補助金の勘定科目と仕訳|個人事業主は雑収入?記帳の基本を解説
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税金

補助金を受け取った個人事業主の記帳は、原則「雑収入」で計上します。交付決定から入金までの仕訳例、法人で使う受贈益との違い、固定資産を買ったときの総収入金額不算入の特例まで、採択後の経理でつまずかないための基本を具体例つきで整理します。
補助金が採択されて安心したのもつかの間、「入金されたお金はどの勘定科目で処理すればいいの?」と手が止まってしまう方は少なくありません。売上に入れてよいのか、雑収入なのか、固定資産を買った場合はどうなるのか。会計ソフトの入力画面を前に迷ってしまうのは、補助金特有の会計ルールを知らないだけで、順番に押さえれば決して難しくありません。
☑ 補助金が入金されたが、どの勘定科目で受ければよいかわからない
☑ 補助金を「売上」に入れてしまってよいのか不安だ
☑ 補助金で機械や備品を買ったときの仕訳がイメージできない
ここでは、個人事業主が補助金を受け取ったときの勘定科目の考え方、交付決定・入金・支出それぞれの仕訳例、そして固定資産を取得した場合の特例までを具体的に取り上げます。最後まで目を通せば、自分の帳簿にどう記帳すればよいかがはっきりします。
補助金の勘定科目は「雑収入」が基本
個人事業主が事業に関連して受け取った補助金は、原則として「雑収入」で計上します。売上(事業収入)ではなく、事業所得の総収入金額に含める雑収入として扱うのが基本です。法人で使う「国庫補助金受贈益」といった科目は個人事業主では使いません。
なぜ「売上」ではなく「雑収入」なのか
売上は、商品やサービスを提供した対価として得る収入です。補助金は事業活動の対価ではなく、国や自治体が政策目的で交付するお金なので、本業の売上とは区別して記録します。区別しておくと、後から「本来の売上はいくらだったか」が明確になり、経営分析や金融機関への説明もしやすくなります。
事業に関係ない給付金は「事業主借」も検討
事業と直接関係のない給付金(生活支援的なものなど)を事業用口座で受け取った場合は、事業所得に含めず「事業主借」で処理することもあります。事業に関連する補助金かどうかで扱いが変わるため、交付要綱でその補助金の目的を確認しておきましょう。判断に迷うものは、区分だけ分けておき専門家に確認するのが安全です。
交付決定・入金・支出の仕訳を順番に
補助金の記帳は「いつ収入に計上するか」がポイントです。原則は交付額が確定した日(交付決定通知や額の確定通知を受けた日)に収入計上し、実際の入金時は未収入金を消し込みます。前受け(概算払い)で先に入金される場合は仮受金でいったん受けます。
交付額が確定したとき(精算払いの例)
補助事業を終えて実績報告し、補助金額が確定した通知を受けたら、その時点で収入に計上します。
額の確定通知を受けたとき:(借方)未収入金 500,000/(貸方)雑収入 500,000
実際に入金されたとき:(借方)普通預金 500,000/(貸方)未収入金 500,000
このように、確定した日と入金日が年度をまたぐ場合でも、確定した年の収入として処理するのが原則です。年をまたぐ場合の詳しい考え方は補助事業が決算期をまたぐときの記帳と繰越処理もあわせてご確認ください。
概算払い(先に入金される)とき
先に補助金の一部が振り込まれる概算払いでは、まだ金額が確定していないため、いったん「仮受金」で受けます。額の確定後に仮受金を雑収入へ振り替えます。概算払いと精算払いの仕組みの違いは、資金繰りにも関わる重要ポイントです。
補助金で固定資産を買ったときの処理
補助金で機械や備品などの固定資産を購入した場合、資産は通常どおり固定資産に計上し、補助金は雑収入に計上します。ただし国庫補助金等で固定資産を取得したときは、一定の要件を満たせば補助金相当額を総収入金額に算入しない特例(圧縮的な取扱い)を選べます。
原則:資産計上+雑収入
たとえば60万円の機械を買い、40万円の補助金を受けたなら、機械は60万円で固定資産に計上して減価償却し、補助金40万円は雑収入に計上します。補助金の分だけその年の所得が増えるため、税負担のタイミングに注意が必要です。
特例:総収入金額不算入(圧縮)を使う場合
国庫補助金等の交付を受けて交付目的に合った固定資産を取得した場合、確定申告書に明細書を添付することを条件に、補助金相当額を総収入金額に算入しない扱いが認められています(国税庁タックスアンサー「国庫補助金等を受け取ったとき」で確認できます)。この場合、固定資産の取得価額から補助金相当額を差し引いて減価償却します。減価償却そのものの基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」で確認できます。使うかどうかは税負担を試算して判断しましょう。
会計ソフトでの入力のコツ
会計ソフトでは、補助金専用の補助科目やタグを作っておくと、後の実績報告や検査で「補助金がいくら入り、何に使ったか」をすぐ示せます。補助金は使い道の証拠書類が厳密に求められるため、通常の経費と混ざらないように記録することが大切です。入力そのものを抱えきれないと感じたら、記帳代行に任せるやり方もあります。
補助科目・メモ欄を活用する
「雑収入(補助金)」のように補助科目を分け、摘要欄に補助金名と交付決定番号を書いておくと管理が楽になります。勘定科目の整理に不安がある方は事業拡大で増えた取引に合わせて勘定科目を整理する実務も参考になります。
よくある質問
Q. 補助金を売上(事業収入)に入れてしまいました。問題ありますか?
所得金額として集計されていれば税額に影響はない場合が多いですが、売上高が実態より大きく見えてしまい、消費税の判定や経営分析に影響が出ることがあります。決算前に気づいたら雑収入に振り替えておくのが望ましいです。
Q. 補助金の消費税はどう扱いますか?
補助金の受け取り自体は消費税の課税対象外(不課税)です。ただし補助金で買ったものの仕入税額控除との関係で別途調整が必要になる場合があります。課税事業者の方は消費税の処理も確認しておきましょう。
Q. 個人事業主でも「国庫補助金受贈益」を使いますか?
使いません。「国庫補助金受贈益」は法人会計で用いる科目です。個人事業主は雑収入で計上し、固定資産取得時の特例を使う場合は総収入金額不算入の明細書で対応します。
Q. 補助金の探し方から知りたいのですが?
まず自分が使える制度を知ることが第一歩です。個人事業主が使える補助金・助成金の探し方で、制度の種類や検索方法を確認するとよいでしょう。
まとめ:補助金は「雑収入」で正しく分けて記帳を
個人事業主の補助金は原則「雑収入」で計上し、交付額が確定した日に収入とするのが基本です。固定資産を買った場合は資産計上と雑収入が基本で、要件を満たせば総収入金額不算入の特例も選べます。補助金と本業の売上を分けて記録することが、後の実績報告や検査をスムーズにする一番のコツです。
ここまでの仕訳や特例の判断を、本業のかたわらで毎月きちんと続けるのは、思っている以上に骨が折れます。入力を溜めると、実績報告の直前になって記帳をさかのぼるはめになりがちです。記帳代行の現場でも、補助金が採択された後に「この仕訳で合っているか」というご相談を数多くいただきます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








