見落としやすい経費20選|個人事業主の経費の見直しを解説
#
税金
☑ 経費にできるものを取りこぼしている気がする
☑ 「これも経費になるの?」と判断に迷う支出が多い
☑ レシートを捨ててしまい、後から経費にできず損した
確定申告のたびに「もっと経費にできたのでは」と感じる個人事業主の方は少なくありません。経費の計上漏れは、本来払わなくてよい税金を払ってしまうことにつながります。しかも、家事や日常生活と地続きの支出ほど「これは経費にしていいのか」と迷い、結局そのままにしてしまいがちです。
この記事では、個人事業主が見落としやすい経費を20項目に整理し、それぞれの考え方と注意点をやさしく解説します。読み終えるころには、自分の支出のどこに経費化のチャンスが眠っているのかが見え、経費の見直しに自信を持って取り組めるようになります。
そもそも「経費になるかどうか」の判断基準
事業に関連しているかが出発点
経費かどうかを判断するいちばんの基準は、その支出が事業の売上を得るために必要だったかです。プライベートの楽しみのための支出は経費になりませんが、事業の遂行に関係する支出であれば、業種によってさまざまなものが経費になり得ます。同じ「カフェ代」でも、友人とのおしゃべりなら経費外、取引先との打ち合わせなら会議費という具合に、目的によって扱いが変わります。
大切なのは、税務署から質問されたときに「なぜこれが事業に必要だったか」を自分の言葉で説明できることです。説明がつく支出は、思っているより幅広く経費にできます。
家事按分という考え方
自宅を仕事場にしている場合など、プライベートと事業の両方で使う支出は、事業で使った割合分だけを経費にできます。これを家事按分といいます。たとえば自宅家賃のうち仕事部屋が占める床面積の割合、電気代のうち作業時間の割合などを、合理的な基準で計算して経費にします。「全部は無理でも一部は経費にできる」と知っておくと、見落としがぐっと減ります。
家まわり・通信で見落としやすい経費
自宅兼事務所にひそむ経費(1〜5)
自宅で仕事をしている方が取りこぼしやすい代表例です。家事按分が前提になるものが多くあります。
1. 家賃:仕事に使うスペースの割合分
2. 電気・ガス・水道:事業で使う割合分。在宅作業が多いほど電気代の按分は意味を持ちます
3. 火災保険料:賃貸契約で加入している場合、事業使用割合分
4. 固定資産税・住宅関連の更新料:持ち家で事業使用がある場合の按分対象
5. 町内会費や共益費の一部:事業スペースに対応する分
通信・サブスクの取りこぼし(6〜9)
毎月自動で引き落とされる費用は、家計の出費だと思い込んで経費に入れ忘れがちです。
6. スマホ・携帯電話料金:仕事の連絡に使う割合分
7. 自宅のインターネット回線料:作業に使う割合分
8. 業務用ソフトやクラウドの月額利用料:会計ソフト、デザインツール、ストレージなど
9. ドメイン・サーバー代:自分のサイトやメールに使っているもの
移動・交際・情報収集で見落としやすい経費
移動とクルマまわり(10〜13)
外出の多い方ほど積み重なる支出ですが、領収書が出にくく記録が残らないため漏れやすい分野です。
10. 電車・バス代:打ち合わせや仕入れの移動。交通系ICの履歴を残しておくと便利です
11. ガソリン代・駐車場代・高速代:車を仕事に使う場合の使用割合分
12. 自動車関連費用:車検代、自動車保険、自動車税なども事業使用割合で按分できます
13. タクシー代:荷物が多いとき、終電後の移動など、業務上の必要があった場合
交際・会議・情報収集(14〜17)
「これは経費でいいのか」と迷ってあきらめがちな項目です。事業との関連が説明できれば計上できます。
14. 取引先との飲食・手土産:接待交際費。相手や目的をメモしておきましょう
15. 打ち合わせのカフェ代:会議費として計上できます
16. 書籍・新聞・有料記事:仕事に関係する情報収集なら新聞図書費
17. セミナー・オンライン講座の受講料:スキルアップが事業に直結するもの
備品・人・税金まわりで見落としやすい経費
少額の備品と消耗品(18〜19)
細かい買い物ほど「これくらいは経費にしなくても」と流してしまいがちですが、年間で集めるとまとまった金額になります。
18. 文房具・プリンターのインク・名刺・梱包資材:消耗品費として計上できます
19. パソコンや周辺機器:1点が一定金額未満なら消耗品費。高額なものは減価償却の対象になりますが、青色申告には少額の備品をまとめて経費にできる制度もあります
意外と忘れる「税金・保険」の経費(20)
支払った税金の中には、経費にできるものとできないものがあります。
20. 事業にかかる税金・会費:事業に使う資産の固定資産税、自動車税(事業使用分)、印紙税、商工会議所や同業者団体の会費などは経費(租税公課など)になります。一方、所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金は経費にはなりません(所得控除の対象になるものはあります)。ここを混同しないことが大切です。
銀行振込手数料や決済サービスの手数料、クレジットカードの年会費(事業用カード)なども支払手数料として計上できる代表例です。地味ですが回数が多いと無視できない金額になります。
経費の見直しを成功させる進め方
通帳とカード明細を1年分洗い出す
経費の取りこぼしを防ぐいちばん確実な方法は、事業用の口座とカードの明細を1年分すべて見返すことです。引き落としの中に、上で挙げたような「経費にできるのに家計扱いにしていたもの」が必ず眠っています。可能なら事業用とプライベート用の口座・カードを分けておくと、見直しの手間が大きく減ります。
家事按分のルールを決めて記録を残す
家事按分は「なんとなく半分」ではなく、面積・使用時間・使用日数など根拠のある基準で決め、その計算方法を残しておくことが重要です。一度ルールを決めれば毎年同じ基準で計算でき、説明も楽になります。按分の根拠メモは、後から見ても自分で再現できる形にしておきましょう。
領収書・レシートは捨てずに残す習慣を
経費にできるかどうか迷う支出ほど、レシートを捨てがちです。判断は後からでもできるので、まずは捨てずに残すのが鉄則です。スマホで撮影して保管しておけば、紙をなくす不安も減ります。記録さえ残っていれば、申告のときに落ち着いて取捨選択ができます。
よくある質問
Q. 経費にできるか迷ったら、とりあえず入れてもいいですか?
事業との関連を説明できないものを無理に入れるのは避けたほうが安全です。判断に迷うときは「なぜ事業に必要だったか」を一言メモできるかどうかを基準にしてみてください。説明がつかないものは経費にしない、というシンプルな線引きが、後々のトラブルを防ぎます。
Q. レシートをなくしてしまった支出は経費にできませんか?
レシートがなくても、出金の記録(通帳やカード明細)や、いつ・誰と・何のために支払ったかのメモがあれば経費として説明できる場合があります。特に電車代など領収書が出にくいものは、日付・経路・目的を記録しておくと安心です。とはいえ証拠は多いほどよいので、できるだけレシートは残しましょう。
Q. 過去の申告で経費を入れ忘れていたら、取り戻せますか?
納めすぎた税金は、原則として一定期間内であれば「更正の請求」という手続きで取り戻せる場合があります。気づいた時点で早めに検討するとよいでしょう。具体的な可否や手続きは状況によって変わるため、不安な場合は専門家に相談するのが確実です。
まとめ:見落とし経費の見直しは、いちばん手軽な節税です
今回ご紹介した20項目のように、見落としやすい経費は日常の支出の中にたくさん潜んでいます。家まわりや通信費の家事按分、移動・交際・情報収集の費用、少額の備品や手数料、そして経費にできる税金。これらを丁寧に拾い上げるだけで、課税対象となる所得は確実に下がります。経費の見直しは、新しく何かを始めなくても今ある支出を整理するだけでできる、もっとも手軽で確実な節税といえます。
とはいえ、1年分の明細をすべて洗い出し、家事按分の根拠を整え、どの支出をどの科目で計上するかを一つひとつ判断していく作業は、本業が忙しい中で自分一人で行うには大きな負担です。気づかないうちに取りこぼし、結果として払わなくてよい税金を払ってしまうのは、とてももったいないことです。
「領収書丸投げドットコム」では、たまった領収書や請求書を郵送やスマホ撮影で送るだけで、記帳から確定申告書類の作成までをサポートします。日々の支出を一つひとつ確認しながら経費を整理するので、自分では見落としていた経費に気づけることもあります。経費の見直しと申告の手間を減らしたい方は、まずはお気軽にご相談ください。








