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固定資産台帳の作り方と管理|減価償却の記...

2026/8/11

固定資産台帳の作り方と管理|減価償却の記録を解説

  • 税務

☑ パソコンや車を買ったけれど、固定資産台帳の作り方がわからない

☑ 減価償却の記録をどう残せばいいのか毎年迷ってしまう

☑ 何を台帳に載せて、いつまで保存すればいいのか不安

事業のためにパソコンや車、機械、応接セットなどを購入したとき、「これは経費でいいの?それとも固定資産?」と迷った経験はありませんか。高額な備品は買った年に全額を経費にできず、固定資産として数年に分けて少しずつ経費にしていくルールがあります。そのときに必要になるのが「固定資産台帳」です。名前は難しそうですが、要は「いつ・何を・いくらで買って、毎年いくらずつ経費にしているか」を記録する一覧表のことです。

この記事では、固定資産台帳とは何かという基本から、台帳に必ず書く項目、具体的な作り方の手順、減価償却の記録のしかた、買い替えや廃棄したときの処理、そして日々の管理のコツまでをやさしく解説します。読み終えるころには、自分で台帳を作り、毎年の確定申告で迷わず減価償却費を計上できるようになるはずです。

固定資産台帳とは何か

固定資産台帳の役割

固定資産台帳とは、事業で使う高額な資産(固定資産)を一つひとつ記録し、その取得から減価償却、最終的な処分までを管理する帳簿です。一般的に、取得価額が10万円以上で、長く使う(おおむね1年以上使う)ものが固定資産にあたります。たとえば事業用のパソコン、自動車、エアコン、複合機、応接セット、内装工事などが代表例です。

これらは買った年に全額を経費にできず、「減価償却」という方法で使える年数(耐用年数)にわたって少しずつ経費にしていきます。固定資産台帳は、その「少しずつ経費にする」計算と記録を支える土台になります。

なぜ作る必要があるのか

固定資産台帳を作る理由は大きく3つあります。

  • 毎年の減価償却費を正しく計算するため。台帳がないと、いくらまで償却が進んだか分からなくなります。

  • 確定申告書(青色申告決算書)の減価償却の明細欄を埋めるため。記載内容は台帳とほぼ同じです。

  • 資産を売却・廃棄したときの損益計算のため。残っている帳簿価額が分からないと正しく処理できません。

青色申告で正規の簿記による記帳を行う場合、こうした帳簿類をきちんと備えていることが、特別控除を受けるうえでも大切になります。

固定資産台帳に書く項目

必ず記録したい基本項目

固定資産台帳に決まった様式はありませんが、減価償却の計算と申告に必要な情報を漏れなく書くのがポイントです。最低限、次の項目をそろえておきましょう。

  • 資産の名称・種類(例:営業用ノートパソコン、軽自動車)

  • 取得年月日(実際に事業で使い始めた日)

  • 取得価額(本体価格に加え、送料や設置費など使えるようにするためにかかった費用も含めます)

  • 耐用年数(資産の種類ごとに法令で定められた使用年数)

  • 償却方法(個人事業主は原則として定額法)

  • 償却率(耐用年数に対応した割合)

  • 事業専用割合(家事と兼用する場合に事業で使う割合)

毎年更新していく項目

上の基本項目に加えて、年ごとに動いていく数字を記録します。これが台帳の「使い続ける」部分です。

  • その年の減価償却費(今年経費にした金額)

  • 償却累計額(これまでに経費にした金額の合計)

  • 期末の帳簿価額(未償却残高)(まだ経費にしていない残りの金額)

帳簿価額は、取得価額から償却累計額を引いた残りです。毎年の申告でこの数字を引き継いでいくため、台帳が途切れると翌年の計算がやりにくくなります。

固定資産台帳の作り方の手順

ステップ1:対象になる資産を洗い出す

まずは、その年に買ったもの・すでに事業で使っているもののうち、固定資産にあたるものを集めます。判断のおおまかな目安は「取得価額が10万円以上」かどうかです。10万円未満のものは原則として買った年の経費(消耗品費など)にでき、台帳に載せる必要はありません。

10万円以上20万円未満のものは「一括償却資産」として、耐用年数にかかわらず3年間で均等に経費にできる方法もあります。台帳には、こうした扱いの違いも分かるようにしておくと管理が楽になります。

ステップ2:取得価額と取得年月日を確定する

領収書や請求書、納品書を見ながら、いくらで・いつ取得したかを確定します。取得価額には本体価格だけでなく、配送料や据付費、引取運賃など、その資産を使える状態にするためにかかった費用も含めるのが原則です。逆に、後から払う消耗品やメンテナンス代は取得価額には入れません。書類は計算の根拠になるので、台帳とセットで保管しておきましょう。

ステップ3:耐用年数と償却率を調べる

資産の種類ごとに「法定耐用年数」が決められています。たとえばパソコンや事務用機器、車両などはそれぞれ年数が異なります。耐用年数が決まれば、それに対応する償却率も決まります。個人事業主の原則的な計算方法である定額法では、毎年ほぼ同じ金額を経費にしていくため、計算がシンプルです。耐用年数の具体的な年数は資産ごとに異なるため、国税庁が公表している耐用年数表で確認しておくと安心です。

ステップ4:様式を決めて記入する

台帳の様式は、エクセルなどの表計算ソフトでも、会計ソフトの固定資産機能でも、手書きの帳簿でも構いません。会計ソフトを使う場合は、資産を登録すると減価償却費を自動計算してくれるものが多く、入力ミスや計算間違いを減らせます。自作する場合は、前述の基本項目と毎年更新する項目を列にした一覧表を作り、資産1件につき1行(または1シート)で管理すると見やすくなります。

減価償却の記録のしかた

定額法での毎年の計算

個人事業主が原則とする定額法では、「取得価額 × 償却率」で1年分の減価償却費を計算します。年の途中で使い始めた場合は、使い始めた月から年末までの月数で按分します(月割り計算)。たとえば取得が10月なら、その年は12か月分ではなく3か月分だけを計上する、というイメージです。計算した金額を台帳のその年の欄に書き、償却累計額と帳簿価額を更新していきます。

家事兼用資産は事業割合をかける

自宅兼事務所の設備や、プライベートでも使う車などは、全額を経費にできるわけではありません。事業で使っている割合(事業専用割合)を合理的に見積もり、減価償却費にその割合をかけた金額が実際に経費にできる金額になります。割合の根拠(走行距離や使用時間、面積など)もメモしておくと、後から説明しやすくなります。

償却が終わったあとの備忘価額

定額法で耐用年数まで償却が進むと、帳簿価額はほぼゼロに近づきます。ただし、まだその資産を使い続けている間は、帳簿上1円だけ「備忘価額」として残すのが一般的です。これは「まだ手元にあって使っている」ことを記録に残すための1円で、ここまで来たら毎年の減価償却費の計上は終わります。台帳上も「償却済み・残高1円」と分かるようにしておきましょう。

買い替え・廃棄したときの管理

売却・下取りに出したとき

資産を売ったり下取りに出したりしたときは、その時点の帳簿価額(未償却残高)と売却額を比べて、差額を損益として処理します。帳簿価額より高く売れれば利益、安ければ損失です。台帳には、いつ・いくらで処分したかを記録し、その資産の行を「処分済み」として締めくくります。年の途中で処分した場合、その年分の減価償却をどこまで計上するかも忘れずに確認しましょう。

廃棄・除却したとき

壊れて使えなくなったり、捨てたりした場合は「除却」として処理します。残っていた帳簿価額を除却損として経費にできるのが一般的です。本当に廃棄したことが分かるよう、廃棄日や処分の方法をメモしておくと、後で確認を求められたときに役立ちます。台帳上は、その資産を処分済みにして以降の償却を止めます。

記録を残すことが何より大切

固定資産は金額が大きく、複数年にまたがって影響するため、処分の記録が抜けると翌年以降の計算が狂ってしまいます。「買ったとき」「毎年の償却」「処分したとき」の3つの場面で必ず台帳を更新する習慣をつけましょう。

固定資産台帳を上手に管理するコツ

買ったらすぐ記録する

高額な備品を買ったら、領収書を保管すると同時に、その場で台帳に追加するのがおすすめです。年末にまとめて思い出そうとすると、取得日や付随費用があいまいになりがちです。買った直後に記録しておけば、確定申告の時期に慌てずに済みます。

会計ソフトと連動させる

会計ソフトの固定資産機能を使うと、資産を登録するだけで毎年の減価償却費を自動計算し、決算書の明細にも反映してくれます。手計算の負担と計算ミスを大きく減らせるので、固定資産が増えてきたら活用を検討するとよいでしょう。

関連書類とセットで保存する

台帳だけでなく、取得時の領収書・請求書、処分時の記録なども一緒に保管しておきます。帳簿や書類には法律で定められた保存期間があり、確定申告が終わったあともしばらく保存が必要です。台帳と根拠書類がそろっていれば、後から見返すときも、内容を問われたときもスムーズです。

よくある質問

Q. 10万円未満のものも固定資産台帳に載せる必要がありますか?

原則として、取得価額が10万円未満のものは買った年の経費にできるため、固定資産台帳に載せる必要はありません。台帳に記録するのは、減価償却の対象となる10万円以上の資産が中心です。なお青色申告には、30万円未満の資産を一定の範囲で買った年の経費にできる特例もあり、これを使った場合は管理上、別に一覧を残しておくと分かりやすくなります。

Q. 中古で買った資産はどう記録すればいいですか?

中古の資産は、新品とは耐用年数の考え方が異なり、使用できる残りの年数を見積もって計算するのが一般的です。新品の法定耐用年数より短くなることが多く、その分1年あたりの減価償却費が大きくなる傾向があります。台帳には新品か中古かが分かるようにしておき、見積もった耐用年数とその根拠もメモしておくと安心です。

Q. 台帳を作っていなかった過去の資産はどうすればいいですか?

これまで台帳がなかった場合でも、過去の領収書や申告書の控えをもとに、取得価額・取得年月日・これまでに償却した金額を整理すれば、いまからでも台帳を作り直せます。残りの未償却残高を正しく把握できれば、来年以降の計算につなげられます。判断に迷う点があれば、専門家に相談しながら整えるのも一つの方法です。

まとめ:固定資産台帳で減価償却をすっきり管理しよう

固定資産台帳は、高額な備品を「いつ・いくらで買い、毎年いくらずつ経費にしているか」を記録する大切な帳簿です。基本項目と毎年更新する項目をそろえ、買ったとき・毎年の償却・処分したときの3つの場面で更新していけば、減価償却の計算も確定申告も迷わずに進められます。会計ソフトの活用や根拠書類の保存とあわせて、無理なく続けられる仕組みを作っていきましょう。

とはいえ、耐用年数の確認や月割り計算、家事按分、買い替え時の損益処理などは、本業をこなしながらだと手間も神経も使う作業です。固定資産の管理に時間を取られて、本来やりたい仕事が後回しになってしまっては本末転倒です。記帳から確定申告書類の作成までを自分一人で抱え込むのは、想像以上に負担が大きいものです。

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