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補助金を受け取ったときの記帳と圧縮記帳の...

2026/8/11

補助金を受け取ったときの記帳と圧縮記帳のやり方を解説

  • 税務

☑ 補助金が振り込まれたけれど、どう記帳すればいいのかわからない

☑ 補助金で機械を買ったら、その分まで税金がかかるのが納得いかない

☑ 「圧縮記帳」という言葉を聞いたが、自分にも関係あるのか知りたい

事業を続けていると、国や自治体の補助金・助成金を受け取る機会があります。せっかくもらえたお金なのに、いざ振り込まれてみると「これは売上なの?」「税金はかかるの?」と戸惑う方が少なくありません。とくに補助金で設備を購入したとき、補助金が収入として課税され、思っていたより手元にお金が残らないと感じることもあります。

この記事では、補助金を受け取ったときの基本的な記帳のやり方から、課税のタイミングをずらす「圧縮記帳」というしくみまで、個人事業主・フリーランスの方にもわかりやすく解説します。読み終えるころには、補助金が振り込まれてもあわてずに処理できるようになり、節税につながる選択肢があることも理解できるはずです。

補助金は課税される?まず知っておきたい基本

補助金・助成金は原則として「収入」になる

多くの方が誤解しがちですが、国や自治体から受け取る補助金・助成金は、原則として税金の対象になる収入です。返済不要のお金だからといって非課税になるわけではありません。事業に関連して受け取ったものは、事業所得の計算に含めて考えるのが基本です。

たとえば、販路開拓のために受け取った補助金や、設備投資を支援する補助金などは、事業の収入として扱われます。一方で、新型の感染症対策などで支給された一部の給付金には、特別に非課税とされたものもありました。どちらに当たるかは支給の根拠によって変わるため、受け取った補助金がどういう性質のものかを確認することが大切です。

勘定科目は「雑収入」が基本

補助金を記帳するときは、本業の売上とは区別して「雑収入」という勘定科目を使うのが一般的です。商品やサービスを売って得たお金ではないため、売上高には入れず、雑収入として収入の部に計上します。

たとえば50万円の補助金が普通預金に振り込まれた場合、借方を「普通預金 500,000円」、貸方を「雑収入 500,000円」と記帳します。これで補助金が事業の収入として帳簿に反映されます。確定申告の際には、この雑収入も含めて所得を計算することになります。

消費税の扱いには注意

補助金は、原則として消費税の課税対象にはなりません。商品やサービスの対価ではなく、いわば「もらったお金」だからです。そのため消費税の計算上は、補助金収入は不課税(課税対象外)として扱うのが基本です。帳簿づけのときに税区分を間違えないよう、補助金の入金は「対象外」として処理しておくと安心です。

補助金を受け取ったタイミングと記帳の考え方

いつの収入にするか(収入計上時期)

補助金は、申請してから実際に振り込まれるまで時間がかかることが多く、「いつの年の収入にすればいいのか」が悩みどころです。基本的な考え方は、補助金の交付が正式に決まった時点、つまり交付決定があった日の属する年の収入とします。実際の入金が翌年にずれ込んでも、決定が当年であれば当年の収入として計上するのが原則です。

ただし、補助金の種類や決定の内容によって判断が分かれる場合もあります。交付決定通知書や交付要綱に記載された条件をよく確認し、迷うときは支給元や専門家に確認しておくと安心です。

未収のまま年をまたぐときの処理

交付決定は当年にあったものの、入金が翌年になるケースでは、「未収入金」という科目を使います。交付決定時に「未収入金/雑収入」と記帳して当年の収入とし、翌年に入金されたタイミングで「普通預金/未収入金」と振り替えます。こうすることで、収入を計上する年と実際にお金が入る年がずれても、帳簿が正しくつながります。

経費との対応関係を意識する

補助金は、特定の支出を支援する目的で支給されることがほとんどです。たとえば「広告費の一部を補助する」「設備購入費の一部を補助する」といった具合です。記帳の際は、補助金収入と、それに対応する経費の両方をきちんと帳簿に残すことが重要です。補助金で買ったものでも、経費や資産として通常どおり計上し、補助金は別途収入として計上する、という二本立てで考えるのが基本になります。

補助金で設備を買ったときの問題と「圧縮記帳」

なぜ補助金で設備を買うと税負担が増えるのか

補助金で機械や設備を購入した場合、ここで一つの問題が生まれます。補助金は収入として課税される一方、購入した設備は「固定資産」となり、その年に全額を経費にはできず、何年もかけて少しずつ減価償却していくことになります。

つまり、補助金という収入はその年にまるごと課税されるのに、対応する設備の経費は少しずつしか計上できません。結果として、補助金を受け取った年に税負担が一気に重くなってしまうのです。せっかくの補助金が税金で目減りしてしまうこの問題を和らげるしくみが、これから説明する「圧縮記帳」です。

圧縮記帳とは何か

圧縮記帳とは、補助金などで取得した資産について、補助金に相当する金額をその資産の取得価額から差し引き(圧縮し)、その分を「圧縮損」として経費に計上する処理のことです。これにより、補助金収入による利益の増加を、同じ年の圧縮損で打ち消すことができます。

ポイントは、圧縮記帳は税金が「なくなる」しくみではなく、税金を将来に先送りするしくみだという点です。資産の帳簿価額を下げることで、その後の減価償却費は小さくなります。つまり、補助金を受け取った年の負担は軽くなりますが、その分、翌年以降の経費が減り、トータルで見た税負担は基本的に変わりません。あくまで「課税のタイミングを後ろにずらす」制度だと理解しておきましょう。

圧縮記帳の具体的なイメージ

たとえば、100万円の機械を、60万円の補助金を使って購入したとします。圧縮記帳を使わない場合、補助金60万円は収入として課税され、機械は100万円の資産として減価償却していきます。

一方、圧縮記帳を使う場合は、機械の取得価額100万円から補助金相当の60万円を圧縮し、帳簿上は40万円の資産として扱います。圧縮した60万円は圧縮損として経費に計上されるため、補助金収入60万円と相殺され、その年の利益への影響が抑えられます。代わりに、以後の減価償却は40万円をもとに計算するため、毎年の償却費は小さくなります。

圧縮記帳を使うときの注意点と判断のポイント

使えるのは一定の条件を満たす補助金

圧縮記帳は、すべての補助金で無条件に使えるわけではありません。国庫補助金等で固定資産を取得した場合など、一定の要件を満たすケースに限られます。補助金を受け取り、その補助金で固定資産を取得したことなどが基本的な条件になります。受け取った補助金が圧縮記帳の対象になるかどうかは、補助金の根拠や使いみちによって変わるため、事前の確認が欠かせません。

申告書への記載や帳簿の整備が必要

圧縮記帳を適用するには、帳簿に正しく圧縮損を記録し、確定申告の際にも所定の方法で記載・添付を行う必要があります。単に「補助金を相殺すればいい」というものではなく、決められた手続きにそって処理しなければ認められません。書類の不備で適用が受けられなくなるのを防ぐためにも、処理のしかたは慎重に確認しましょう。

必ずしも有利とは限らない

圧縮記帳はあくまで課税の繰り延べであり、トータルの税額が減るわけではありません。たとえば、今年の所得がそれほど多くないなら、無理に圧縮記帳を使わず通常どおり処理したほうが、結果として有利になることもあります。逆に、補助金を受け取った年だけ所得が大きくふくらみそうなら、圧縮記帳で負担をならす効果が期待できます。自分の所得状況を踏まえて、使うかどうかを判断することが大切です。

記帳でよくある失敗とその防ぎ方

補助金を売上に混ぜてしまう

よくある失敗が、補助金を本業の売上高として記帳してしまうことです。補助金は事業の対価ではないため、売上とは区別して雑収入で計上するのが基本です。売上に混ぜてしまうと、本業の実態がわかりにくくなり、消費税の計算にも影響が出かねません。入金があったら、まず「これは売上か、それ以外の収入か」を確認するくせをつけましょう。

収入として計上し忘れる

もう一つ多いのが、補助金を収入として計上し忘れるケースです。返済不要のお金なので「もらっただけ」という感覚になりがちですが、原則として課税対象の収入です。計上を漏らすと、あとから所得の申告漏れを指摘される可能性があります。通帳に見慣れない入金があったら放置せず、内容を必ず確認しておきましょう。

証拠書類を残していない

補助金は、交付決定通知書や実績報告書など、関連する書類がいくつも発生します。これらは記帳の根拠になるだけでなく、収入計上の時期を判断する材料にもなります。書類を捨ててしまうと、あとで処理を確認したいときに困ります。補助金に関する書類は、領収書や請求書と同じようにまとめて保管しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 少額の助成金でも記帳しないといけませんか?

はい。金額の大小にかかわらず、事業に関連して受け取った助成金は原則として収入になります。少額だからといって省略すると、申告漏れにつながるおそれがあります。雑収入として、もれなく帳簿に記録しておきましょう。

Q. 圧縮記帳をしないと損をしますか?

必ずしもそうとは限りません。圧縮記帳は税金を将来に先送りするしくみで、トータルの税額が減るわけではありません。その年の所得状況によっては、使わないほうが結果的に有利なこともあります。補助金を受け取った年に所得が大きくふくらむ場合に、負担をならす効果が期待できると考えておくとよいでしょう。

Q. 補助金の入金が翌年になりました。どちらの年の収入ですか?

基本的には、交付決定があった日の属する年の収入として計上します。入金が翌年にずれ込む場合は、交付決定の年に「未収入金」として収入計上し、翌年の入金時に振り替えます。ただし補助金の内容によって判断が分かれることもあるため、迷うときは交付要綱を確認しましょう。

まとめ:補助金は正しく記帳し、圧縮記帳もうまく活用しましょう

補助金・助成金は、原則として課税対象の収入であり、本業の売上とは区別して「雑収入」で記帳するのが基本です。収入計上のタイミングは交付決定の年が原則で、入金が翌年になるなら未収入金を使います。そして、補助金で設備を購入したときに税負担が一気に重くなるのを和らげるのが「圧縮記帳」です。ただしこれは税金を将来に繰り延べる制度であり、自分の所得状況を踏まえて使うかどうかを判断することが大切です。

とはいえ、補助金の収入計上時期の判断や、未収入金の振り替え、圧縮記帳の手続きまでを、本業をこなしながら自分一人で正しく行うのは、なかなか大変なものです。慣れない処理につまずいて、申告の時期にあわてて対応している、という方も少なくありません。

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