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プロゲーマー・eスポーツ選手の確定申告|...

2026/8/11

プロゲーマー・eスポーツ選手の確定申告|賞金・スポンサー収入を解説

  • 確定申告

☑ 大会の賞金やスポンサー料、配信収入など、収入の種類が多すぎて確定申告のやり方がわからない

☑ 海外大会の賞金にも日本で税金がかかるのか、源泉徴収されているのか不安だ

☑ ゲーミングPCや遠征費は経費にできるのか、線引きがあいまいで困っている

eスポーツが職業として認知され、賞金やスポンサー収入で生計を立てるプロゲーマーや配信者が増えてきました。一方で、収入の入り口が大会・スポンサー・配信・案件と多岐にわたるため、「どこからどこまでが申告対象なのか」「何が経費になるのか」がわかりにくい、という声をよく耳にします。会社員のように年末調整で完結する世界とは仕組みが大きく異なります。

本記事では、プロゲーマー・eスポーツ選手の確定申告について、賞金やスポンサー収入の所得区分、海外賞金の扱い、経費にできる費用の考え方まで、実務に沿ってやさしく解説します。読み終えるころには、自分の収入をどう整理して申告すればよいか、全体像がつかめるようになります。

プロゲーマーの収入はどんな所得になるのか

収入の種類を整理しましょう

プロゲーマーや配信者の収入は、ひとつの財布に見えても中身は複数の性質に分かれています。まずは自分の収入を種類ごとに棚卸しすることが、申告の第一歩です。代表的なものは次のとおりです。

  • 大会の賞金(国内大会・海外大会)

  • スポンサー・チームからの契約料、月額の活動費

  • 配信収入(投げ銭・スーパーチャット、広告収益、メンバーシップ)

  • 案件・タイアップ収入(企業からのPR配信、商品レビューなど)

  • グッズ販売、コーチング・レッスン料 など

これらを「ゲームで稼いだお金」と一括りにせず、入金の根拠(契約書・規約・支払明細)ごとに分けて把握しておくと、後の経理がぐっと楽になります。

事業所得か雑所得かの判断

プロとして継続的・反復的に活動し、それで生計を立てているのであれば、原則として事業所得として申告するのが自然です。事業所得であれば、青色申告を選ぶことで青色申告特別控除(最大65万円)などのメリットを受けられます。

一方、本業が別にあって余暇に大会に出ている、活動規模が小さく収入も限られている、といった場合は雑所得に区分されることがあります。事業所得か雑所得かは、活動の継続性や営利性、社会通念上の独立した事業といえるかなどを総合的に見て判断します。区分に迷う場合は、帳簿の有無や活動の実態を整理したうえで、専門家に確認すると安心です。

チーム所属でも「給与」とは限らない

チームに所属していても、その関係が雇用契約なのか業務委託契約なのかで税金の扱いは変わります。給与として支払われていれば給与所得となり源泉徴収・年末調整の対象ですが、業務委託や報酬としての支払いであれば、自分で確定申告をする必要があります。所属チームから受け取るお金がどちらの性質なのか、契約書や支払明細で必ず確認しておきましょう。

賞金にかかる税金の扱い

国内大会の賞金は原則として課税対象

大会の賞金は、原則として課税対象の収入です。事業として活動しているプロであれば事業所得(または雑所得)の収入金額に含めて申告します。賞金の支払時に源泉徴収されているケースもあり、その場合は源泉徴収された税額を申告書で精算することになります。すでに天引きされた税金は、確定申告で税額から差し引かれ、納めすぎていれば還付されます。

賞金の支払明細や運営からの通知は必ず保管しておきましょう。源泉徴収の有無や金額は明細を見ないと正確にわからず、記録がないと二重に税金を払ってしまうことにもなりかねません。

賞金が非課税になる例外もある

賞金のすべてが課税になるわけではなく、ノーベル賞のように法令で特に定められた賞金など、限定的に非課税となるものも存在します。ただし、eスポーツの一般的な大会賞金は基本的に課税対象と考えておくのが安全です。「賞金だから税金がかからない」と思い込まず、課税を前提に資金を管理しておきましょう。

海外大会の賞金はどうなる?

日本に住んでいる方(居住者)は、国内で得た所得だけでなく、海外で得た所得も含めて日本で申告するのが原則です。したがって、海外大会の賞金も日本の確定申告に含める必要があります。

海外で賞金を受け取る際、現地で税金が源泉徴収されている場合があります。日本と海外の双方で課税されると二重課税となるため、一定の要件を満たせば外国税額控除で日本の税額から差し引ける仕組みがあります。海外送金の明細や現地での課税を示す書類、為替の記録を残しておくことが手続きで重要になります。外貨で受け取った賞金は円換算して帳簿に記載する点も押さえておきましょう。

スポンサー・配信収入の処理

スポンサー料・契約金の扱い

スポンサー企業やチームから受け取る契約料・活動費は、事業の収入として申告対象になります。金銭での支払いだけでなく、ゲーミング機材やデバイスなどを現物で提供された場合も、内容によっては経済的利益として収入計上が必要になることがあります。契約書に支払条件や提供物が記載されているはずなので、内容をよく確認しましょう。

投げ銭・広告収益などの配信収入

配信プラットフォームからの投げ銭・スーパーチャット、広告収益、メンバーシップ料なども収入に含めます。プラットフォームごとに入金サイクルや手数料の控除方法が異なるため、各サービスの支払レポートをダウンロードして保存しておくことが大切です。海外プラットフォームからの入金は外貨建てになることが多く、円換算と為替の記録が必要になります。

案件・タイアップ収入と源泉徴収

企業から依頼されるPR配信や商品レビューなどの案件収入も申告対象です。企業によっては報酬の支払時に源泉徴収を行っており、その場合は支払調書や支払明細に源泉徴収税額が記載されています。これらの書類は還付の計算に直結するため、案件ごとに整理して保管しておきましょう。物品提供のみの案件でも、受け取った物の価値が収入とみなされる場合がある点に留意してください。

経費にできる費用・できない費用

経費にできる費用の例

経費とは、収入を得るために直接必要となった費用です。プロゲーマー・配信者の活動では、次のような費用が経費の候補になります。

  • ゲーミングPC・モニター・デバイス類、配信機材(マイク・カメラ・照明など)

  • ゲームソフト・課金、配信や編集に使うソフトウェアの利用料

  • 通信費(高速回線・モバイル回線)、サーバー・クラウドサービス代

  • 大会・イベントへの遠征費(交通費・宿泊費)、参加費

  • 練習に使う設備、コーチング費用、トレーニング関連費用

  • 外注費(動画編集・サムネイル制作などを依頼した場合)

高額な機材は、購入金額や使用期間によっては一度に全額を経費にできず、減価償却として複数年に分けて費用化することになります。判断に迷う場合は、購入時の金額をメモしておき、後で処理を確認できるようにしておきましょう。

家事按分の考え方

自宅で配信や練習を行っている場合、家賃・電気代・通信費などは生活と事業の両方に使われています。このようなときは、事業で使っている割合だけを経費にする家事按分を行います。たとえば自宅の一室を配信専用にしているなら、その面積や使用時間の割合といった合理的な基準で按分し、その根拠(部屋の広さ、稼働時間など)を説明できるようにしておくことが大切です。

経費にできない・注意が必要な費用

  • プライベートでのゲームプレイや娯楽としての課金(事業と関係のない部分)

  • 事業に関係のない私的な飲食・旅行

  • 家族や友人との純粋な交際費で、事業との関連が説明できないもの

ゲームに関する出費だからといって、何でも経費にできるわけではありません。「その支出が収入を得るために必要だったか」を基準に、私的な部分と切り分ける意識を持ちましょう。領収書やレシートはこまめに保管し、何のための支出かを一言メモしておくと役立ちます。

申告に向けて準備しておきたいこと

収入と経費の記録を残す習慣

収入の入り口が多いプロゲーマーほど、日々の記録が後の確定申告を左右します。大会の賞金明細、プラットフォームの支払レポート、スポンサー契約書、経費の領収書などを、入ってきたタイミングで整理しておきましょう。月に一度でも収支をまとめておくと、申告期に慌てずに済みます。

事業用の口座・カードを分ける

活動用とプライベートのお金が同じ口座で混ざっていると、どれが事業の収入・経費なのかを後から仕分けるのに大変な手間がかかります。事業用の銀行口座やクレジットカードを分けておくだけで、記帳の手間も家事按分の判断も大きく楽になります。これから本格的に活動するなら、早い段階で分けておくのがおすすめです。

青色申告を検討する

事業所得として申告できる規模であれば、青色申告の検討をおすすめします。青色申告特別控除(最大65万円)のほか、赤字を翌年以降に繰り越せる、家族への給与を経費にできるなどのメリットがあります。ただし、複式簿記での帳簿付けや期限内の申請など一定の要件があります。確定申告の期間は原則として毎年2月16日から3月15日まで。それを見据えて早めに帳簿づけの体制を整えておきましょう。

よくある質問

Q. 賞金や配信収入が少額でも確定申告は必要ですか?

所得(収入から経費を差し引いた金額)の状況によって判断が変わります。専業の場合は、所得が基礎控除などの範囲に収まらなければ申告が必要です。会社員などで給与をもらいながら活動している方は、副業的な所得が一定額を超えると申告が必要になります。働き方によって基準が異なるため、収入が少ないからと自己判断で済ませず、年間の収支を一度整理してみることをおすすめします。

Q. 海外大会の賞金で、すでに現地で税金が引かれていました。日本でも払うのですか?

日本に住んでいる方は、海外で得た賞金も日本で申告するのが原則です。ただし、現地ですでに課税されている分について二重課税とならないよう、一定の要件を満たせば外国税額控除で日本の税額から差し引ける場合があります。現地での課税を証明する書類や送金明細を保管し、外貨は円換算したうえで申告しましょう。手続きがやや複雑なため、専門家に相談すると確実です。

Q. ゲーミングPCは購入した年に全額経費にできますか?

金額によって扱いが変わります。少額のものはその年の経費にできますが、高額なPCや機材は減価償却として使用できる年数に応じて分割して費用にするのが原則です。購入時期・金額・用途を記録しておけば、後で正しい処理を判断しやすくなります。仕事とプライベートの両方で使う場合は、事業で使う割合だけを経費にする家事按分も必要です。

まとめ:収入を種類ごとに整理することが第一歩

プロゲーマー・eスポーツ選手の確定申告は、賞金・スポンサー料・配信収入・案件収入といった多様な収入を種類ごとに整理し、それぞれの性質(事業所得か、源泉徴収の有無、海外分かどうか)を把握することがすべての出発点です。そのうえで、活動に必要だった費用を経費として正しく計上し、私的な支出としっかり線引きすることが、適正な申告と無理のない節税につながります。

とはいえ、大会・配信・スポンサー対応で多忙な中、複数のプラットフォームの支払レポートをまとめ、外貨を円換算し、帳簿をつけ続けるのは大きな負担です。本来力を注ぐべき競技や配信の時間が経理に奪われては本末転倒です。

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