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個人事業主の住宅ローン控除をフル活用する...

2026/8/11

個人事業主の住宅ローン控除をフル活用する方法を解説

  • 税金

☑ 個人事業主でも住宅ローン控除は受けられるのか不安

☑ 自宅で仕事をしていると控除が減ると聞いて心配

☑ 確定申告で住宅ローン控除をどう書けばいいかわからない

マイホームを購入したとき、多くの方が利用したいと考えるのが「住宅ローン控除」です。会社員なら年末調整である程度自動的に処理されますが、個人事業主は自分で確定申告を行う必要があり、自宅を事業に使っていると控除額に影響が出ることもあります。「自分は本当に控除を受けられるのか」「家事按分をしていると損をするのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、個人事業主が住宅ローン控除をフル活用するためのポイントをわかりやすく解説します。控除を受ける基本条件から、自宅兼事務所の場合の注意点、確定申告の進め方、控除しきれないときの考え方まで実務に役立つ内容を整理しました。読み終えるころには、自分のケースで何に気をつければよいかが見えてくるはずです。

個人事業主でも住宅ローン控除は受けられる

住宅ローン控除とはどんな制度か

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度です。一定の条件を満たすマイホームを住宅ローンで購入・新築・増改築した場合に、年末時点のローン残高に応じた金額を、その年の所得税から直接差し引くことができます。所得控除ではなく「税額控除」である点が大きな特徴で、計算された税額そのものから引かれるため、節税効果が非常に大きい制度です。

控除を受けられる期間は新築か中古か、住宅の性能などによって異なりますが、複数年にわたって継続して受けられるのが一般的で、期間中は毎年の確定申告(会社員なら年末調整)で適用していきます。

会社員と個人事業主で何が違うのか

住宅ローン控除そのものは、会社員でも個人事業主でも受けられ、制度の内容に職業による差はありません。違うのは「手続きの方法」です。会社員は初年度こそ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で処理できます。一方、個人事業主には年末調整がないため、控除を受ける全期間にわたって自分で確定申告する必要があります。

つまり個人事業主は「申告を忘れる」「書類が足りずに適用できない」といったミスが起こりやすいということです。逆に言えば、ポイントを押さえて毎年きちんと申告すれば、会社員と同じようにしっかり恩恵を受けられます。

控除を受けるための主な条件を整理する

住宅と入居に関する条件

住宅ローン控除を受けるには、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。代表的なものは次のとおりです。

  • 取得後、原則6か月以内に入居し、その年の年末まで引き続き住んでいること

  • その住宅に自分が実際に住んでいること(別荘やセカンドハウス、賃貸用は対象外)

  • 床面積が一定以上で、その2分の1以上を自分の居住用として使っていること

  • 中古住宅の場合は、一定の耐震性などの要件を満たしていること

「自分が住むための家であること」が大前提です。事業専用の事務所や店舗としてだけ使う建物は、原則として対象になりません。

ローンと所得に関する条件

借入金にも条件があります。返済期間が原則10年以上の住宅ローンで、金融機関などからの借入であることが必要です。親族からの借入や勤務先からの著しく低い金利の融資などは、対象外となる場合があります。

また、控除を受ける年の合計所得金額が一定額以下であることも条件です。事業がうまくいって所得が大きく増えた年は、この所得要件を超えて控除を受けられないこともあります。所得の変動が大きい個人事業主にとっては、会社員にはない注意点と言えます。

自宅兼事務所の家事按分との関係に注意

事業に使っている部分は控除の対象外になる

個人事業主が最も注意すべきなのが、自宅を仕事場としても使っているケースです。たとえば自宅の一室を仕事部屋にして面積の20%を事業用に家事按分し、住宅ローンの利息や固定資産税を経費にしている場合、その「事業用部分」は住宅ローン控除の対象外となります。

住宅ローン控除は「居住用部分」に対する制度だからです。仮に床面積の80%を居住用、20%を事業用とするなら、控除もおおむね居住用の80%相当に対して行うイメージです。経費化した分まで二重に優遇は受けられない、と理解しておきましょう。

居住用の割合が大きいときの特例的な扱い

一方で、事業用に使っている割合がごくわずかな場合には、全体を居住用とみなして控除を受けられる取り扱いがあります。一般的には、居住用部分の割合が高い(おおむね9割以上が居住用といった水準)場合に、全体を居住用として住宅ローン控除を適用できるとされています。

つまり、家事按分の割合をどう設定するかが、経費計上と住宅ローン控除の両方に影響します。経費を増やそうと事業用割合を大きくしすぎると、かえって住宅ローン控除が減ってしまうこともあるため、按分割合は慎重に判断しましょう。

家事按分と控除を両立させる考え方

住宅ローン控除は税額から直接引かれるため効果が大きく、控除期間中はあえて事業用割合を控えめにして控除を最大化したほうが有利なケースもあります。逆に控除期間が終わったあとは、家事按分で経費をしっかり計上したほうが節税につながります。その年ごとにどちらのメリットが大きいかを見ながら、按分割合を見直す姿勢が大切です。

確定申告での具体的な進め方

初年度に必要な書類と手続き

住宅ローン控除を受ける最初の年は、確定申告で必要書類をそろえて申告します。主に必要となるのは次の書類です。

  • 金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書

  • 売買契約書や工事請負契約書の写し(取得金額や床面積を確認するため)

  • 住宅の登記事項証明書など、取得を証明する書類

  • 住宅の性能に関する証明書(一定の住宅の場合)

確定申告書に加えて、住宅ローン控除専用の計算明細書を作成して控除額を記入します。初年度は確認すべき書類が多いため、早めに準備を始めると安心です。

2年目以降の申告で気をつけること

会社員は2年目以降を年末調整で済ませられますが、個人事業主は毎年の確定申告で住宅ローン控除を適用し続ける必要があります。金融機関から届く残高証明書をもとに、年末残高に応じた控除額を計算して申告します。

残高証明書を紛失すると再発行の手間がかかりますし、申告そのものを忘れるとその年の控除が受けられなくなります。控除は期間が決まっているため、一年分の申告漏れがそのまま損失につながります。書類の保管と申告スケジュールの管理は、しっかり行いましょう。

確定申告の時期と提出方法

確定申告は原則として毎年2月16日から3月15日までに行います。事業の売上や経費の集計と並行して住宅ローン控除の計算も行うため、この時期は個人事業主にとって特に忙しくなります。電子申告を使えば自宅から提出でき、添付書類の一部を省略できる場合もあるので、早めに準備して余裕をもって申告したいところです。

控除しきれないときの考え方とよくある誤解

所得税から引ききれない場合

控除額がその年の所得税額より大きいと、所得税からは全額を引ききれないことがあります。この場合、一定の範囲で翌年度の住民税からも控除を受けられる仕組みがあるため、所得が少ない年でもメリットが無駄になるわけではありません。ただし住民税からの控除には上限があり、もともとの所得税額が小さい個人事業主は控除額の一部を使いきれないこともあります。だからこそ、事業用割合や所得の状況を踏まえて、どの程度の控除を活かせるかを意識することが大切です。

赤字の年や青色申告との関係

住宅ローン控除は税額控除なので、そもそも所得税が発生しない赤字の年には効果が出ません。また、青色申告特別控除(最大65万円)などの所得控除で所得を圧縮しすぎると、所得税がほとんど発生せず住宅ローン控除を活かしきれない状況も起こり得ます。所得控除と税額控除は性質が異なるため、両方をやみくもに最大化すればよいわけではなく、自分の所得規模に応じてどの控除をどこまで使うかのバランスを考えることが、結果的に「フル活用」につながります。

よくある質問

Q. 自宅でほとんど仕事をしていますが、住宅ローン控除は受けられますか

居住用として使っている部分があり、条件を満たしていれば受けられます。ただし事業用として家事按分している部分は控除の対象外になり、事業用割合が大きいほど控除は小さくなります。なお、事業用がごくわずかな場合は全体を居住用として扱える取り扱いもあります。

Q. 開業前に買った家のローンでも控除は受けられますか

取得時点で条件を満たしていれば、その後に開業しても残りの控除期間について引き続き適用できます。開業後は自宅を事業にも使うようになった分だけ居住用割合が変わる可能性があるため、按分の見直しが必要になることがあります。

Q. 住宅ローン控除と医療費控除などは同時に使えますか

はい、併用できます。医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などの所得控除と、住宅ローン控除という税額控除は別々の仕組みで、確定申告書の中でそれぞれ計算して適用します。ただし所得税額が小さいと住宅ローン控除を引ききれない場合があるため、全体のバランスを見ながら申告しましょう。

まとめ:住宅ローン控除を賢く使い、申告は無理なく

個人事業主でも、条件を満たせば住宅ローン控除をしっかり活用できます。ポイントは、税額から直接引かれる効果の大きい制度であること、自宅兼事務所では家事按分との関係で控除額が変わること、年末調整がないため毎年自分で確定申告を続ける必要があることです。事業用割合の決め方や所得の状況で有利・不利が変わるため、長い目で見てバランスを取ることが「フル活用」の鍵になります。

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