補助金の入金前に必要なつなぎ資金の準備方法|後払いの資金繰りを解説
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税金

補助金の多くは精算払い(後払い)のため、採択されても入金までは経費を自分で立て替えます。立て替え総額と入金時期を把握し、自己資金・つなぎ融資・支払い調整を組み合わせれば、入金が多少遅れても耐えられる資金計画を立てられます。
「お金がもらえるのは全部終わってから」という後払いの仕組みに、採択後に戸惑う方は少なくありません。先に数十万円、数百万円の支払いが必要になることもあります。後払いの理由から、つなぎ資金の見積もりと準備の選択肢まで、順に整理していきましょう。
☑ 補助金が採択されたのに、入金は事業が終わってからと聞いて資金繰りが不安だ
☑ 設備や外注の支払いが先に発生して、手元のお金が足りるか心配になっている
☑ つなぎ資金をどう用意すればよいのか、選択肢がよくわからない
なぜ補助金は「後払い」なのかを理解しましょう
補助金は「精算払い」が原則
多くの補助金は、対象となる経費を事業者がいったん自分で支払い、その後に証拠書類を提出して精算するという仕組みになっています。これを精算払い(後払い)と呼びます。たとえば100万円の設備を補助率2分の1の補助金で導入する場合でも、まず事業者が100万円を支払い、実績報告のあとに50万円が振り込まれる、という流れが一般的です。
つまり、補助金が採択されても、すぐにお金が手元に入るわけではありません。事業の実施期間中はすべて自己資金や借入で立て替える必要がある、という点をまず押さえておきましょう。
入金までにかかるおおよその期間
補助金の入金は、対象事業の完了後に実績報告書を提出し、事務局の審査(検査)を経てから行われます。報告書の提出から入金までには、数週間から数か月かかることも珍しくありません。事業の実施期間そのものも数か月に及ぶことが多いため、最初の支払いから入金まで半年以上の開きが出るケースもあります。採択から入金までの全体の流れは補助金の入金までの流れで確認できます。
この「立て替えてから入金まで」の期間が長いほど、手元資金への負担が大きくなります。採択された喜びだけで進めず、入金時期を逆算した資金計画が欠かせません。
自己資金分も必ず必要になる
補助金は対象経費の全額を賄ってくれるわけではなく、補助率に応じた一部だけが補助されます。残りの自己負担分は、最終的にも自分で負担しなければなりません。さらに後払いの間は補助対象分まで含めた全額を立て替えるため、「自己負担分」と「立て替え分」の両方を意識して資金を見積もることが大切です。
つなぎ資金がどれくらい必要かを見積もる
立て替えが必要な総額を洗い出す
つなぎ資金を考える第一歩は、事業期間中に発生する支払いの総額を把握することです。設備の購入費、外注費、広告費、材料費など、補助対象になる経費はもちろん、補助対象外の経費や消費税分も含めて、いつ・いくら支払うのかを一覧にしてみましょう。
支払いの「金額」だけでなく「時期」も書き出す
補助対象経費と対象外経費を分けて整理する
消費税分は補助の対象外になることが多い点に注意する
支払いのスケジュールが見えると、どの時点で手元資金が最も苦しくなるかがはっきりします。
手元資金とのギャップを計算する
洗い出した支払い総額から、無理なく使える手元の自己資金を差し引いた金額が、おおまかなつなぎ資金の目安になります。日々の生活費や事業の運転資金まで補助金の支払いに回してしまうと、本業が回らなくなるおそれがあります。「補助金とは無関係に確保しておくべき生活・運転資金」を先に取り分けたうえで、不足分を計算するのが安全です。
入金が遅れる前提で余裕を持たせる
実績報告の不備や事務局からの確認で、入金が想定より遅れることもあります。ぎりぎりの資金計画にせず、入金が1〜2か月遅れても耐えられるよう、いくらか余裕をみておくと安心です。資金繰り表を作って、月ごとの入出金を見える化しておくと、どこで資金が不足するかを早めに察知できます。資金繰り表の具体的な作り方は資金繰り表の作り方で解説しています。
つなぎ資金を準備する主な方法
金融機関の融資・つなぎ融資を活用する
もっとも一般的なのが、金融機関からの借入です。日本政策金融公庫や地域の信用金庫・銀行では、補助金の入金までを橋渡しするつなぎ融資に対応してくれる場合があります。採択通知書(交付決定通知書)があると、補助金の入金が見込めることの裏づけになり、融資の相談を進めやすくなります。日本政策金融公庫の融資制度は、日本政策金融公庫の公式サイトで確認できます。
融資には審査や手続きの時間がかかるため、採択が決まったら早めに相談を始めることが肝心です。事業計画書や資金繰り表を用意して臨むと、話がスムーズに進みます。
制度融資・信用保証協会の保証を検討する
自治体が用意する制度融資や、信用保証協会の保証付き融資も選択肢になります。創業間もない方や担保が乏しい方でも利用しやすい場合があり、金利の一部を自治体が補助してくれる制度もあります。お住まいの自治体や商工会議所・商工会の窓口で、利用できる制度がないか確認してみましょう。創業融資と補助金を組み合わせて資金計画を立てる考え方は創業融資と補助金を組み合わせる資金計画が参考になります。
自己資金・支払いタイミングの調整でしのぐ
借入に頼らず、自己資金や支払い条件の工夫でしのぐ方法もあります。
余裕資金の範囲で自己資金を充てる
取引先に支払いサイト(支払い期日)の相談をする
設備をリースにして初期の一括支出を抑える
ただし、無理な支払い延期は取引先との信頼関係に影響しかねません。借入と自己資金、支払い調整を組み合わせて、バランスのよい資金計画を立てるのがおすすめです。
つなぎ資金で失敗しないための注意点
交付決定前の支払いは補助対象外になりやすい
多くの補助金では、交付決定(交付決定通知)より前に発注・契約・支払いをした経費は補助の対象外になります。資金繰りを急ぐあまり交付決定を待たずに発注してしまうと、せっかくの経費が補助されず、つなぎ資金の計画も崩れてしまいます。支払いの開始時期は、必ず公募要領で対象期間を確認してから判断しましょう。
融資の返済原資をはっきりさせておく
つなぎ融資はあくまで一時的な立て替えのための借入です。補助金が入金されたら、その資金で速やかに返済する、という出口を最初から描いておきましょう。補助金の入金額と返済額、返済時期を資金繰り表に書き込み、「いつ・いくらで返すか」を明確にしておくと、借りすぎや返済の遅れを防げます。
証拠書類の整備を後回しにしない
補助金の入金は、実績報告で経費の証拠書類(見積書・契約書・請求書・領収書・振込記録など)がそろっていることが前提です。書類に不備があると、審査が長引いたり、最悪の場合は補助額が減額されたりして、入金がさらに遅れます。支払いのつど書類を整理・保管しておくことが、つなぎ資金の負担を最小限にする近道です。
よくある質問
Q. つなぎ資金として借りたお金の利息は経費になりますか?
事業のための借入であれば、その利息は原則として「利子割引料」などの勘定科目で必要経費に計上できます。一方で、借入金の元本の返済は経費にはならず、補助金の入金そのものも収入(雑収入など)として扱う処理が必要です。仕訳に迷う場合は、帳簿づけの段階で専門家に確認しておくと安心です。
Q. 受け取った補助金には税金がかかりますか?
事業に関連して受け取った補助金は、原則として所得税の課税対象になります(収入金額に含めて計算します)。ただし、固定資産の取得に充てた補助金には「圧縮記帳」という、課税を一時的に繰り延べる仕組みを使える場合があります。扱いがわかりにくい部分なので、確定申告の前に処理方法を整理しておきましょう。補助金の会計処理や確定申告に不安があれば、確定申告の代行を利用する方法もあります。
Q. つなぎ融資はどのタイミングで相談すればよいですか?
交付決定(採択)の通知を受けたら、できるだけ早く相談を始めるのがおすすめです。融資には審査の時間がかかるため、最初の支払い時期から逆算して動く必要があります。交付決定通知書や事業計画書、資金繰り表を用意して窓口に臨むと、話が前に進みやすくなります。
結論|補助金は「もらうまでの資金繰り」までが勝負
補助金は精算払い(後払い)が原則のため、採択されても入金までは自分で経費を立て替える必要があります。立て替え総額と入金時期を把握し、自己資金・つなぎ融資・支払い調整を組み合わせて、入金が多少遅れても耐えられる資金計画を立てておくことが、補助金を安心して活用するためのカギになります。
支払いの整理や証拠書類の管理、補助金や利息の経理処理まで、本業のかたわらでこなすのは重い作業です。書類の不備で入金が遅れれば、つなぎ資金の負担もそのぶん増えてしまいます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








