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利益が出すぎた年の決算直前にできる節税策...

2026/8/11

利益が出すぎた年の決算直前にできる節税策を解説

  • 税金

☑ 今年は想定より利益が出てしまい、このままだと税金が大きくなりそうで不安

☑ 決算間際になって慌てているが、今からできる節税策はないのか知りたい

☑ 無理な節約で資金繰りを悪くしたくないが、払いすぎは避けたい

事業が好調で利益が出るのは喜ばしいことですが、年末や決算期が近づくと「思ったより税金が多くなりそうだ」と気づき、慌ててしまう方は少なくありません。とくに個人事業主・フリーランスの場合、所得が増えるほど税率も上がる仕組みのため、利益が出すぎた年は対策の有無で手元に残るお金が変わってきます。

この記事では、決算直前(個人事業主であれば12月末の締めに向けたタイミング)にできる現実的な節税策を、実務の流れに沿って解説します。やってはいけない「ムダ遣いによる節税もどき」との違いや、今年は間に合わなくても来年に向けて準備しておきたい制度まで整理しますので、落ち着いて取り組むための参考にしてください。

まず確認すべき「利益が出すぎた年」の節税の考え方

節税と単なる支出の違いを理解する

節税を考えるうえで最初に押さえておきたいのが、「税金を減らすこと」と「お金を残すこと」は同じではない、という点です。利益を圧縮するために不要なものを買えば、確かに税金は減りますが、それ以上に現金が出ていきます。たとえば10万円のものを買って税金が数万円減っても、差し引きでは手元の現金は減るのが普通です。

本当に意味のある節税とは、もともと事業に必要な支出を、適切に経費として計上し漏らさないこと、そして将来の自分のためにお金を移しながら課税を減らす仕組み(共済や年金など)を使うことです。この2つを軸に考えると、ムダ遣いに走らずに済みます。

所得が増えるほど対策の効果が大きくなる

個人事業主の所得税は、所得が大きいほど高い税率が適用される累進課税です。さらに住民税(おおむね所得の約10%)や、場合によっては国民健康保険料も所得に応じて上がります。つまり利益が出すぎた年ほど、所得を1万円減らしたときに軽くなる税・保険料の合計は大きくなり、節税策の費用対効果も高まります。だからこそ「利益が読めてきた決算直前」は、対策を打つ価値が最も高いタイミングなのです。

決算直前でも間に合う経費の見直し

計上漏れの経費を徹底的に拾う

追加の出費をせずにできる最優先の対策が、すでに発生している経費の計上漏れをなくすことです。意外と漏れやすいのが次のような費目です。

  • 自宅兼事務所の家賃・電気・通信費などの家事按分(事業で使う割合分を経費にできます)

  • クレジットカードや電子マネーで支払った少額の備品・書籍・消耗品

  • 取引先との打ち合わせにかかった交通費・会議費

  • 事業に関連するセミナー・オンライン講座の受講料

  • レシートを失くしがちな現金払いの細かな支出

これらを領収書やカード明細から拾い直すだけで、課税対象となる所得は確実に下がります。新たな支出を伴わないため、最も健全な節税策といえます。

未払費用・前払いの取り扱いを確認する

年内にサービスの提供を受けたものの支払いが翌年になる費用(未払費用)も、要件を満たせば今年の経費に計上できる場合があります。たとえば12月分の外注費や通信費などが該当しやすい例です。逆に、来年分のサービスをまとめて前払いした場合は、原則として支払った年の経費にはできず、対応する期間に按分するのが基本です。ただし一定の短期前払費用には特例的な取り扱いもあるため、判断に迷うときは記帳のプロに確認すると安心です。

来年も使える設備投資・少額減価償却の活用

30万円未満の資産は一括で経費にできる特例

パソコンやカメラ、業務用の機材などを購入する場合、通常は減価償却として複数年に分けて経費化します。しかし青色申告をしている個人事業主には、取得価額30万円未満の資産を、購入した年に一括で経費にできる特例(少額減価償却資産の特例)があります。年間の合計額に上限がある点や、適用には期限が設けられている制度である点に注意は必要ですが、もともと買い替えを検討していた機材があるなら、利益が出た年に前倒しで導入するのは合理的な判断です。

「必要なものを前倒しで買う」が原則

設備投資による節税で大切なのは、あくまで事業に本当に必要なものを、買うタイミングを今年に寄せるという発想です。来年・再来年にどのみち買う予定だったものを、利益が出た今年に購入すれば、支出のタイミングを調整しながら課税所得を抑えられます。一方で、節税のためだけに使わないものを買うのは本末転倒です。手元資金とのバランスを見ながら、優先順位の高いものから検討しましょう。

共済・年金制度で「将来のためのお金」に振り替える

小規模企業共済で退職金を準備しながら節税

個人事業主の節税策として定番なのが小規模企業共済です。これは将来の廃業・退職に備えて積み立てる制度で、掛金の全額が所得控除の対象になります。掛金は月額の範囲内で自分で設定でき、状況に応じて増減も可能です。積み立てたお金は将来受け取れるため、ムダ遣いではなく「自分の将来のための資金移動」をしながら税負担を軽くできるのが大きな魅力です。利益が出た年こそ、掛金を見直す好機といえます。

iDeCoや国民年金基金で老後資金を厚くする

老後資金づくりと節税を同時に進めたいなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金も選択肢です。どちらも掛金が所得控除の対象となり、運用益が非課税になるなどの税制上のメリットがあります。ただし原則として60歳まで引き出せないなど、資金が長期間拘束される点には注意が必要です。手元に残しておくべき運転資金とのバランスを考えたうえで、無理のない範囲で活用しましょう。

来年に向けて準備しておきたい節税の土台

白色から青色申告へ切り替える

もし今まだ白色申告であれば、来年に向けた最大の節税の土台は青色申告への切り替えです。青色申告では、複式簿記での記帳と電子申告などの要件を満たすことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。これは利益から差し引ける控除のため、所得をまとめて圧縮できる効果があります。青色申告には事前の申請が必要で、適用したい年の決められた期限までに届け出る必要があるため、思い立ったら早めの手続きが肝心です。

家族への給与(専従者給与)を検討する

家族が事業を手伝っている場合、青色申告であれば青色事業専従者給与として、支払った給与を経費にできる制度があります。こちらも事前の届け出が必要で、給与額が労働の実態に見合っていることなどが求められます。所得を家族に分散することで、世帯全体での税負担を抑えられる可能性があります。来年から取り入れたい場合は、年内のうちに体制と手続きを整えておきましょう。

よくある質問

Q. 決算直前にあわてて物を買えば、それだけで税金は安くなりますか?

その買い物が事業に必要なものであれば経費になり、課税所得は下がります。しかし税金が減る額よりも支払う額のほうが大きいため、不要なものを買う「節税もどき」では手元のお金はむしろ減ってしまいます。まずは計上漏れの経費を拾い、共済など将来に残るお金への振り替えを優先するのがおすすめです。

Q. 小規模企業共済とiDeCoは両方やってもいいのですか?

制度上は併用が可能で、それぞれ所得控除を受けられます。ただし、どちらも一度始めると一定期間は資金が拘束されるため、手元の運転資金が不足しないかをよく確認したうえで、無理のない掛金から始めるのが安心です。

Q. 青色申告の届け出が間に合わなくても、今年の節税はできますか?

青色申告特別控除は今年には間に合わなくても、経費の計上漏れをなくす、小規模企業共済の掛金を見直すといった対策は白色申告でも有効です。今年できることに取り組みつつ、来年に向けて青色申告の申請を進めておきましょう。

まとめ:利益が出た年こそ、慌てず正しい順番で対策を

利益が出すぎた年の決算直前にできる節税策は、(1)計上漏れの経費を徹底的に拾う、(2)必要な設備を少額減価償却の特例を使って前倒しで導入する、(3)小規模企業共済やiDeCoで将来のためのお金に振り替える、(4)来年に向けて青色申告や専従者給与の準備を進める、という順で考えると整理しやすくなります。共通するのは「ムダ遣いではなく、必要な支出と将来への積み立てを適切に処理する」という発想です。

とはいえ、本業が忙しい中で、決算直前にこれらの判断を一つひとつ自分で行い、記帳から確定申告書類の作成までを進めるのは大きな負担です。経費の拾い漏れや制度の使い忘れが、そのまま余分な税負担につながってしまうこともあります。

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