ホーム

/

コラム一覧

/

海外移住する年の確定申告|出国時の手続き...

2026/8/11

海外移住する年の確定申告|出国時の手続きと納税管理人を解説

  • 確定申告

☑ 海外移住を予定しているけれど、その年の確定申告はどうすればいいのか分からない

☑ 「納税管理人」という言葉を聞いたが、何のために必要なのか理解できていない

☑ 出国するタイミングと申告のタイミングがずれそうで、手続きが間に合うか不安

仕事や家族の事情、あるいは生活拠点そのものを移すために、海外へ移住する個人事業主・フリーランスの方が増えています。日本国内でずっと暮らしてきた方にとって、出国する年の確定申告は普段とは勝手が違い、「いつ、誰が、どうやって申告するのか」がとても分かりにくいものです。出国後は日本にいないため、申告書を提出したり税金を納めたりする手段を、出国前にきちんと整えておく必要があります。

この記事では、海外移住する年に必要となる出国時の手続きを中心に、「納税管理人」とは何か、出国するタイミングごとに申告期限がどう変わるのか、そして所得税以外に注意したい税金まで、個人事業主・フリーランスの目線で順を追って解説します。最後まで読めば、出国前に何を準備しておけばよいかの全体像がつかめるはずです。

海外移住すると「居住者」から「非居住者」に変わる

居住者と非居住者で課税の範囲が変わる

所得税の世界では、その人が日本の「居住者」か「非居住者」かによって、課税される所得の範囲が大きく変わります。ざっくり言うと、日本に生活の本拠(住所)がある人や、1年以上にわたって日本に居所がある人が居住者にあたります。海外へ生活拠点を移して移住する場合、その時点から「非居住者」として扱われるのが原則です。

居住者は、日本国内で得た所得だけでなく、海外で得た所得も含めて日本で申告・納税する義務があります。一方、非居住者になると、原則として「日本国内で生じた所得(国内源泉所得)」だけが日本での課税対象になります。つまり、海外移住によって日本の税金との関わり方そのものが変わるということです。

「住民票を抜く=非居住者」とは限らない

よく「海外転出届を出して住民票を抜けば非居住者になる」と思われがちですが、税務上の居住者・非居住者の判定は、住民票の有無だけで自動的に決まるわけではありません。生活の本拠が実際にどこにあるか、家族や資産の所在、滞在の状況などを総合的に見て判断されます。

たとえば、家族を日本に残したまま単身で短期的に海外に出るようなケースでは、判定が微妙になることがあります。自分が非居住者にあたるのかどうか迷う場合は、自己判断で進めず、出国前に専門家へ確認しておくと安心です。判定を誤ると、本来日本で申告すべき所得を申告しそびれてしまうおそれがあります。

出国する年の確定申告は「出国までの分」をまとめる

その年の1月1日から出国日までの所得が対象

海外移住する年は、居住者だった期間(その年の1月1日から出国日まで)に生じた所得について、確定申告が必要になります。事業を営んでいる個人事業主・フリーランスであれば、出国するまでに得た売上や経費を集計して、出国までの事業所得を計算することになります。

出国後に日本国内で所得が生じる場合(たとえば日本国内の不動産を貸して家賃収入を得る、日本国内の取引先から国内源泉所得を受け取るなど)は、非居住者としてその分の申告・納税が引き続き必要になることもあります。出国前と出国後で課税のルールが切り替わる、というイメージを持っておくとよいでしょう。

申告期限は「出国のしかた」で変わる

ここが海外移住の確定申告で特につまずきやすいポイントです。申告期限は、出国前に「納税管理人」を決めて届け出るかどうかによって変わります。

  • 納税管理人を定めて届け出た場合:通常の確定申告と同じく、翌年の確定申告期間(原則2月16日〜3月15日)までに申告すればよくなります。出国後は納税管理人が手続きを代行してくれます。

  • 納税管理人を定めずに出国する場合:原則として、出国の時までに、その年の出国時までの所得について申告(いわゆる準確定申告的な手続き)を済ませる必要があります。出国前に申告と納税を終えなければならないため、慌ただしくなりがちです。

つまり、納税管理人を立てるかどうかで、申告のタイミングが「翌年でよい」のか「出国前に必要」なのかが大きく変わるということです。スケジュールに余裕を持たせたいなら、納税管理人を活用する方法が現実的です。

納税管理人とは何か、誰に頼めるのか

出国後の納税手続きを日本国内で代わりに行う人

納税管理人とは、海外に移住して日本にいなくなる人(本人)に代わって、日本国内で確定申告書の提出や税金の納付、税務署からの書類の受け取りといった納税に関する手続きを行う人のことです。本人が日本を離れても、日本国内に窓口となる人を置いておくための制度だと考えると分かりやすいでしょう。

納税管理人を定めるときは、所轄の税務署に「納税管理人の届出書」を提出します。原則として出国の時までに届け出ておくことで、申告期限を通常どおり(翌年の確定申告期間まで)に保つことができます。

家族・知人でも、税理士などの専門家でも構わない

納税管理人になれる人に特別な資格は必要ありません。日本国内に住んでいる人であれば、家族や親族、信頼できる知人などを納税管理人にすることもできます。ただし、納税管理人になった人は、出国後に申告書の作成や提出、納税といった実務を担うことになります。

「家族に頼んだものの、確定申告の知識がなくて結局手続きが滞ってしまった」というのは避けたいところです。事業の規模が大きい、申告内容が複雑、あるいは身近に頼める人がいないといった場合は、税理士などの専門家に納税管理人を依頼することも選択肢になります。誰に頼むかを早めに決めておくと、出国前後の負担をぐっと減らせます。

出国前にやっておきたい準備と段取り

出国前に書類と帳簿を整えておく

海外に出てしまうと、日本国内の書類を取り寄せたり、必要な手続きをしたりするのが一気に難しくなります。出国前に、次のようなものをできるだけ整えておくと、その後の申告がスムーズになります。

  • その年の1月1日から出国日までの売上・経費が分かる帳簿や領収書・請求書

  • 事業に関する契約書や、取引先とのやり取りの記録

  • 銀行口座の入出金が確認できる資料(通帳やネットバンキングの取引履歴など)

  • 出国後も日本国内で所得が生じる場合は、その内容が分かる資料

特に領収書や請求書は、出国前にまとめてデータ化(スキャンや撮影)しておくと、海外からでも内容を確認しやすくなります。紙の山を日本に残したまま出国すると、後で納税管理人が集計に苦労することになりがちです。

納税方法と連絡手段を決めておく

申告だけでなく、「どうやって税金を納めるか」も出国前に考えておきましょう。海外からでも納付できるよう、口座振替やネット経由での納付の準備、あるいは納税管理人を通じた納付の段取りを整えておくと安心です。

また、税務署からの書類は基本的に日本国内に届きます。納税管理人を定めていれば、その人が受け取って対応できますが、定めていない場合は重要な通知を受け取れないおそれがあります。出国後も連絡が取り合えるよう、メールなどの連絡手段と、誰が日本国内の窓口になるのかをはっきりさせておくことが大切です。

所得税以外で見落としやすい税金

住民税は「前年の所得」に対してかかる

住民税は、その年の1月1日時点で日本国内に住所がある人に対して、前年の所得をもとに課税される仕組みです。つまり、年の途中で海外移住しても、その時点までの状況によっては、前年分の住民税を引き続き納める必要が出てくることがあります。

出国によって住民税を自分で納めにくくなる場合は、納税管理人を通じて納付したり、出国前にまとめて納付したりといった対応を検討します。住民税は所得税とは別の手続きになるため、「所得税の申告さえ済ませれば終わり」と思い込まないように注意しましょう。

消費税の納税義務がある場合も忘れずに

個人事業主・フリーランスの中には、消費税の課税事業者として消費税の申告・納税義務がある方もいます。海外移住する場合でも、その年の課税対象となる取引について消費税の申告が必要なケースがあります。所得税の確定申告に気を取られて、消費税の手続きを見落とさないようにしましょう。

自分が消費税の課税事業者にあたるのか、出国する年の消費税はどう扱われるのかは、事業の状況によって変わります。判断に迷う場合は、出国前に専門家へ相談しておくと安心です。

よくある質問

Q. 住民票を抜いて海外に行けば、もう日本で確定申告しなくてよいですか?

いいえ、そうとは限りません。海外移住する年は、居住者だった期間(その年の1月1日から出国日まで)の所得について確定申告が必要になるのが原則です。また、出国後も日本国内で家賃収入などの国内源泉所得がある場合は、非居住者として引き続き申告・納税が必要になることがあります。住民票の有無だけで判断せず、ご自身の所得の内容を確認しましょう。

Q. 納税管理人は必ず立てなければいけませんか?

必ずしも立てる必要はありません。ただし、納税管理人を定めずに出国する場合は、原則として出国の時までにその年の出国時までの所得を申告・納税する必要があり、スケジュールが非常にタイトになります。翌年の確定申告期間まで余裕を持って申告したい場合は、出国前に納税管理人を定めて届け出ておくのが現実的です。

Q. 出国後に「申告し忘れていた所得」が見つかったらどうすればいいですか?

気づいた時点で、できるだけ早く正しい内容で申告・納税の対応をすることが大切です。日本国内に納税管理人を置いていれば、海外にいても納税管理人を通じて対応しやすくなります。放置すると後から思わぬ負担が生じることもあるため、不安な点は早めに専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ:海外移住の年は「出国前の段取り」が成否を分ける

海外移住する年の確定申告では、居住者だった期間(その年の1月1日から出国日まで)の所得をまとめて申告する必要があり、納税管理人を定めて届け出れば申告期限を翌年の確定申告期間まで延ばせます。逆に定めない場合は出国の時までに申告・納税を済ませなければなりません。あわせて、住民税は前年の所得に対してかかる点や、消費税の課税事業者であればその手続きも必要になる点など、所得税以外の税金にも目を配ることが欠かせません。出国してしまうと書類の取り寄せや手続きが一気に難しくなるため、帳簿・領収書の整理、納税管理人や納付方法の決定といった準備を、出国前に余裕をもって進めておくことが何より大切です。

とはいえ、移住の準備で慌ただしい中、出国前の限られた時間で帳簿付けから申告書類の作成まで自分一人でやり切るのは、想像以上に大きな負担です。やり残しがあれば、海外に出てから対応するのはさらに困難になります。

「領収書丸投げドットコム」では、領収書や請求書を郵送やスマホ撮影で送っていただくだけで、記帳から確定申告書類の作成までをサポートします。出国前のあわただしい時期でも、面倒な帳簿付けはお任せいただき、移住の準備に集中していただけます。海外移住を控えて確定申告に不安のある個人事業主・フリーランスの方は、出国前の早めのタイミングで、お気軽にご相談ください。

これらの悩み・経理の課題

領収書丸投げドットコムが解決します!

個人事業主の記帳代行は月額6,600円(税込)から

領収書丸投げドットコムは
事業者様の代わりに仕分け・記帳業務を丸っと代行します

個人事業主の基本プランは月額6,600円(税込)、領収書枚数による追加料金・初期費用は0円です。過去分は開始月から申込月まで初回一括請求。4月申込み・1月開始なら4か月分26,400円(税込)です。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別見積もり。確定申告書の作成・提出は月額に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。

詳しく見る

このような方におすすめ!

領収書が山積みで
時間不足

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

確定申告
期限ぎりぎりでパニック

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

領収書丸投げドットコムに
記帳代行を任せるメリット

税理士監修で
経理の不安から解放

税理士監修の体制により、勘定科目の妥当性や青色申告要件を確認しながら記帳を行います。申告や税務調査を見据えた帳簿を整えることで、経理に対する不安や将来的なリスクを大きく軽減します。

仕訳・記帳の
悩みとストレスから解放

領収書の整理や勘定科目の判断に毎回迷う必要がなくなります。専門スタッフが仕訳・記帳を代行するため、入力ミスや科目選択のストレスから解放され、経理作業を後回しにする不安もなくなります。

記帳の
時間と労力を大幅に節約

これまで記帳に費やしていた時間と労力を大幅に削減できます。領収書を送るだけで帳簿が整うため、本業や営業活動、売上づくりに集中できる環境をつくることが可能です。