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個人事業主が賃貸を借りるときの入居審査と...

2026/8/11

個人事業主が賃貸を借りるときの入居審査と確定申告書を解説

  • 確定申告

☑ 会社員のときより賃貸の入居審査が通りにくくなった気がする

☑ 不動産会社から確定申告書の控えを求められたが、どれを出せばよいかわからない

☑ 節税で所得を抑えているせいで審査に落ちないか不安だ

独立して個人事業主やフリーランスになったとたん、引っ越しのときの賃貸契約でつまずく方は少なくありません。会社員時代は源泉徴収票を出せばすんなり通っていた入居審査が、独立後は「確定申告書の控えを見せてください」と言われ、戸惑ってしまうのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主が賃貸を借りるときの入居審査の仕組みと、なぜ確定申告書が重視されるのか、どの書類をどう準備すればよいのかを、やさしく解説します。読み終えるころには、審査で慌てないための具体的な備え方がイメージできるようになります。

個人事業主の入居審査はなぜ厳しく見られるのか

「収入の安定性」が問われるから

賃貸の入居審査では、家賃をきちんと払い続けられるかどうかが最大の関心事です。会社員は毎月決まった給与があり、雇用も比較的安定していると見なされます。一方、個人事業主の収入は月ごとや年ごとに変動しやすく、貸主や保証会社から「来年も同じように稼げる保証はあるのか」という目で見られがちです。

つまり、能力や人柄の問題ではなく、収入の継続性を客観的な書類で示しにくいという構造的な事情から、審査が慎重になりやすいのです。ここを理解しておくと、必要以上に落ち込まず、書類で安心感を伝える方向に頭を切り替えられます。

会社員との審査基準の違い

  • 会社員:源泉徴収票や給与明細で収入を証明できる

  • 個人事業主:確定申告書の控えが主な収入証明になる

  • 独立直後:前年の事業実績がないため、事業の見通しを補足する必要がある

会社員が1枚の源泉徴収票で済むのに対し、個人事業主は確定申告書を中心に複数の資料で総合的に判断されます。書類の種類が増える分、事前準備の差がそのまま審査結果の差につながりやすいといえます。

保証会社が見ているポイント

近年の賃貸契約では、家賃保証会社の利用が一般的です。保証会社は、申込者が家賃を滞納したときに立て替える立場のため、審査では年収だけでなく、家賃と収入のバランスを重視します。一般的な目安として、月の手取りに対して家賃が3割前後に収まっているかを見られることが多いとされています。希望物件の家賃が自分の所得に見合っているかを、申し込み前に冷静に確認しておきましょう。

入居審査で確定申告書が重視される理由

事業所得を公的に証明できる唯一の書類だから

個人事業主にとって、確定申告書の控えは「私はこれだけの所得がありました」と公的に示せるほぼ唯一の書類です。給与のような第三者発行の証明がない分、自分で申告し税務署が受け付けた記録が、収入の裏付けとして強い意味を持ちます。だからこそ不動産会社は、申込書の自己申告だけでなく、確定申告書の数字で実態を確認しようとするのです。

「所得金額」が見られるという落とし穴

ここで多くの個人事業主がつまずくのが、審査で重視されるのは売上(収入金額)ではなく所得金額だという点です。確定申告書の第一表では、収入から必要経費を差し引いた所得金額が記載されます。売上が1,000万円あっても、経費を差し引いた所得が200万円であれば、審査上は「年収200万円台」と見られることがあります。

節税のために経費を計上し所得を圧縮するのは正しい経営判断ですが、それが入居審査では不利に働く場合があるという、いわば二面性があるのです。引っ越しを予定している年は、このバランスを意識しておくと安心です。

過去2〜3年分を求められることもある

収入の安定性を見るため、確定申告書の控えを過去2年分、場合によっては3年分求められることがあります。ある1年だけ所得が高くても、前後で大きく落ち込んでいれば安定性に欠けると判断されかねません。逆に、毎年コツコツと一定の所得を申告できていれば、それ自体が「継続して事業を営めている」という説得力のある材料になります。日頃からきちんと申告を続けることが、こうした場面でそのまま信用につながります。

審査で求められる確定申告書の控えと準備のコツ

「収受印」または受信通知が重要

不動産会社に提出する確定申告書の控えで、特に重要なのが提出した事実を示す証跡です。紙で税務署に提出した場合は、控えに押される収受印(受付印)がその役割を果たします。e-Taxで電子申告した場合は、送信後に発行される受信通知(メッセージボックスの受付結果)が同じ役割を持ちます。

単なる手元のデータや印字物だけでは「本当に申告したのか」が確認できないため、提出済みであることがわかる状態の控えを用意しておきましょう。e-Tax利用者は、申告後に受信通知を保存・印刷しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

控えを紛失したときの取り戻し方

  • e-Taxで申告した場合:メッセージボックスから申告データや受信通知を再表示・印刷できる

  • 紙で申告した場合:税務署で「保有個人情報の開示請求」により申告書の写しを入手できる

  • 急ぎで収入を証明したい場合:市区町村の「課税証明書」「所得証明書」で代用できることがある

控えが見つからないと焦りがちですが、再取得の手段はいくつもあります。ただし役所での発行には時間がかかることもあるため、引っ越しが決まったら早めに手元の書類を確認しておくのが安心です。

確定申告書以外に求められやすい書類

確定申告書の控えに加えて、本人確認書類のほか、納税証明書預貯金の残高がわかる資料を求められることもあります。納税証明書は確定申告の内容に基づいて税務署が発行する公的書類で、申告額の信ぴょう性を補強してくれます。預貯金残高は、収入が変動しても一定期間は家賃を払える余力があることの証明になります。これらを組み合わせて提出すると、審査担当者に安心感を与えやすくなります。

審査に通りやすくするための実務的な工夫

引っ越し予定の年は所得とのバランスを考える

近いうちに賃貸契約や住宅ローンを検討している場合、その年の所得をどう申告するかは少し意識しておくとよいでしょう。過度な節税で所得を極端に圧縮すると、審査上の「年収」が低く見えてしまいます。もちろん、実態のない経費を計上したり、所得を水増ししたりするのは絶対に避けるべきですが、適正な範囲で申告のタイミングと事業計画を見渡す視点は持っておきたいところです。

連帯保証人や預貯金で補強する

所得面で不安がある場合は、別の角度から信用を補う方法があります。安定収入のある親族に連帯保証人になってもらう、預貯金残高を提示して支払い能力を示す、家賃の数か月分を前払いする相談をする、といった工夫です。保証会社の審査では、収入の数字だけでなく、こうした総合的な支払い余力も評価の対象になります。

不動産会社に独立後の状況を丁寧に伝える

独立直後で前年の確定申告書がまだない場合でも、開業届の控えや直近の請求書・通帳の入金履歴、取引先との契約書などで、事業が現に動いていることを示せます。審査は人が判断するものですから、隠さず誠実に状況を説明することが、結果的にプラスに働くことが多いものです。事業用と生活費の口座を分けて管理しておくと、入金の実態も説明しやすくなります。

よくある質問

Q. 開業したばかりで確定申告書がまだありません。賃貸は借りられませんか?

確定申告書がなくても、借りられないと決まったわけではありません。会社員時代の源泉徴収票や退職前の収入を参考資料にしたり、開業届の控え、直近の取引実績、預貯金残高などで支払い能力を示したりする方法があります。連帯保証人を立てられる場合は、それも有力な補強材料になります。まずは正直に状況を伝え、提出できる資料をできるだけそろえて相談してみましょう。

Q. 節税で所得を抑えていますが、審査のために多めに申告し直すべきですか?

実際の所得を超える金額を申告するのは適切ではありません。確定申告は実態に基づいて行うものであり、審査のためだけに数字を操作するのは避けるべきです。所得が低めで不安な場合は、預貯金残高や連帯保証人など、別の方法で支払い能力を補う方が健全です。引っ越しの予定があるなら、その年の節税の度合いをあらかじめ計画的に考えておくとよいでしょう。

Q. 確定申告書の控えに収受印がありません。どうすればよいですか?

紙で提出した控えに収受印がない場合や、e-Taxの受信通知が手元にない場合は、税務署で申告書の写しを取り寄せる、市区町村で課税証明書や所得証明書を取得する、といった方法で収入を証明できます。今後のために、申告後は収受印のある控えや受信通知を必ず保管しておく習慣をつけておくと安心です。

まとめ:日頃のきちんとした申告が、いざというときの信用になる

個人事業主の入居審査では、確定申告書の控えが収入を証明する中心的な書類になります。見られるのは売上ではなく所得金額であること、収受印や受信通知のある控えを準備すること、そして過去数年分の安定した申告実績が信用につながることを押さえておけば、審査を過度に恐れる必要はありません。引っ越しを予定している年は、節税と所得のバランスにも少し気を配っておきましょう。

とはいえ、こうした「いざというとき」に役立つ確定申告書は、日々の記帳がきちんと積み重なっていてこそ、自信を持って提出できるものです。本業に追われて帳簿づけが後回しになり、申告内容に不安が残る状態では、審査の場面でも落ち着いて対応しづらくなってしまいます。

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