれば組み合わせるのも有効です。生活費を圧迫しない範囲で、無理のない掛金から始めるのが安心です。

Q. 節税を意識しすぎると、かえってよくないこともありますか?

はい、注意は必要です。経費をむやみに増やそうとして本来事業に関係のない支出まで計上すると、税務上問題になる恐れがあります。また、所得を下げすぎると、住宅ローンの審査や保育料の算定などで不利になる場面もあります。あくまで「正しく」所得を抑えることが大前提で、目先の節税だけを追いかけないバランス感覚が大切です。

まとめ:3つの負担は「所得」を軸に総合的に考える

所得税・住民税・国民健康保険料は、それぞれ別物のように見えて、実は「所得」というひとつの数字を軸につながっています。だからこそ、経費をもれなく計上する、青色申告特別控除を使う、iDeCoや小規模企業共済で所得控除を積み上げる、といった「所得を正しく下げる対策」は、3つの負担をまとめて軽くする力を持ちます。バラバラに考えるより、根っこを押さえるほうがずっと効率的なのです。

とはいえ、こうした総合戦略を支えているのは、地味で根気のいる日々の記帳と書類管理です。本業が忙しい中で、領収書を整理し、複式簿記で帳簿を付け、控除証明書を取りまとめ、確定申告まで自分一人で行うのは、決して軽い負担ではありません。やるべきことは分かっていても、時間が取れずに後回しになってしまう、という方は多いはずです。

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