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確定申告が不要な人の条件|20万円ルール...

2026/8/11

確定申告が不要な人の条件|20万円ルールの正しい理解を解説

  • 確定申告

☑ 副業の所得が少ないけれど、確定申告は本当にしなくていいのか不安だ

☑ 「20万円ルール」という言葉は聞くが、何が20万円までなのか正確に分からない

☑ 申告不要でも住民税の手続きが必要と聞いて、結局どうすればいいのか混乱している

「収入が少ないから自分は確定申告しなくて大丈夫」と思っていても、その判断が本当に正しいのか、不安が残る方は多いのではないでしょうか。特に副業をしている会社員の方の間で広まっている「20万円ルール」は、誤解されたまま使われていることが少なくありません。条件を取り違えると、申告漏れや住民税の手続き忘れにつながってしまいます。

本記事では、確定申告が不要になる人の条件を整理したうえで、「20万円ルール」の正しい意味と落とし穴を、やさしく解説します。読み終えるころには、自分が申告すべきかどうかを自分で判断できるようになります。

そもそも確定申告が必要・不要とはどういうこと?

確定申告は「税額を確定させる」手続き

確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と納める税額を自分で計算し、税務署に報告する手続きです。会社員のように勤務先が年末調整をしてくれる場合は、給与についての税額はそこで確定するため、原則として改めて申告する必要はありません。一方、事業所得や副業の所得など、年末調整でカバーされない所得がある人は、自分で申告して税額を確定させる必要があります。

つまり「確定申告が不要」とは、すでに正しい税額が納められている、または納めるべき税額が生じていない状態を指します。「面倒だからしない」という意味ではない点を、まず押さえておきましょう。

「不要」と「した方が得」は別の話

申告が義務でない人でも、申告をすることで納めすぎた税金が戻ってくる(還付される)ケースがあります。たとえば報酬から源泉徴収されている場合や、医療費控除・寄附金控除を受けたい場合などです。義務がないことと、申告した方が有利になることは別の話です。「しなくてよい」と「しない方がよい」を混同しないよう注意しましょう。

確定申告が不要になる代表的なケース

会社員で年末調整が済んでいる場合

1か所から給与を受け取っていて、勤務先で年末調整が完了している会社員の方は、基本的に確定申告は不要です。給与にかかる所得税は年末調整で精算されているためです。ただし、後述する副業所得がある場合や、年収が一定額を超える場合、医療費控除など年末調整で扱えない控除を受けたい場合は、申告が必要・または有利になります。

個人事業主で所得が控除額以下の場合

個人事業主やフリーランスの方でも、1年間の所得が各種所得控除の合計額以下であれば、納めるべき所得税が発生しないため、所得税の確定申告は不要になることがあります。所得とは売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた金額です。たとえば基礎控除をはじめとする控除の合計が所得を上回れば、課税所得はゼロになります。

  • 売上(収入)から必要経費を引いた「所得」で判断する

  • 基礎控除・社会保険料控除などの所得控除と比較する

  • 所得が控除合計以下なら所得税は生じない

ただし、所得税が不要でも住民税や国民健康保険の手続きの観点から申告した方がよい場合があります。詳しくは後の章で説明します。

公的年金等の収入が一定額以下の場合

公的年金を受け取っている方も、年金収入が一定額以下で、かつ年金以外の所得が一定額以下であれば、確定申告が不要となる仕組みがあります。いわゆる「確定申告不要制度」と呼ばれるものです。ただし、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合や、医療費控除などを受けたい場合は、申告した方が有利になることがあります。年金生活の方も「不要=必ずしない方がよい」ではない、と覚えておきましょう。

誤解されやすい「20万円ルール」の正体

20万円ルールが使えるのは「給与所得者」だけ

副業をしている会社員の方の間で有名なのが、いわゆる「20万円ルール」です。これは、1か所から給与を受け取り年末調整を受けている人で、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要という取り扱いを指します。ここで大切なのは、この特例が使えるのは年末調整を受けている給与所得者に限られるという点です。

個人事業主やフリーランスのように、そもそも給与の年末調整を受けていない人には、この20万円ルールは適用されません。事業所得が20万円以下であっても、他の事情で申告が必要になることがあるため、「20万円以下だから申告不要」と単純に当てはめるのは危険です。

判断するのは「収入」ではなく「所得」

もう一つの大きな誤解が、20万円を「収入(売上)」で判断してしまうことです。正しくは、収入から必要経費を差し引いた「所得」が20万円以下かどうかで判断します。たとえば副業の売上が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円となり、この基準の範囲に収まります。逆に、経費がほとんどかからない副業では、収入がそのまま所得に近くなる点に注意が必要です。

  • ×「売上が20万円以下だから申告不要」

  • ○「売上−経費の所得が20万円以下かどうかで判断」

複数の副業がある場合は合算して判断

副業を複数掛け持ちしている場合は、それぞれの所得を合算した金額で20万円以下かどうかを判断します。「1件ごとに20万円まで」ではありません。たとえばA社の原稿料で12万円、B社のデザイン報酬で12万円の所得があれば、合計24万円となり基準を超えます。副業が分散しているほど、自分では気づかないうちに合計額が膨らみやすいので、年間でいくらになったかを必ず合計して確認しましょう。

「所得税は不要でも住民税の申告は必要」という落とし穴

20万円ルールは所得税だけの取り扱い

ここが最も見落とされやすいポイントです。20万円ルールはあくまで所得税の確定申告に関する取り扱いであり、住民税には同じルールがありません。つまり、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしなかった場合でも、その所得について住民税の申告は別途必要になるのが原則です。所得税の申告をすれば、その情報が自治体にも共有されるため住民税の申告は不要ですが、所得税を申告しないと住民税の情報が自治体に届かないのです。

住民税の申告先と手続き

住民税の申告は、お住まいの市区町村役所が窓口です。確定申告をしない場合でも、副業などの所得があるときは、市区町村に住民税の申告書を提出する必要があります。手続きの詳細や様式は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認すると確実です。「所得税が不要だったから何もしなくていい」と思い込んでいると、住民税の申告漏れになってしまう可能性があります。

申告をしないとどうなる?

本来必要な申告をしないでいると、後から無申告加算税や延滞税といった負担が生じる場合があります。また、住民税の申告がないと、所得を証明する書類(課税証明書など)が正しく発行されず、各種手続きで困ることもあります。少額だからと放置せず、必要な申告は期限内に済ませておくことが、結局は自分を守ることにつながります。

申告すべきか迷ったときの判断ステップ

まず自分の立場を確認する

判断の出発点は、自分が「年末調整を受けている給与所得者」なのか「個人事業主・フリーランス」なのかを確認することです。給与所得者であれば20万円ルールの対象になり得ますが、個人事業主は対象外です。立場によって判断の入り口が変わるため、ここを取り違えないようにしましょう。

所得を正しく計算する

次に、収入から必要経費を差し引いた所得を計算します。このとき、経費として計上できるものを漏れなく拾うことが大切です。所得が控除額や基準額の範囲に収まるかどうかは、日々の記帳がきちんとできているかにかかっています。レシートや請求書がそろっていないと正確な所得が出せず、申告が必要かどうかの判断そのものができません。

迷ったら申告する・専門家に相談する

「不要かもしれないが確信が持てない」という場合は、申告しておく方が安全です。申告して納めるべき税金がなければそれで問題ありませんし、源泉徴収されていた税金が戻ってくることもあります。判断に迷うときや、所得の計算自体に自信がないときは、早めに専門家へ相談すると安心です。

よくある質問

Q. 副業の所得が20万円以下なら、本当に何もしなくていいのですか?

所得税の確定申告は不要になる場合がありますが、住民税の申告は別途必要になるのが原則です。20万円ルールは所得税だけの取り扱いで、住民税には適用されません。所得税の申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告を行いましょう。「所得税が不要=何もしなくてよい」ではない点に注意してください。

Q. 個人事業主ですが、所得が20万円以下なら20万円ルールで申告しなくてよいですか?

いいえ、20万円ルールは年末調整を受けている給与所得者向けの取り扱いであり、個人事業主には適用されません。個人事業主の場合は、所得が所得控除の合計額以下であれば所得税は生じませんが、住民税や国民健康保険の観点から申告した方がよいこともあります。判断に迷う場合は申告しておくのが安全です。

Q. 確定申告が不要でも、申告した方が得になるのはどんな場合ですか?

報酬から所得税が源泉徴収されている場合は、申告することで納めすぎた分が還付される可能性があります。また、医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税など)、住宅ローン控除の初年度なども、申告して初めて受けられる控除です。義務がなくても、これらに当てはまる方は申告した方が有利になることがあります。

まとめ:20万円ルールは「所得税だけ・給与所得者だけ・所得で判断」

確定申告が不要かどうかは、自分の立場と所得を正しく把握することから始まります。誤解されやすい20万円ルールは、「対象は年末調整を受けた給与所得者だけ」「20万円は収入ではなく所得で判断」「あくまで所得税の話で住民税には別途申告が必要」という3点を押さえれば、迷うことは少なくなります。個人事業主はそもそもこのルールの対象外である点も忘れないようにしましょう。

とはいえ、自分が申告すべきかどうかを正確に判断するには、まず収入と経費を整理して所得を計算する必要があります。記帳が追いついていないと、そもそも所得が分からず判断ができません。本業や副業が忙しい中で、こうした計算まで手が回らないという方も多いのではないでしょうか。

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